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ねがうこと、ゆだねること

美しい魂を描いた画家の初回顧展

2010-06-10 | art
このまえのNHK新日曜美術館で長谷川潾二郎さん
(1904- 1988)という画家を知った。
見に行きたいと思ったら6月13日までだという。
混むのを避けるべく平塚市立美術館に足を運んだ。

素朴派ルソーの影響をうけながらも画壇とも離れ
独自の静謐な世界をゆっくり自分のペースで
築いていった様子がわかる。

眼前の感動を追い求め、写生をしないで描いたものは
ないという。おもしろいのは影の処理、影があったりなかったり。
影を描くか描かないかに迷ったんだろうなと思う。
言葉もいいので日記からいくつか抜粋していく。



感動は頭脳的な思考を超える。
(感動は)不可知の世界から来るのだ。
神秘な世界を信じない画家にはくみすることは出来ない。



一番美しい色は何かと聞かれたら、私は土の色だと答えたい。
太陽の光を一杯すった土の色に匹敵する色彩美を私は知らない。



よい画はその周囲をよい匂いで染める。
よい画は絶えずよい匂いを発散する。
よい匂い、それは人間の魂の匂いだ。
人間の美しい魂の匂い、それが人類がもつ最高の宝である。