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ぬ利彦ビル

2010-06-09 | 建築
京橋は宝町の打合せに向かったんだけど
建物が「ぬ利彦ビル」と変わった名前や
なぁとおもって着いたら、佇まいがいい。

周囲をぐるっと廻ると、双子のビルがある。
「第一ぬ利彦ビル」「第二ぬ利彦ビル」
ともに1962年の竣工らしい。

調べてみると、ビルオーナーの「ぬ利彦」は
1717年に創業された酒問屋だそうだ。

京橋にあった「塗(ぬり)町」で創業し、
初代が中澤彦七さんが、「塗町」と
「彦七」をあわせて「ぬ利彦」
にしたらしい。

七代目が関東大震災後の復興局に
「宝町」という名前を提案したとか、
八代目は第二次世界大戦のさなか、
「国民酒場」を立案し、都内177ケ所に
開設とか、おもしろそうな歴史が詰まっている。

酒問屋事業は今でも盛んで、
宮内庁への納入もされてるそうな。
その他、IBMの特約店として
システム開発なども手がけている。



「第一ぬ利彦ビル」の設計思想は
丸の内でも散見されるけど、
1階のまん中に廊下を通して
センターにエレベータや設備機能を
集約させている。

なので1階の表情が豊かで、
様々な業態の店舗があったり、
受付を設けて上階にエレベータで
案内する独立棟を内包している。

ワーキングスペースもまとまって
外壁は全面窓ガラス化を果たしている。
先々まで見越した余裕のある建物と
印象を受ける。

設計者や施工者情報がまだわかって
ないのでまたおいおい。