ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語248「火星人」

2020年04月13日 19時00分31秒 | 日記
ちいチャンが小さい頃の話では、
「宇宙人は、火星に住んでいる」
ようでした。
テレビでも、雑誌でも、
出て来る宇宙人の姿は、「タコ」です。
このタコの宇宙人は、
「火星人」と呼ばれています。
火星から地球にやって来た、宇宙人なのでした。
このタコの宇宙人は、
8本全部が足になったり、
8本全部が手になったりする様です。

ちいチャン物語247「おじいちゃんとおばあちゃんの技」

2020年04月12日 19時05分42秒 | 日記
おじいちゃんとおばあちゃんは、
ちいチャンに、
お掃除のお手伝いをさせるのが、
とても上手です。
お手伝いをした時に、
「ありがとう。」とか、
「助かるよ。」とか言うのではなく、
「ちいチャンがやると、ピカピカになるねぇ。
キレイだねえ。」と、
ちいチャンにしか出来ないピカピカ技、
のような褒め方をします。
ちいチャンは得意げで、嬉しくて、
お手伝いをするのが、楽しくなります。

ちいチャン物語246「ころんだ膝の手当て」

2020年04月11日 19時15分14秒 | 日記
運動会で、
ころんで膝をすりむいたちいチャンは、
テントの中にある、救急班の所に連れて行かれました。
救急班の人は、
ピンセットで、親指大の脱脂綿をつまむと、
「オキシドール」という消毒液に付けました。
そして、その消毒液の付いた脱脂綿を、
ちいチャンのすりむいた膝に、
ぽんぽんぽんと塗り始めました。
とっても!しみて!痛い!消毒液です。
消毒液を塗った傷口は、ぶくぶくと白い泡が出ます。
「う゛―。」
余りの痛さに、言葉にならない声が出ます。
気の毒に思ったのか、救急班の人は、
ふう~!ふう~!と、
口をすぼませて、ちいチャンの傷口に風を送ってくれました。
それから、
その後で、脱脂綿に「赤チン」を付けると、
膝に塗り始めました。
消毒液、赤チンを塗り終わると、
今度は、傷口をガーゼで覆い、黄色い油紙をかぶせ、包帯をしました。
包帯の巻き終わりは、
膝を一周出来るぐらいの長さに切り込みを入れ、
膝を一周まわして、結んで止めます。

ちいチャン物語245「運動会の徒競走は」

2020年04月10日 19時21分57秒 | 日記
ちいチャンは、
運動会の徒競走で、
いつもころびます。
おばあちゃんは、
ちいチャンを見るのを楽しみに、
よく見える場所に席を取り、座っています。
そして、
走るちいチャンが近づくと、
身をのり出して、手を叩きながら応援をします。
だから、
ちいチャンは、
頑張ろうと一生懸命に走ります。
でも、
前を走っている人を追い越そうとすると、
いつも、
前の人の足につまずいて、ころんでしまいます。
ちいチャンは、
ころび方が下手なのか、
膝っこぞうを、ずるりと擦り剥いてしまいます。
運動会の日は、
毎年、膝っこぞうに白い包帯のオマケが付く、ちいチャンでした。

ちいチャン物語244「火傷の痕」

2020年04月09日 19時44分21秒 | 日記
ちいチャンは、おばあちゃんに手を引かれ、
街を歩いていました。
ちいチャンは小さいので、
おばあちゃんと話をする時は、
空を見あげる様に、上を見上げます。
おばあちゃんと話をしている時、
綺麗なお姉さんとすれ違いました。
綺麗なお姉さんは、長い髪を横から分けています。
ちいチャンは、下からお姉さんを見上げました。
お姉さんは、怪我をしている様で、
顔から首にかけて、
火傷で皮膚がひきつって、ケロイド状になっています。
ちいチャンは、
(痛くないのかなぁ。)
と、気になりました。
でも、そのお姉さんに会ってから、
ちいチャンは、街行く人の中に、
唇の上が火傷の様にひきつったり、
手の甲が火傷の様にひきつったり、
腕やおでこが火傷の様にひきつったりと、
同じ症状の人が多い事に気が付きました。

ちいチャン物語243「縄跳びの縄」

2020年04月08日 19時21分19秒 | 日記
近所の子どもたちが、縄跳びをしています。
長い縄跳びに列を作り、
ひとり、ひとりと跳んで行きます。
「ちいチャンもおいで。」と誘われて、
ちいチヤンも、縄跳びの列に加わります。
縄跳びの縄は、ワラで編まれています。
いつも、誰かがどこからか持って来ます。
長い縄跳びは、少し太く出来ていて、
一人用の縄跳びは、細く短く編んであります。
ワラの縄跳びは、
ちょうど良い太さと重さに出来ているので、
とても飛びやすいです。
でも、ワラの縄跳びはワラなので、
何回も何回も何回も使っている内に、
地面とこすれる部分が、少しずつ切れて来ます。
そして、
跳んでる途中で、二つに切れる事があります。
縄跳び二刀流です。
半分に切れてしまった縄跳びは、
まん中で結んで、また使えます。
それでも切れて、ボロボロになってしまったら、
ひとり遊びにも使えます。
片手に持って、地面をまわし、
しゃがんで、ピョンピョンと跳びます。
ワラの縄跳びは、誰が何処で作ったものなのか、
ちいチャンはわかりません。
だけど、
運動会の、綱引きの綱も、
やっぱりワラで出来ています。

ちいチャン物語242「味噌汁のダシ・その2」

2020年04月06日 19時45分27秒 | 日記
おばあちゃんは、
味噌汁を作る時に、煮干しを使います。
3センチぐらいの大きさの煮干しを、
パラパラパラっと入れます。
でも、おばあちゃんは、
味噌汁が出来上がっても、煮干しは取り出さず、
それをそのまま、味噌汁の具にしてしまいます。
ワカメの味噌汁でも、
大根の味噌汁でも、
豆腐の味噌汁でも、
底には必ず、煮干しが入っています。
ちいチヤンが、煮干しを残そうとすると、
おばあちゃんは、
「煮干しも一緒に食べなさい。」
と、言います。
煮干しは、味噌汁と一緒に煮てあるので、
そんなに固くはありませんが、
ふわっとした魚の食感も無く、
煮干しのうまみは、味噌汁に出てしまっているので、
“出がらし煮干し”
みたいな味がして、あまり美味しくありません。
おばあちゃんは、
「背が大きくなるよ。」
と、言います。

ちいチャン物語241「味噌汁のダシ」

2020年04月05日 18時57分42秒 | 日記
おばあちゃんは、
お味噌汁をつくる時に、
カツオ節でダシをとります。
大工さんの、カンナをさかさまにしたような物の下に、
箱がくっ付いているみたいな道具を使い、
カシュ!カシュ!カシュ!と、
乾燥カツオを削ります。
時々、
ちいチャンは、お手伝いを頼まれて、カツオ節を削ります。
おばあちゃんは、カツオ節を削るのが上手で、
大工さんが、カンナで木を削った時のような、
シュルルルっとしたカツオ節を削ります。
ちいチヤンは、
一生懸命、力を入れて削るのですが、
箱を開けると、カツオ節の粉になっています。
どうしても上手く、シュルルルのカツオ節が削れません。
だって、
乾燥カツオは、石のように固いのです。
おばあちゃんは、力持ちです。

ちいチャン物語240「子どもの体温を奪う?」

2020年04月04日 19時25分36秒 | 日記
泊まりに来た、親戚のおばさんの赤ちゃんは、
夜に何度も泣くので、
おばさんは寝不足で、
とても疲れているようでした。
それで、おばあちゃんは、
夜は赤ちゃんを預かって、
赤ちゃんとおばあちゃんが、一緒に寝る事になりました。
おばあちゃんは、
「年寄りは、子どもの体温を奪うから、本当は抱いて寝ない方がいいんだけどね。」
と、言いました。
それは、おばちゃんもわかっている事のようでした。
でも、おばちゃんは、
ちいチヤンの家に泊まっている1~2日間は、
夜は、ぐっすり眠れたようでした。

ちいチャン物語239「鼻水をすするおばあちゃん」

2020年04月03日 19時27分57秒 | 日記
親戚のおばさんが、
赤ちゃんを連れて、泊りに来ました。
赤ちゃんは、黄色い鼻水を出し、
プハプハ口で息をしています。
おばさんは、ガーゼのハンカチをお湯で温め、
赤ちゃんの鼻をふいてあげています。
でも、赤ちゃんは、
鼻の通りが良くない様で、苦しそうです。
それを見て、おばあちゃんは、
そっと赤ちゃんを抱きあげて、静かに顔を近づけると、
赤ちゃんの鼻に口を付け、
ズズズズズズゥ、と鼻水を吸いました。
ちいチャンは、ビックリしました。
(おばあちゃんの口の中に、赤ちゃんの鼻水が入ってるー!)
おばあちゃんは、台所へ行くと、鼻水を吐き出し、うがいをしました。
おばあちゃんは、
「鼻がつまっている時は、これが一番いいんだよ。」
と、言いました。
ちいチャンは、自分が赤ちゃんを産んだ時、
鼻水をすするのは、気持ちが悪いなぁ、と思いました。
だから、おばあちゃんに、
「おばあちゃん、ちいチャンが赤ちゃんを産んだら、
ちいチャンの赤ちゃんの鼻もすすってね。」
と、お願いをしました。
おばあちゃんは、
「はい、はい。」
と、返事をしました。

ちいチャン物語238「初めての料理」

2020年04月02日 19時41分16秒 | 日記
小学生の頃、
おばあちゃんは、ちいチャンに、
料理を教え始めました。
料理といっても、味付けは、おばあちゃんです。
だから、最初に教えてくれたのは、
包丁の持ち方と、材料の切り方です。
玉ねぎの皮のむき方と切り方。
大根、人参、ゴボウの皮のむき方と切り方。
包丁は大きくて、恐いです。
最初は、じゃがいものような、
切りやすいものを切らせてくれました。
次は、リンゴの皮のむき方とシンの取り方です。
そして、慣れて来た頃、
大根の千切りを教えてくれました。
大根の千切りは、
大根を輪切りにしてから、千切りにするのです。
5ミリぐらいの幅の輪切りにするのは、とても難しいです。
上が薄くて、下が厚くなったり、
シュパッ!と、切れて輪にならなかったり。
そして千切りは、太くなったり細くなったり。
角材の様な千切りが出来上がります。
大きさがバラバラの千切りだけど、
おばあちゃんは、ニコニコしながら、
お味噌汁を作ってくれました。

ちいチャン物語237「ガキ大将のシン君」

2020年04月01日 19時56分54秒 | 日記
ガキ大将のシン君は、
運動会のエースです。
毎年、リレーの最後を走ります。
シン君が走ると、歓声が沸き起こります。
シン君は、ビリでバトンを受け取っても、
風のように走り、
一人、二人、三人、四人と追い抜いて、
いつもトップでゴールをします。
そして、もし、
シン君が、1番でバトンを受け取っても、
やっぱり風のように走り、
2位との距離を、ぐんぐんと広げて行きます。
円の半周ほども引き離し、テープを切ります。
でも、
ちいチャンは、
シン君がエースには見えません。
シン君は、
ちいチャンが、シン君を知らないのに、
突然、目の前に現れて、
ピシャリ!と頬を殴った事があるからです。