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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

悲しきマーカー

2008-03-07 | 研究ノート
・所内のDNA研修パート2。といってもパート1をやったのは2年前だったか・・・。今回はライラックの再抽出とシャクナゲのDNA抽出とRAPD分析を一日で行う予定である。直前に3名参加することになり、合計9名での研修となった。さすがに9名ともなると、実験室が一杯である。最初は”おっかなびっくり”という感じだったのだが、だんだんと慣れてきたのか、12時前にAEを入れるところまで完了。

・お昼過ぎからいよいよPCRにかける。500ulから一気に1ulになると、急にマイクロな世界に一変する。PCR増幅には2時間半ほどかかるので、その間にゲルを作成。増幅したPCR産物を電気泳動にかける。電気泳動に必要な時間は40分。その後、ゲルを20分間染色し、UVトランスイルミネーターで最終結果を見る。時間は既に6時半過ぎである。

・ウイーンと音がしてトランスイルミネーターが紫色に光ると、バンドがピンク色に輝く・・・はずだったのだが、輝いたのはサイズマーカーとわずか2サンプル。2年前のフラッシュバック。「おおっと、やっちまったかー」。期待の2枚目は、いよいよマーカーだけである。「一日頑張った結果がこれか・・・」と、がっくりしながらも、3枚目と4枚目にわずかな希望を持つ受講者たち。

・3枚目はもう少しバンドが見えるサンプルがあり、「おおっ」とどよめきが起こる。そこで期待高まる4枚目だったのだが、またもやサイズマーカーだけが悲しく光るという結果に・・・。もう一度、リベンジをしようかという相談をして、DNA研修は終了。皆さん、お疲れ様でした・・・。



・終わってから画像をもう一度チェックをしてみると、今回は16サンプルで3プライマーの解析を行ったのだが、まず、プライマーによって増幅がいいものと全然駄目なものがある。よく見ると増幅できているサンプルはある程度決まっている。H19はまるでダメだが、I12は増幅しているサンプルが多い。V14はその中間。また、ライラックのNo5とNo6はI12とV14で増幅し、No8はH19とI12で増幅している。ライラックは全然ダメだったのかと思いきや、I12でサンプルNo1だけは少し増幅している。





・この結果を見ると、全体にPCR増幅は悪いのだが、プライマーによっては多少増幅しており、さらにサンプルによってDNAの純度(あるいは濃度の適正さ)が異なるようだ。したがって、DNAを精製すれば、かなり結果が改善されそうである。そう考えれば、初めてのDNA研修でバンドが少しでも出たというのは悪くない、ともいえそうである。