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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

ルー的会話

2008-02-07 | 研究ノート
・トドマツ種子散布論文の改訂作業。Lさんと電話で連絡をひたすら議論しつつ、一歩一歩改訂作業を進めていく。ようやく核SSRの再解析が納得できるところまで行ったので、cpSSRを使って母親特定の作業に入る。朝5時半に起きて解析して、一応できたと思ったのだが、前回とはまるで違う結果になっている(なぜか種子散布距離の頻度分布は似ている)。どう考えてもおかしいということで、もう一度、落ち着いてやり直してみると、なるほど、当方の(おそらくコピー&ペーストに関連する)単純ミスであった。

・コピー&ペースト、並び替え、新しいファイル作成などをやっていくと、これほどまでに間違えてしまうものか・・・(当方の性格の問題?)。早くRでのマイニングを覚えた方がいいのだが、つい時間に追われると無理やりなことをやってしまう。今更、エクセルの達人になってどうするということなんだが・・・。自殖に関する結果の不一致の原因も突き止めることができ、最終的には双方が納得できる結果となった(当然だが、前回とはほとんど結果が変わらない)。しかし、一連の作業の中で、Lさんが納得できないと言ったことは全てちゃんとした理由があった(ほとんどが当方のミス)。その眼力には感服である。

・10時半からメールサーバー移行作業で全職員のメールが使えなくなるということで、10時半前に駆け込みメールをいくつか。予告どおり、それ以降は一切のメールがこなくなった。使えないとなるとあきらめもつくところもあり、それはそれで平穏な心につながるような・・・。

・3時半よりD氏の研究まとめの相談ということで、K林長も同席の上で3者面談。自分の研究をまとめてくれたのはいいんだが、94ページに及ぶ(テーブルがさらに30ページ)”レポート”なるものはあまりにも厚すぎて何が大事なんだかさっぱり分からない。要するに、取ったデータを全部載せてみましたということのようで・・・。結局、何を言いたくてどれが一番重要な図なんだというのを聞き出すのが大変であった。だんだんこちらも熱くなってくると、英語を選んでいるのが面倒になり、「Storyがimportantなんだから、Most important figureをselectしてshortenしなきゃダメ」・・・。これじゃあ、まさにルー大柴である。

・4時半から勉強会。本日は、生産現場での広葉樹材の採材方法について、Kさんによる発表。今回の現場では、ある程度質の高い広葉樹材(主にダケカンバ)がまとまって出材されたこともあり、長材をうまく採るなど、細部にわたり工夫をしている(さすが!)。玉切りした材の木口からどこまで腐れが続いているかを判断して、最も効率よく(しかも経済的な価値が高いように)採材するにはどうするか、といったお話。そこでは経験と勘が重要なわけであるが、それと同時に確率的にどのように採材すれば危険が少ないかという熟考も必要な世界である。「白い腐れは中までいくが、黒い腐れは途中で止まることがある」とか、含蓄のある言葉が飛び出す。実に面白い。しかし、こうした話を聞くにつけ、自分が林業現場にいるということを感じ、そのことに幸運を感じるとともに、身が引き締まる想いである。