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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

隠れテーマ

2008-02-26 | フィールドから
・庁舎前のヤチダモ大木(雌)は毎年かなりの種子をつける。現在、種子散布時期のようで種子がさかんに落ちている。何気なく眺めていると、枝先に小鳥が群がっている。よく見ていると、種子をつついているようだ。ヤチダモ種子を鳥が食するというのは初めて見た。Mくん、Fくん、Oさんたちと双眼鏡などで調べるうちに、その鳥の名前は「ウソ」であることが分かった。それだけ餌に困っているということであろうか・・・。



・13・14林班の検討会。途中までは車でポイントに寄りながらの検討。楽でいい反面、面倒だからとスキーをはかずに済まそうとすると、どうしても道からプロットを眺めることになる。思った以上に、林内の様子や穴の感じなどがよく分からないというデメリットもあるわけで・・・。



・倒木更新によって成立した一列の群。これを写真に撮ろうといつも思うのだが、なぜかうまく感じがでないんだよねえ・・・。

・この辺りは標高650mから700m程度の平らな場所であるが、エゾマツ、トドマツ、ダケカンバを主とする疎林が続く。風害を受ける前は、全然違う林相だったんだろう。ただ歩くには楽しいところだが、「更新が悪く、本数が少ない」という取り扱いの難しい森林が続く。

・その上、”湿地がかっている”上に粘土質という、地拵えも難しい場所も多いらしい。最終まとめで、自分なりの意見を述べるがうまく説明しきれずに沈没。その後、ぐるりと議論が回った後で、ベテラン職員のOさんが同じ内容のことを言うと、不思議なことに、なぜかみんな納得したようである。

・時期尚早だったのか、経験の違いか・・。言葉を生業としている当方にとっては情けない限りだが、少し引いたところから眺めると、これはなかなか面白い光景でもある。同じ内容でも人によって、受け入れられるどうかが異なるか否か、というのは司馬遼太郎が名著「竜馬がゆく」を書き綴る中での隠れテーマでもあり、当方にとっても興味の尽きないテーマである。