・執筆中のトドマツ論文とアカエゾマツ論文が”待ち”の状態になっているので、思い切って新たな論文執筆に着手。26年前に事業的規模で設定された天然更新試験地を2005年に調査した結果を論文にしようという試み。「どこに出しても恥ずかしくない試験地」だと思っているのだが、いざ論文となると学術的な新規性が重要視される。改めて考えるには、先行研究のレビューが必要だということで、北海道大学の吉田さん達グループの仕事を改めて読み直す。”地がき”だけでなく、施業と更新、ササと更新など、緻密に計画されていてそつがないね(当方とは大違いだ・・・)。
・梅木さんのレビュー(日林誌)によれば、北海道では、地がきをすると一般にはダケカンバが優占し、種多様性が著しく低くなる、と結論できるようだ。一方、最近の傾向として多様な森林づくりというのが世界的にも重要視されている。ということになると、北海道で地がきする際に、多様な木本種(施業的に見れば高木種)をいかに更新させるかが、一つの命題になっているとみていいだろう。
・今回の試験地では、主に標高と地形という2つの要因で、木本種の更新密度、サイズ分布といった結果が得られている。標高によって更新樹種が変化することは予測されるが、これまでは個別の研究が多くて、地域の影響なのか、標高の影響なのか分離できなかった。その点、本研究では、同じ山岳地帯で標高差があるために、標高の影響を抽出できる。また、樹木種が地形によって更新の良否が異なることは良く知られているが、地がきを行う際に人為的に設定された地形に対する応答反応を調べた例は少ない。こういった点が本研究の”売り”といえるかもしれない。地がきから20年以上が経過していることもアピールできる項目の一つだろうが、地がき当初の上層植生の正確な種組成がないのがマイナス点だろう。
・この分野は、焼松峠の論文をようやくPublishさせたものの、森林遺伝関係に比べると圧倒的に関連論文の読破量が少ない。世界的な位置づけを行うためには、もっと論文を読まなくちゃいけないのだが、なぜかこの分野の論文は妙に長い(14ページとかざらである)。早いところ、”これは!”といういい文献を見つけないといかんな。
・梅木さんのレビュー(日林誌)によれば、北海道では、地がきをすると一般にはダケカンバが優占し、種多様性が著しく低くなる、と結論できるようだ。一方、最近の傾向として多様な森林づくりというのが世界的にも重要視されている。ということになると、北海道で地がきする際に、多様な木本種(施業的に見れば高木種)をいかに更新させるかが、一つの命題になっているとみていいだろう。
・今回の試験地では、主に標高と地形という2つの要因で、木本種の更新密度、サイズ分布といった結果が得られている。標高によって更新樹種が変化することは予測されるが、これまでは個別の研究が多くて、地域の影響なのか、標高の影響なのか分離できなかった。その点、本研究では、同じ山岳地帯で標高差があるために、標高の影響を抽出できる。また、樹木種が地形によって更新の良否が異なることは良く知られているが、地がきを行う際に人為的に設定された地形に対する応答反応を調べた例は少ない。こういった点が本研究の”売り”といえるかもしれない。地がきから20年以上が経過していることもアピールできる項目の一つだろうが、地がき当初の上層植生の正確な種組成がないのがマイナス点だろう。
・この分野は、焼松峠の論文をようやくPublishさせたものの、森林遺伝関係に比べると圧倒的に関連論文の読破量が少ない。世界的な位置づけを行うためには、もっと論文を読まなくちゃいけないのだが、なぜかこの分野の論文は妙に長い(14ページとかざらである)。早いところ、”これは!”といういい文献を見つけないといかんな。