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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

秋は足元から

2006-09-26 | フィールドから
・実習対応.東京から来た1-2年の学生たち35名ほどを迎え,大麓山山頂を目指す.と,800m付近でいきなりダケカンバの大木が道をふさいでいるというアクシデント.応援を待っていると,シマリスがぴょこぴょこ.初めて見たんだが,かわいらしい動き.こうして比較すると,エゾリスはずいぶん野性味溢れる動物だね.



・1100mから1時間ほどかけて,大麓山山頂へ.高山性のイチゴ,ツツジの仲間はすっかり紅葉し,足元は赤や黄色と鮮やかである.ここのところ,登山しようとするたびに雨とか雷とか,よく考えたらろくな天気がなかった.久しぶりに富良野岳,十勝岳,下ホロカメツトク山などを眺める(3年ぶり・・・?).



・その後,2箇所ほど下山途中に保存林を見学させる.天気がいいと山を歩いていても単純に気持ちがよく,細かい説明なんぞはどうでもいいような気持ちになる.個人的な趣味で,湿地帯に分布しているアカエゾマツの純林も無理やり見せる.足元のぬかるみに学生たちは少々苦戦していた.全体的に,今年の学生はやや大人しいようで・・・(夜になったら,分からんが・・・).

・ところで,昨日,UくんからForest Ecology and Managementに投稿していたウダイカンバ論文がついに受理されたとの嬉しい知らせがあった.ウダイカンバは,天然林ではギャップ更新依存で低密度に分布するが,山火事後のような大規模撹乱後には高密度林分が形成される.この論文では,成立過程の異なるウダイカンバ集団を対象に,成熟個体集団と埋土種子集団の遺伝的多様性や構造がどのように異なるかを調べた論文である.最初の調査から数えると足掛け○年,ようやくここまで来ましたか・・・.それにしても,“受理”って言葉,何度聞いてもいい響きである.