・昨日の夕方,北大のTrendyゼミで発表させていただいた.前半は,Home-site advantage仮説とは?と題して,研究の背景.後半は,実際のトドマツ相互移植試験のデータを見せつつ,連続分布する針葉樹でHome-site advantage仮説が成り立つか?といった命題に対する議論.
・遠慮しているのか,いつもの流儀なのか,院生が異様におとなしく,面白くなかったのか・・・と少々焦ってあたふたしてしまう.発表後,K山さんからいくつか重要なご指摘を頂く.まず,標高差と適応度の関係をしっかり見ようとすると現段階のデータからでは無理があるし,種子産地の標高によって,どのようなサイズでいつ繁殖を開始したらいいのかは異なる可能性がある.ということで,厳密な意味でのHome-site advantage仮説にこだわらず,(繁殖については別のストーリとして)造林的な観点でまとめたらどうか,とのこと.
・これは,非常に有益なアドバイスである.自分自身でも,高標高産が小さなサイズから早期に球果生産を始めるのであれば,樹高成長が悪いからといって,必ずしも適応度が低くならなくなってしまうので,変な言い訳をしなくてはいかんと思っていたところ.この部分が仮説を検証できたと主張するには,一番無理があると思っていたところなので,変な言い訳をするよりも余程すっきりする.そのほか,Silvertownの関連文献を紹介していただいたり,河野昭一著の教科書に基本的な考え方が掲載されている,などと基礎的なことを教えていただく.
・K保さんからは,樹高成長の意味がそもそも産地標高によって違う可能性があるので,簡単には解釈できないのではないか,とのご指摘を頂く.たしかに,高標高のものはどんどん樹高成長をすればいいものではなく,低標高産よりも高標高産の方が樹高が低いからといって,不利だとは必ずしも言えないことになるのかもしれない.K山さんのご指摘とも関連するが,全体的な解釈を修正した方がよさそうだ.
・ゼミ終了後,お茶部屋でさらに雑談.エコタイプという用語は1920年代に既に存在している.また,相互移植に関するアイデアも随分昔からあるようで,こういった生態学の基礎的な部分がぽっかり抜けていることに改めて嘆息.
・データの解析方法について,またもK保さんに相談.今回は母樹別平均値を使用しているが,当然,かなりのデータを捨てていることになり,もっといい方法がありそう.反復と母樹の効果をランダム効果として,ベイズ推定するのがいいのではないかということに・・・.やはり,ベイズが颯爽と現れる(きっと登場するんじゃないかと思っていた).特に,母樹の効果をランダム効果してやると,とってもすっきりすることになりそうだ.
・ベイズ推定をするには,WinBUGSというWindouws用ソフトがあり,Clark本にはコードが載せてあると教えてもらう.しかし,こちらはRを使うことさえアップアップしている状態で,さらに新しいソフトを導入するのは,ようやく25mプールを泳げるようになった水泳初心者が,太平洋の遠泳にでかけるようなイメージなんですが・・・.ベイズとMCMCという言葉には,I田さんが熱心に勧めてくださって以来ずっと憧れがある.「いつ太平洋に飛び込むか・・・」といった雰囲気になりつつある.
・ホテルにてしばらくデータ解析の準備などを行い,9時過ぎに研究室へ出勤(?).K保さんに,データ解析の手ほどきをお願いする.まずは,既に作成していただいているトドマツ種子散布モデルの結果の見せ方について.倒木上の実生の平均値の推定式を前回の改定時にきちんと書いておかなかったせいで,一から説明していただくことに・・・.結局,モデルの意味をよく理解できていなかったことが判明し,余計なところでご面倒をかけてしまう.今更ではあるが,パラメータと式の対応が理解でき,結果の見せ方もほぼ固まりそうだ.対象となる倒木数が多くなるとどうなるか,モデルの適用が楽しみである.
・後半,トドマツ標高別の相互移植試験地のデータ解析についてさらにご相談.ベイズ推定はさておき,まずはRの中でlmerなる関数を使ってランダム効果を考慮するプログラムを作成(といっても,こちらはほとんど見ていただけですが・・・).lmerを使用するには,Library(Matrix)が必要とのことだがどうにも見当たらない,と思ったら,なんとRのバージョンが古いせいだったというオチ.と,またもやここで,新しいバージョンをダウンロードしていただいたり,と何から何までお世話になってしまうことに.
・それにしても,K保さんのRの動かし方は,まるで魔法を見ているようである.圧倒されながらも,作図方法,ヘルプの使い方付近がこれからの課題だと思い始める.今回の関数lmer自体はちょいとクセがあるようだが(K保さんのWebに便利帳あり),構造的にはglmとよく似ているので何とか自分でも動かせそうだ.ちなみに,個体と母樹と反復をランダム効果として,標高差や種子産地を独立変数,樹高を目的変数としたモデルでは,母樹の効果があるようだが,個体と反復の効果は無視できるくらい小さかった(個体については外してもよかろうとのアドバイスを後で頂く).ランダム効果を考慮できるモデルは応用性が高そうなので,忘れないうちに色んなデータで試してみよう.
・遠慮しているのか,いつもの流儀なのか,院生が異様におとなしく,面白くなかったのか・・・と少々焦ってあたふたしてしまう.発表後,K山さんからいくつか重要なご指摘を頂く.まず,標高差と適応度の関係をしっかり見ようとすると現段階のデータからでは無理があるし,種子産地の標高によって,どのようなサイズでいつ繁殖を開始したらいいのかは異なる可能性がある.ということで,厳密な意味でのHome-site advantage仮説にこだわらず,(繁殖については別のストーリとして)造林的な観点でまとめたらどうか,とのこと.
・これは,非常に有益なアドバイスである.自分自身でも,高標高産が小さなサイズから早期に球果生産を始めるのであれば,樹高成長が悪いからといって,必ずしも適応度が低くならなくなってしまうので,変な言い訳をしなくてはいかんと思っていたところ.この部分が仮説を検証できたと主張するには,一番無理があると思っていたところなので,変な言い訳をするよりも余程すっきりする.そのほか,Silvertownの関連文献を紹介していただいたり,河野昭一著の教科書に基本的な考え方が掲載されている,などと基礎的なことを教えていただく.
・K保さんからは,樹高成長の意味がそもそも産地標高によって違う可能性があるので,簡単には解釈できないのではないか,とのご指摘を頂く.たしかに,高標高のものはどんどん樹高成長をすればいいものではなく,低標高産よりも高標高産の方が樹高が低いからといって,不利だとは必ずしも言えないことになるのかもしれない.K山さんのご指摘とも関連するが,全体的な解釈を修正した方がよさそうだ.
・ゼミ終了後,お茶部屋でさらに雑談.エコタイプという用語は1920年代に既に存在している.また,相互移植に関するアイデアも随分昔からあるようで,こういった生態学の基礎的な部分がぽっかり抜けていることに改めて嘆息.
・データの解析方法について,またもK保さんに相談.今回は母樹別平均値を使用しているが,当然,かなりのデータを捨てていることになり,もっといい方法がありそう.反復と母樹の効果をランダム効果として,ベイズ推定するのがいいのではないかということに・・・.やはり,ベイズが颯爽と現れる(きっと登場するんじゃないかと思っていた).特に,母樹の効果をランダム効果してやると,とってもすっきりすることになりそうだ.
・ベイズ推定をするには,WinBUGSというWindouws用ソフトがあり,Clark本にはコードが載せてあると教えてもらう.しかし,こちらはRを使うことさえアップアップしている状態で,さらに新しいソフトを導入するのは,ようやく25mプールを泳げるようになった水泳初心者が,太平洋の遠泳にでかけるようなイメージなんですが・・・.ベイズとMCMCという言葉には,I田さんが熱心に勧めてくださって以来ずっと憧れがある.「いつ太平洋に飛び込むか・・・」といった雰囲気になりつつある.
・ホテルにてしばらくデータ解析の準備などを行い,9時過ぎに研究室へ出勤(?).K保さんに,データ解析の手ほどきをお願いする.まずは,既に作成していただいているトドマツ種子散布モデルの結果の見せ方について.倒木上の実生の平均値の推定式を前回の改定時にきちんと書いておかなかったせいで,一から説明していただくことに・・・.結局,モデルの意味をよく理解できていなかったことが判明し,余計なところでご面倒をかけてしまう.今更ではあるが,パラメータと式の対応が理解でき,結果の見せ方もほぼ固まりそうだ.対象となる倒木数が多くなるとどうなるか,モデルの適用が楽しみである.
・後半,トドマツ標高別の相互移植試験地のデータ解析についてさらにご相談.ベイズ推定はさておき,まずはRの中でlmerなる関数を使ってランダム効果を考慮するプログラムを作成(といっても,こちらはほとんど見ていただけですが・・・).lmerを使用するには,Library(Matrix)が必要とのことだがどうにも見当たらない,と思ったら,なんとRのバージョンが古いせいだったというオチ.と,またもやここで,新しいバージョンをダウンロードしていただいたり,と何から何までお世話になってしまうことに.
・それにしても,K保さんのRの動かし方は,まるで魔法を見ているようである.圧倒されながらも,作図方法,ヘルプの使い方付近がこれからの課題だと思い始める.今回の関数lmer自体はちょいとクセがあるようだが(K保さんのWebに便利帳あり),構造的にはglmとよく似ているので何とか自分でも動かせそうだ.ちなみに,個体と母樹と反復をランダム効果として,標高差や種子産地を独立変数,樹高を目的変数としたモデルでは,母樹の効果があるようだが,個体と反復の効果は無視できるくらい小さかった(個体については外してもよかろうとのアドバイスを後で頂く).ランダム効果を考慮できるモデルは応用性が高そうなので,忘れないうちに色んなデータで試してみよう.