・朝飯前の論文読み.Hufford and Mazer 2003で気になったハワイの固有植物,silverswordの緑化に関するものである.Hufford and Mazer 2003の総説では,緑化に用いる時の母樹数が少ないと,将来的に近交弱勢が問題になろう・・・という文脈で使われていた.その総説によれば,ハワイ島で緑化された導入集団は,2か3の創始者(母樹)だった,と読んだのだが,原著を読んで確認.
・イントロの中で,ハワイ島マウナケア火山のSilversowrdは,50個体を下回るくらいに個体数が減少し,(緑化目的の)導入に際しても深刻なボトルネックを受けた,とある.1973年の導入プログラムは,3個体から種子を採種したが,1個体は上手く苗が作れず,結局,なんとたった2個体が創始者になっているとある.この植物は多年生草本なのだが,虫媒で自家不和合性を示すらしく,1個体が結実しなかったのは,ポリネータが飛んで来れないほど孤立していたからかもしれない,などと.
・ところで,Hufford and Mazerの総説を読んだときには,導入集団の遺伝解析を雄行い,例えばStructureのような統計手法を用いて(よく考えたら,2000年ではまだ世に出ていないね)創始者数の推定を行った,というような内容なのかと想像したのだが,最初から創始者数が完全に分かっていたのであった.やはり,原著を読まないと,とんでもない誤解をしてしまうことがあるもんだ.
・さてさて,この論文ではマウイ島のHaleakale火山に自生する亜種(こちらはたくさん個体があるらしい),ハワイ島マウナケア火山の自生集団(極端に個体数が減少している)と導入集団の3集団(母樹2個体の子供たち)を対象に,マイクロサテライトマーカーを用いて遺伝的多様性を調べている.既に,RAPDマーカーでの報告があるので,追認している感じである.マテメソの材料で,個体数などが記載されておらず,以前の論文を読め,などとなっていて,どうにも分かりにくい.
・マイクロサテライトは8座を使っているのだが,アレル数は2-5と多型性は低い.さらに結果はAo, Ae, He, Hoくらいしか記載されておらず,Heで見るとマウイ島の亜種(大きな個体群サイズ)が0.287,ハワイ島の自生集団が0.250,導入集団が0.074となっている.思ったよりも,ハワイ島の自生集団が遺伝的多様性が下がっていないが,結果自体は想定の範囲内である.
・さてここからどうなる?と思っていたら,結果はもう終わりである.Discussionも特に目新しいものがなく,「なんでこんな論文がMol Ecolに掲載されているんだ(俺の論文を2度もリジェクトしながら・・・)!」と叫びたくなってしまう.しっかし,これだけの材料を持ちながら,この解析はひどいね.せっかくの超高級食材を,めちゃくちゃにまずく作った感じ.せめて,導入集団の個体サイズとか生存状況くらいはデータとして示して欲しかった.あるいは,同じマイクロサテライトのデータでも,なんかできることがあるだろう(いくら2000年といえど・・・).
・ということで,今回はあまり参考になりません.導入集団のボトルネックの影響について読むならば,Williams 2001 Ecol Appl, 11, 1427-1488の方が面白そうなのでそのうちに・・・.ただ,Silverswordは一度見てみたい憧れの植物になった.あー,ハワイに行きたい.
・昼前に,近所のお祭りに行く.と,やたらと知り合いに会ってしまう.さすがに,7年目ともなると地元民という感じ.とあるコーナーに,盲導犬にさわれるところが・・・.我が家は全員,超犬好きなのだが,ゴールデンレトリバーでPR犬のフーちゃんはおとなしく,触っているこっちが癒される.

・北海道盲導犬協会のPRということなんだが,この協会はTVの「動物奇想天外」でもよく紹介されている.PR誌を読むと,盲導犬を引退した老犬や,逆に盲導犬になる前の1年間だけ育てるボランティア募集などとある.アパートじゃなければ飼いたいところなんだけど,どちらにしてもちょっと切ない場面がありそうです.
・しばらくフーちゃんに遊んでもらったのち,キーフォルダーを購入.早速,キーチェーンとして使用することにする.
・イントロの中で,ハワイ島マウナケア火山のSilversowrdは,50個体を下回るくらいに個体数が減少し,(緑化目的の)導入に際しても深刻なボトルネックを受けた,とある.1973年の導入プログラムは,3個体から種子を採種したが,1個体は上手く苗が作れず,結局,なんとたった2個体が創始者になっているとある.この植物は多年生草本なのだが,虫媒で自家不和合性を示すらしく,1個体が結実しなかったのは,ポリネータが飛んで来れないほど孤立していたからかもしれない,などと.
・ところで,Hufford and Mazerの総説を読んだときには,導入集団の遺伝解析を雄行い,例えばStructureのような統計手法を用いて(よく考えたら,2000年ではまだ世に出ていないね)創始者数の推定を行った,というような内容なのかと想像したのだが,最初から創始者数が完全に分かっていたのであった.やはり,原著を読まないと,とんでもない誤解をしてしまうことがあるもんだ.
・さてさて,この論文ではマウイ島のHaleakale火山に自生する亜種(こちらはたくさん個体があるらしい),ハワイ島マウナケア火山の自生集団(極端に個体数が減少している)と導入集団の3集団(母樹2個体の子供たち)を対象に,マイクロサテライトマーカーを用いて遺伝的多様性を調べている.既に,RAPDマーカーでの報告があるので,追認している感じである.マテメソの材料で,個体数などが記載されておらず,以前の論文を読め,などとなっていて,どうにも分かりにくい.
・マイクロサテライトは8座を使っているのだが,アレル数は2-5と多型性は低い.さらに結果はAo, Ae, He, Hoくらいしか記載されておらず,Heで見るとマウイ島の亜種(大きな個体群サイズ)が0.287,ハワイ島の自生集団が0.250,導入集団が0.074となっている.思ったよりも,ハワイ島の自生集団が遺伝的多様性が下がっていないが,結果自体は想定の範囲内である.
・さてここからどうなる?と思っていたら,結果はもう終わりである.Discussionも特に目新しいものがなく,「なんでこんな論文がMol Ecolに掲載されているんだ(俺の論文を2度もリジェクトしながら・・・)!」と叫びたくなってしまう.しっかし,これだけの材料を持ちながら,この解析はひどいね.せっかくの超高級食材を,めちゃくちゃにまずく作った感じ.せめて,導入集団の個体サイズとか生存状況くらいはデータとして示して欲しかった.あるいは,同じマイクロサテライトのデータでも,なんかできることがあるだろう(いくら2000年といえど・・・).
・ということで,今回はあまり参考になりません.導入集団のボトルネックの影響について読むならば,Williams 2001 Ecol Appl, 11, 1427-1488の方が面白そうなのでそのうちに・・・.ただ,Silverswordは一度見てみたい憧れの植物になった.あー,ハワイに行きたい.
・昼前に,近所のお祭りに行く.と,やたらと知り合いに会ってしまう.さすがに,7年目ともなると地元民という感じ.とあるコーナーに,盲導犬にさわれるところが・・・.我が家は全員,超犬好きなのだが,ゴールデンレトリバーでPR犬のフーちゃんはおとなしく,触っているこっちが癒される.

・北海道盲導犬協会のPRということなんだが,この協会はTVの「動物奇想天外」でもよく紹介されている.PR誌を読むと,盲導犬を引退した老犬や,逆に盲導犬になる前の1年間だけ育てるボランティア募集などとある.アパートじゃなければ飼いたいところなんだけど,どちらにしてもちょっと切ない場面がありそうです.
・しばらくフーちゃんに遊んでもらったのち,キーフォルダーを購入.早速,キーチェーンとして使用することにする.