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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

焼松峠論文,改訂作業.”削りの匠”

2006-09-13 | 研究ノート
・久しぶりの室内作業.厳しい査定付きで返却された原稿が手元にあると,どうも気分がよろしくない.ということで,間髪入れずに改訂作業にかかる.そうこうしているうちに,共著者Tさんからメールが来たので,当然,この論文改訂に関する話題だと思ったら,全く関係ない話.非常に久しぶりだったので,すごい偶然である.よくよく確認すると,こちらからの査定結果の転送メールが到着していなかったとのこと.いよいよ最近はスパムメールが多くなり,間違って捨ててしまうこともあるようで(こちらも二度ほどやってしまいました・・・).やはり,Gメールの導入は真剣に考えたほうがいいかもしれぬ.

・さて,どこから手をつけたものか・・・.まずは,タイトルだ.ということで,「・・・木本種実生の発生」という植生チックな漠然としたものから,「ウダイカンバ資源保続に向けた地はぎ処理の試み」などという,思いっきり林学チックなものに変更してみる.すると,イントロも当然大改訂が必要となり,「なぜウダイカンバの資源保続が求められているか」,といった経営的センスの文章を散りばめる.


・ウダイカンバ材の経済価値については,関係者にはそれこそ説明の必要もないくらいなんだが,こういうものがきちんと記載されている論文を探すのは結構難しそう.当方がこうした経営感覚を得ているのは,実際にはスタッフとの”雑談”が大半なのかもしれん.しかし,まさか論文を「私信」だらけにするわけにもいくまい.

・イントロ改訂続く.審査者の指摘から,A層やAo層を残す処理,平坦と斜面の地形を改変する処理,が既存研究とは違って”新しい”という評価を受けたので,それらが浮かび上がるように,そういう手法が必要となってきた背景を述べてみる.これまた関連論文がいかにもなさそうで・・・.

・短報にするってからには,だいぶコンパクトにせねばいかんというわけで,惜しげもなくあちこちを削っていく.特に,考察はオーバー気味(いつものことだけど・・・)だという評価なので,推論めいたパラグラフはごっそり消滅.引用文献もスペース食いなので,大勢に影響なさそうなものは,これまたさくさく削る.たたいて壊してまた作る.ということで,これぞ「リストラ」という感じ.

・こういうときには途中で止めるとおかしくなってしまうので,とにかく一気に片をつけるべく,狂ったようにキーボードをたたく.結果も図を一つ削除し,表中の数値を単位面積あたりに変更したりする.結局,ダブルスペースで図表も含めて26ページだったものが,21ページまで短縮された.これでもまだ甘いが,明日の出張帰りの電車の中でタイトに絞ることにして印刷ボタン.次は,赤ペンの出番である.