GREAT LOVE KINGDOM

山を楽しむために生きる。

耳そうじ

2006年08月06日 22時01分40秒 | 介護のお仕事
タイトルと写真。
パパ的には癒されるものですが記事とは関係ありません。

今日の朝刊にこんな記事がありました。
東京都の特別養護老人ホームで男性職員が女性入所者に性的な暴言を吐いていたことがわかった。被害を受けたのは寝たきりで言葉も不自由な認知症の女性(90)。女性のオムツ交換の際、30歳の職員が女性の名前を呼び、性的な言葉をかけた。21歳の職員も笑いながら受け答えしていたという。介護内容に不信感を抱いていた家族が録音したテープで発覚した。
他人事ではありません。
勿論、ここで行われたことは絶対に許されるべきことではありません。
ここで言われている認知症の女性の精神状態や、性的な言葉の内容が明らかではないので一概には言えませんが・・・

認知症、特に精神状態に問題のあるの方の対応は非常に難しいとボクは思います。
介護理念の基礎としては、年老い認知症になってしまった方にも尊敬の念を持って援助することが大切なのは言うまでもありません。
ただし認知症の方の症状の一つ『暴言・暴力』に対し沈着冷静に対応するのは難しいと思います。

グループホームの場合、夜勤は一人で9名の方の介助をします。
そんな中、夜勤中に『もう死にたい!あんたが私を殺してよ!』と何度も訴えられたり、『息子だ!息子に電話しろ!!』と半ば脅され、家族に電話した挙句『そんなことで電話しないで下さい!もうそちらに預けてあるんだからそっちで何とかしてよ!』とキレられたり・・・。

去年の新聞に載っていた記事(コラム)に
【とあるグループホームでは夜勤中に5~10分おきで入居者に呼び出され、その都度『ここは何処なの!?どうして家に帰れないの!?』と訴えられる。挙句、興奮した入居者から暴力を受けることしかり・・・朝、○○さんの腕にはたくさんのアザが・・・】なんてものがあった。

また、介護職をしている女性の60パーセント以上が男性の要介護者からセクハラを受けているとのデータもある。(うちのホームにもいますよ。暴力&セクハラ爺さんが。)

要介護者からの暴言や暴力はまずニュースにならないだろう。
しかし、倫理的にその逆は許される訳もない。

このニュースでボクが一番驚いたのは家族がテープで録音していたということ。
密室の中では様々なことが起こりうる。
介護者の不祥事。そして入居者の家族に対しての本音。そして家族も疑い、信じない入居者の行動。

ボクが知る限り、まず殆どの入居者が“家に帰りたい。家族と暮らしたい。”と思っています。
しかし、うちのホームでは一時帰省出来る入居者は1割もいません。殆どの入居者が家に帰れることはなく、ホームを出るのは入院のみといった感じです。
こんなことを言った入居者もいます。
『私たちがここを出られるのは死ぬ時だよ。』と。そう思わせたのは職員でしょうか?家族でしょうか?

先日のフォローアップ研修にて専務取締役からこの様な要望がありました。
『フロア長の仕事は入居者だけでなく、その家族、そして職員の話を良く聴き、入居者が生活しやすく、職員が働きやすい環境を作ること。』
これは非常に大切なことです。
もし、上記のニュースにあった家族と職員の間で介護に対する意向が話し合われ、風通しの良い環境になっていたら、このような事件は起きていなかったかもしれません。後はやっぱり職員の“介護倫理”が大きく問われる問題だと思います。

“介護倫理(職業倫理)”
これは非常に大切な問題です。
やっぱり、人間と人間が凄く密接に関係する仕事ですからその人の“人間性”がイヤッって程、出てしまします。
有望な人材を育てる(見極める)にはまずここをしっかり見なくてはいけないと思います。


【壁に耳あり障子に目あり】
これは肝に銘じなければいけません。神はいつでも近くにいるのです。
コメント (2)
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