回文は行く その五百五十四

虹の地は西が東に八の字に

印刷物で読む記事はやはりリアルだ。
ネットという、どこか手の届くところにないものでは
ぼんやりとした実感しか湧かなかった。
夕刊の３面。小さな左下の記事。
情感を排除した味も素っ気もないテキスト。
ただ会場の名前を見て、ちょっと筋肉が弛緩した。
いたずら小僧のトラップみたいに
別にどうということのない文字列に
はにかんだ笑顔が交錯する。

明日、明後日。

西が東に
睡蓮礼す