粥通は虜にこりと這う梅雨か
朝10時、原宿某コーヒーチェーン店。
1階禁煙席、見事に満席である。
打ち合わせのスーツ姿4人組、システム手帖に書き込みが忙しいOL2人、
完全睡眠状態学生、スポーツ紙を広げるご隠居、
じ~~っとまっすぐ入り口を見つめ続けるアラブ系ゆったり白シャツの親父、
衣装を抱えて腰を気遣うスタイリスト、原稿を書いては消すライターのおねえさん、
新たに入ってきたミニスカ女子こーせーが、満席を見回して2階の喫煙席への階段を上る、
と、アラブ親父が動いた。
風のように白シャツを翻し空気のように席の間をすりぬけ、
音もなく階段の下に向かう。
ゆっくりと途中まで上って立ち止まり、しずしずと元の席に戻る。
そして、また無表情のままじ~~~っと入り口方面を見つめ続ける。
店内は相変わらず満席である。
遺産完済
唐よ清らか