一生

人生観と死生観

童謡ー心の故郷としての

2009-02-10 10:32:48 | 哲学
2月10日 晴れ
 童謡愛好家は日本全国に多い。童謡は懐かしい歌が多く、初めて聞くのに何故かどこかで聞いたような感じがするするのもある。いわば心の故郷といったところだろうか。
 童謡の作詞・作曲家は大正リベラリズムが盛んだった1910年前後に輩出したことが今に伝えられている。子どもの情操教育に音楽は欠かせない。童謡はそんな背景から生み出されたのだ。音楽が普及しているヨーロッパでは子どもの頃に音楽教育をみっちりやるらしい。ハンガリーから日本にやって来たある科学者は、自分は少年から青年期にかけて、音楽を続けるか、科学へ進むか迷ったが、結局科学者になった。しかし今でも音楽にはただ聞くだけという以上の情熱を感じると言うことであった。
 心の故郷としての童謡の前段階は子守唄である。子守唄は日本と西洋ではかなり違った調子である。日本のは哀調を帯びているものが多いように思う。しかし西洋のものはもっと明るい。日本の場合、貧しい家から奉公に出された娘が、眠る主家の子をおんぶしながら歌うためにそうなったかとも考えられる。子どもは可愛いが時に手に負えないほど暴れる。子守は重労働なのだ。
 童謡で健やかに育った子どもたちが成人して世に貢献できるような時が来る。彼らが前向きに暮らし、そして一時(いっとき)疲れを覚えて休息をとる時に、子どもの頃に歌った童謡の調べがよみがえるーこんな情景は訪れるであろうか。