ひとり言

日記のように、出かけた事や思った事をひとり言で書いてみます。

大台ケ原で一足早い紅葉でひとり言

2014年10月30日 | Weblog
紅葉だよりを見ると、この辺りでは一番早いのが大台ケ原だった。三重県に住んでいた時に、宮川ダムから桃の木山の家まで1泊で歩いたことを思い出す。行ってみよう!
 10月末の申し分の無い秋晴れ、最近のドライブは雨や曇りで、すっかり晴れ男の自信が揺らいでいたが、今日で一気に取り戻した。
 シーズン中なので、駐車場がいっぱいにならないように早朝に出かけ、朝日のまぶしい中9時前に到着。それでも200台の駐車場は、平日と言うのにほとんどいっぱいになっていた。辺りを見渡すとほとんどの方が高齢者だった。この東大台コースは整備された歩きやすい9Kmのコースと言うことで、家族でも歩けるコースらしい。
 真っ青な秋空の下、8時45分にスタートした。日出ヶ岳→正木峠→牛石ヶ原→大蛇→シオカラ谷の約4時間のコースだ。
 駐車場から20分ほど山道を進むと、山頂の日出ヶ丘に出た。360℃の山頂展望台から尾鷲湾が眼下に見える。案内には富士山も見えることがあるらしいが、今日は遠方は霞んでいて残念ながら見えなかった。ずっと見ていたいところだが、先を急ごう。しばらくして下り斜面になるが、そこに立っているのは青々した樹木ではなく、白くなって恐竜の骨のように見える、立ち枯れしたトウヒ林だった。宮川ダムから登った時の、あの苔むした原生林の鬱蒼とした雰囲気とは全く別世界だ。どうして、こんな事に?気が付くと一面イトザサに覆われた正木ヶ原に出ていた。ルートにある掲示板を読むと、ドライブウェイが出来て登山者が増えたことや、伊勢湾台風で樹木が倒れ、イトザサが増え、それを食す鹿が増え、その鹿が樹皮を食べる事や。酸性雨、温暖化など複合した環境変化がこの立ち枯れをもたらした様だ。幻想的で美しく見える景色だが、森林の墓場の様な不気味さも感じる。
 そこうして歩いていると、急に視界が開けた。そこに立っていたのは…あの神武天皇だ!ひゃ~!どうしてこんな所に?ここは牛石ヶ原。妖怪を封じ込めた牛石があり、その前に大きな神武天皇像が立っている。古事記では熊野に上陸してから、八咫烏に導かれて宇陀まで進んだ事になるが、熊野から吉野までのルートは記載されていない。そこで大台ケ原越えが、考えられるルートの1つとして有力だ。大台ケ原山を開山した古川氏が昭和初期に建立し、尾鷲湾から人力でこの銅像を上げたと言うこと。気が遠くなるような大変な作業だ。
 さて、最近怖いと思った事はなかったが、この大蛇の先端まで降りた時に、突然めまいがしそうで、思わず尻餅をついて鎖にしがみ付いた。滑りそうな大きな岩の上で、左の渓谷を見た途端吸い込まれそうになって、恐いと思った。私の後をTVカメラを持ったクルーの人たちが、おしりから滑り降りていた。
 大蛇からシオカラ谷までは下り道で、コースも終盤で楽勝と…橋を渡るまでは思っていた。しかし、そこからの登りは、コースの最終としては非常にきつい登りだった。コースの順路を逆に廻ったほうが良いと後で思った。
 駐車場に到着したのは、11時30分。つまり、2時間45分で歩いてきたが、最後の登りで時間を費やした。
駐車場の芝生で、相変わらず雲一つない秋晴れの日差しを受け、神武東征のことを考えながら、おにぎりを頬張った。



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