ひとり言

日記のように、出かけた事や思った事をひとり言で書いてみます。

大原・比叡山でひとり言

2014年07月23日 | Weblog
今も昔も祇園祭が暑さを運んでくる。今年から50年ぶりに「前祭」と「後祭」が復活し、2回の巡行が行われる。
祭りを過ぎたら暑くなることを見込んで比叡山行きを計画したが、7月19日は3連休の初日だった事を忘れていた。
名神高速は高槻を過ぎたあたりから、超低速道路になってしまった。当初の京都東ICまで行くルートを変更して、渋滞の中、やっとたどり着いた京都南ICで降り、京都市内を縦断することにした。市内は思ったほど混雑はなく、スムーズに367号線を上がって行った。
大原の手前に八瀬地区がある。「延元元年(1336年)、京を脱出した後醍醐天皇が比叡山に逃れる際、八瀬郷13戸の戸主が輿を担ぎ、弓矢を取って奉護した。この功績により地租課役の永代免除の綸旨を受け、特に選ばれた者が輿丁として朝廷に出仕し天皇や上皇の行幸、葬送の際に輿を担ぐことを主な仕事とした。」(Wikipediaより)この郷に住む人々を「八瀬童子」と呼び、比叡山延暦寺の雑役や輿を担ぐ役を務めた村落共同体の人々を指す。昭和天皇の葬送時に紹介があって覚えているが、そのときは残念ながら八瀬童子の輿丁はできなかった。
 八瀬天満宮を超えるといよいよ大原だ、「京都大原三千院、恋に疲れた女がひとり…」思わず歌を口ずさむ。渋滞で少し遅くなったので、早速駐車場近くの蕎麦屋で、蕎麦と玄米のお粥を食べてほっこりした。いよいよ、三千院へと参道を歩く、川端にお土産屋さんと食事処などが立ち並ぶ坂道を登っていくと、石垣でどっしりとした「御殿門」が迎えてくれる。客殿から見える一つ目の庭園が、聚碧園。回廊を渡ると宸殿(しんでん)で、ここから苔むした二つ目の庭園、有清園が続く。庭園に降りると迎えてくれるのは、思わず微笑んでしまう仕草で苔の中で遊んでいる「わらべ地蔵」だ。高貴な人たちが世俗を離れ、仏道に入った寺院らしい清涼で癒される庭だ。
 時間を忘れ、すっかり癒されている間に、雲行きが怪しくなってきた。急いで、来た参道を下っていく。一人で来たのに、すこし赤いけど可愛いカッパが、名物の「きゅうり」をかじってついて来た。
 雷が鳴り稲妻が光る中、奥比叡ドライブウェイを走った。横川・西塔はパスして、東堂を目指した。根本中堂は最大の仏堂であり、延暦寺の総本堂、本尊は薬師如来でその前には、千二百年間灯り続けている「不滅の法灯」が安置されている。広いけど厳粛な空間だった。
 最後は、頂上にある「ガーデンミュージアム比叡」に入った。本降りになってきた雨が、せっかくの眺望を奪ってしまったが、その分、雨に煙る「睡蓮の池」がまるで19世紀に蘇った様な幻想を見せてくれた。池の向こうでさっきの赤いカッパが、嬉しそうに微笑んでいた。
 

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