ひとり言

日記のように、出かけた事や思った事をひとり言で書いてみます。

亀岡出雲大神宮を訪ねて

2005年10月24日 | Weblog
一度走ってみたかった423号線で亀岡へ向かった。伊丹からは30Km超しかなく、交通量も少ないので小雨も気にせず快適に走った。しかし、真冬には凍結しそうな所もあり用心が要るなと思った。そう言えば亀岡に住むしょうちゃんに電話しようかと思ったが、休日だし何も言っていなかったので遠慮した。そう考えているうちに小一時間ほどで京都縦貫道にぶつかった。いつものように地図を持たずに出かけたので、近くのスタンドに飛び込んで聞いてみることにした。「出雲神社はどう行けば良いですか?」「はあ~、出雲神社さんね~」とスタンドのおじさんが京都弁の様で少し違う、あのしょうちゃんと同じイントネーションで教えてくれた。「この角にじょもさんがあるんで…」「じょもさん?」「JOMOさん!」と丁寧にさんまで付けて教えてくれた。地図と亀岡案内パンフレットもいただき本当に親切なおじさんで、亀岡の人はしょうちゃんみたいに親切なのかなと、私も「おおきに」を連発してお礼を言った。
 親切な案内のお陰でJOMOを目印に9号線を越え目的の出雲大神宮にたどり着いた。この神宮は島根の出雲大社より古く、ここから出雲に大国主命だけを還したとも言われている神宮なので楽しみだ。正面には神楽殿のような拝殿があり、その奥に本殿がある少し変わった配置。境内には船石や夫婦岩など奇石が鎮座し、古代から「真名井の水」が湧き出ている。参拝者は少ないがポリタンクを持った人はひっきりなしに汲みに来ている。なんと寛大な宮司さんだなと思った。境内の案内図を見て背後の御影山の方向に歩いてみた。雨上がりで薄暗い境内に大きな「磐座」と言う巨石があり、その上方には斜面に横穴式の古墳が石室の入り口を開けた格好で放置?されている。振り返ると本殿の真後ろに位置している。それからみかげの滝、稲荷社、春日社、上の社などを巡り元に降りてくる。その参道脇にも奇石が何箇所もあり、まるで古代信仰物の展示場のような感がある。自然のままと言うか無造作と言うか自然物だが配置が人為的で、磐座の巨石もこんな場所に自然にあるはずがないだろうと思う。古代信仰は山、巨石、巨木、水などであるが、まさにこの境内にはすべてが揃っており、見慣れた8世紀以降の神社とは全然違う雰囲気がある。
 大国主命は一般に縁結びの神さんとして拝されているが、亀岡(丹波)の地は出雲と大和を結ぶ中間地点で、神話の国譲りの交渉がこの地で行われたのかも知れない。思えばスタンドのおじさんも会社のしょうちゃんも優しく、しょうちゃんは争いが嫌いで調整が旨い、この地にはそんな人が多いのかなと彼の顔を思い浮かべながら神宮を後にした。