ひとり言

日記のように、出かけた事や思った事をひとり言で書いてみます。

阿修羅像でひとり言

2009年05月06日 | Weblog
ついにやってきました。何が?誰が?
それは身長140mm、顔が3面、手が6本……!
興福寺創建1300年記念 国宝阿修羅展公式フィギュア 制作:海洋堂
2009年3月から6月にかけて東京国立博物館で開催している阿修羅展の会場でのみ販売されている。その阿修羅が家にやってきた。今や遠くなった東京なので、前の会社のにしやんに頼んで阿修羅展に行ってもらった。会場では行列に並んで、予約購入の手配をしてもらったお陰で我が家に阿修羅がやってきてくれた。一人一個だったので本人は買わずに私に送ってくれた。御釈迦さんの様なありがたい話である。ネット販売では1体¥11,000まで上がっている。
 興福寺の阿修羅は誰が見てもこの表情の虜になるでしょう。日本の仏像の中でも一番ファンが多いと思う。興福寺宝物殿の解説では、「阿修羅」はインドヒンドゥーの『太陽神』もしくは『火の神』と表記している。 帝釈天と戦争をするが、常に負ける存在。この戦いの場を修羅場(しゅらば)と呼ぶとのこと。この像は光明皇后が734年(天平6)に母の橘三千代のために建てた西金堂の群像の一つで今に残る貴重な仏像である。光明皇后は聖武天皇の皇后で、父親は藤原不比等である。この時代は長屋王の変や、疫病など多くの災難や藤原家との対立があり、聖武天皇は深く仏教に帰依して、東大寺や正倉院、国分寺、興福寺、新薬師寺、法華寺など多くの創建に関わり、現在でも奈良・平城京の中心として残っている。藤原家の陰謀や天然痘などによる修羅場を観た光明皇后も、阿修羅のように釈迦の弟子になり、本来の憤怒の相を捨て、釈迦に帰依してこの様な真摯な表情になりたいと願った事だろう。実物を見てない人は是非一度、阿修羅と正対してみてください。