本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

『吉本隆明「食」を語る』(朝日文庫)。

2009-04-24 11:39:15 | 
ヤマダ電機2Fの『タリーズ』でアイスコーヒーのTall340円也を注文して『吉本隆明「食」を語る』(朝日文庫)の後半部分を読んだ。これが実に面白かったのである。聞き手は団塊の世代の人らしくて、最初のうちは遠慮とか警戒とかいろいろあって(?)互いに手探り状態なんだけど、これが中盤からはいよいよ俄然断然両者の言い分が噛合い始めて、「おお、そこまで言うのかよ」という感じになって来る。伊豆の大仁で吉本が溺死しそうになった話とか、次女ばななや家族の話とか、漱石・鴎外も食い意地が張っていたという話とか、いろいろ出て来てついつい一時間以上も読み耽ってしまった。吉本自身も自転車と買い食いが好きで上野・浅草・月島近辺は足が丈夫な頃は暇さえあればあちこち回っていたらしい。今は介助の助けを借りないと歩行もままならない状態のようだ。あちゃ。で、「自分の死と生とは直接繋がっていない」という話なんかは興味深かった。人間意識があるうちはあくまで生の範疇に属する問題だが、死に至る過程で意識がなくなってからは本人わけわからないのだからこれは自分本人の問題と言うよりは生き残っている他者の問題になって来るわけである。つまりどこまで辿っても我々は他者の死にしか直面は出来ないのであるってか、ふうん。 . . . 本文を読む