よねの備忘録

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高校生の陥るワナと対策

2018-06-06 07:15:21 | 公立校の学習法・過去記事

最近、コメントで、以下のブログにたいする意見を求められました。

 独学で確実に東大・医学部に合格できる学習法

このブログにたいする直接的な評価ではなく、
よねがこれまで見てきた高校生が陥る失敗のパターンと
対策を述べたいと思います。
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 【学習量が足りない】

より効率的な方法があるはずだと信じて、
実際の学習をしないパターンです。

「高校1冊目の学習法」(KADOKAWA)
前半部分を読めば、その幻想は晴れるでしょう。
この本の後半は、参考書の選び方です。

また、高校生には部活動がありますから、
学習時間が足りないですよね。

 ①「東大習慣力」(リンダブックス)

東大に入学した人は、特別なことをしたわけでなく、
学習の習慣化をうまくできた人なのです。

 ②「NHKテストの花道 合格勉強術」(主婦と生活社)

いかに学習時間を作り出し、計画を立てるのか、という本です。
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 【明らかに効率の悪い学習法をした】


学習は単純な理屈で表せます。

①その時点の自分にあったレベルの参考書で知識を理解し、
②知識がしっかり定着するまで問題集で反復学習する。

2つのどちらかが崩れると、成績が伸びません。
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①について。

一番、多いパターンは、その参考書を取り組むための
要求される基礎条件を満たさず、参考書に取り組み、
かけた学習時間の割に、効果が薄い。

浪人生を例にするのが良いでしょう。

浪人生は、1回は全範囲を学習しているわけですから、
そこに予備校のノウハウが加われば、成績が伸びそうに思えます。

しかし、予備校の授業をしっかり聞いて、予習や復習もしているのに、
成績が伸び悩み生徒は、驚くほど多いのです。

理由は、「その時点の自分の学力より高い講座」を受講したから。


例えば、予備校の「東大コース」は、「東大の二次試験」を意識した
高レベルの講座です。

その授業を受けるための前提となる基礎学力は、
自分で身につけなくてはいけません。

予備校の授業は、朝から夕方まであります。
その予習、復習をしていたら、余剰の学習時間はほとんどありません。
ゆえに、「東大コース」を受講するなら、
その前提となる学力は、現役時に身につけなくてはいけなかったのです。
あるいは、2年計画にして、1年目に前提となる基礎学力を
身に着ける必要がありました。

しかし、予備校はそんなことは教えてくれず、
生徒の努力不足のせいにします。
国公立医学部に合格すべく、何年も予備校に通う多浪生が
発生するメカニズムがこれです。

東大文系を志望する高2生が、塾の講師から、
「平方根」の学習を指示されました。
「平方根」は中学3年の分野ですから、
生徒は最初はムカついたそうです。
しかし、結果的には無事、東大文系に現役合格できました。

どんなに志望大学のランクが高くとも、
「その時点の自分の学力」にあった教材を選ぶ必要が
あるということです。

高校では
 レベル0:中学の教科書レベルに穴がないか
 レベル1:高校の教科書レベル
      数学でいえば「例」「例題」まで
 レベル2:センター試験~中堅私大レベル
      数学でいえば「章末問題」
      受験基礎レベルとも呼ばれます
 レベル3:国公立2次試験レベル

どこかのレベルを、飛ばすのは、リスクを伴います。
可能な人もいますが、頑張ったわりに身につかなかったひとは
もっと多いです。

冒頭のブログで気になったのは、レベル2、レベル3の
教材が主体になっている点です。

高校1年生なら、高3になるまでに、
英語と数学のレベル2までをクリアーすることに
努力を払うべきです。
もっと言うと、レベル0、レベル1に穴があると
それが致命傷となりえます。
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②について

レベル1段階を「定着」するには、
たくさんの問題演習が必要です。

強豪校の体育会系の部活や、プロレベルこそ
「基礎練習」を重視しているはずです。

例えば灘高校の場合、「スタンダート」「4ステップ」
「オリジナル」といった教科書傍用問題集を
2冊、3冊と積み上げています。
灘だからといって、特別なことはしていません。

数学に関しては、手持ちの傍用問題集の
少なくともA問題は、自分の手を動かして解くべきですし、
灘と比べ、落ちる練習量を、
「合格る計算」(文英堂) あるいは
「カリキュール」(駿台文庫)で補う必要があります。
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【学校からの課題をこなすのに精いっぱい】

進路指導に熱心な中・上位高によくある症状です。
学校から出される課題が大量で、こなすだけで、
精いっぱい、というパターン。
理解不足か、定着不足になって、失敗するパターンです。

学校の課題を「赤点」を取らない程度に
切り上げる必要があります。
推薦入試を目指さなければ、高校入試みたいな内申点は
ないのです。

「現役東大生が伝えたいやってはいけない勉強法」(学研)
が参考になります。
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【独学のみに走り、学校の授業を無視した。】

学校の授業時間は、一日の学習時間のうち、
大きな部分を占めます。
これをまるまる捨てるのは、あまりにももったいない。
例えば、理科・社会でしたら、学校の授業が解りやすかったら、
聞く、退屈なら、易しいレベルの講義型参考書を読む、とか。
数学なら、他の生徒が黒板で、問題を解かされている時間を、
傍用問題集のA問題や、教科書の問題を演習するとか。
定期テストにあわせて、その範囲のレベル0、レベル1は
できるようにするとか。

いくらでもアイデアはあるはずです。
「学校のことは、学校で終わらせる」ことをめざしましょう。
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参考文献
「数学は暗記だ」(ブックマン)
  -数学の問題集の取り組み方が参考になります。
「ユメ勉 夢をかなえる英語勉強法」(アルク)
  -灘高校のキムタツ先生が書いた英語の学習法です。

コメント (3)
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