朝テレ「報道ステーション」古賀茂明氏と古舘の言い争いから判断、安倍政権報道介入を受けた降板か否か

2015-03-31 09:16:05 | 政治



      生活の党PR

       《3月31日(火)玉城デニー幹事長テレビ出演ご案内》    

      番組名:BS日テレ『深層NEWS』

      ◆日 時:平成27年3月31日(火)22:00~23:00(生放送)
        テレNEWS24 同日24:00~25:00(再放送)

      ◆テーマ:普天間基地移転問題と日米関係
      ◆内 容:
         ○辺野古の現状 何がどこまで進んでいるのか?
         ○国の論理と沖縄の主張
         ○沖縄の基地負担軽減をどうすべきな?など

 3月27日放送のテレビ朝日「報道ステーション」で不定期的に金曜日にコメンテーターとして出演している元経済産業省官僚の古賀茂明氏が自身の降板は政府の圧力が原因であり、キャスターの古舘伊知郎は降板ではないと否定趣旨の論争があったという。

 次の記事がその全文を紹介しているから、そのまま拝借することにした。

 《古舘伊知郎氏、番組降板する古賀茂明氏と口論 報道ステーション(全文)》(The Huffington Post/ 2015年03月28日 11時34分)   

 執筆者: 中野渉

元経済産業省官僚の古賀茂明氏(59)が3月27日、テレビ朝日の「報道ステーション」に出演し、自身の降板をめぐってキャスターの古舘伊知郎氏(60)と口論になった。さらに番組中に「I am not ABE」(私は安倍首相ではない)と書かれた手製の紙を掲げる一幕もあった。
古賀さんはこれまで同番組にコメンテーターとして出演し、安倍政権に批判的な発言を繰り返していた。

番組中盤、中東情勢についてのニュースに関して古舘氏が古賀氏に解説を求めた際、古賀氏が突然、切り出した。古賀氏と古舘氏とのやりとりは次の通り。

古賀:ちょっとその話をする前に。わたし、今日が最後ということで、テレビ朝日の早河(洋)会長とか、あるいは(制作協力している)古舘プロダクションの佐藤(孝)会長のご意向でですね、わたしはこれが最後ということなんです。これまで非常に多くの方から激励を受けまして。

で一方で、菅(義偉)官房長官をはじめですね、官邸のみなさんにはものすごいバッシングを受けてきましたけれども、まあ、それを上回る皆さんの応援のおかげでですね、非常に楽しくやらせていただいたということで、心からお礼を申し上げたいなという風に思います。本当にありがとうございました。

古舘:古賀さん、ちょっと待って下さい。ちょっと待って下さい、古賀さん、待って下さい。いまのお話は、私としては承服できません。古賀さんは金曜日に、時折出て下さって、大変わたしも勉強させていただいている流れの中で、番組が4月から様相が変わっていく中でも、古賀さんに機会があれば、企画が合うなら出ていただきたいと相変わらず思ってますし。

古賀:それは本当にありがたいことです。もし本当であれば、本当にありがたいです。

古舘:古賀さんが、これで、すべて、なにかテレビ側から降ろされるっていうことは、ちょっと古賀さんそれは、違うと思いますよ。

古賀:いや、でも、古舘さん言われましたよね、「わたしがこういう風になるということについて自分は何もできなかった、本当に申し訳ない」と。

古舘:もちろんそれは、この前お話したのは、楽屋で、古賀さんにいろいろ教えていただいている中で、古賀さんの思うような意向に沿って流れができてないんであるとしたら大変申し訳ないとわたしは思っている、今でも…。しかしさっきのはちょっと極端過ぎる。

古賀:録音させていただきましたので、もしそういう風に言われるんだったら、全部出させていただきますけれども。

古舘:いや、こちらもそれを出させていただくってことになっちゃいます、古賀さん。

古賀:いいですよ。

古舘:だから、ちょっとじゃあそれは置いて、これはわたしは違うと思っていますが、じゃあ、イエメンのお話、アメリカのことを聞かせていただけますか。

金曜のコメンテーターは週ごとに各分野から出演していた。日刊スポーツによると、テレビ朝日広報部は「そもそも古賀さんもその(各分野の)中の1人。降板ということではない」と説明したという。

この日の古賀氏の言動について、ジャーナリストの竹田圭吾氏や江川紹子氏らがTwitterで苦言を呈した

竹田圭吾
古賀茂明という人はテレビで発言する機会を与えられていることの責任と義務をまったく理解していない

2015年3月27日 23:09
1,114件のリツイート 443人がお気に入りに登録

Shoko Egawa ✔ @amneris84 フォローする
公共の電波で自分の見解を伝えるという貴重な機会を、個人的な恨みの吐露に使っている人を見ると、なんとももったいないことをするのか…と思う。

2015年3月27日 22:47
504件のリツイート 246人がお気に入りに登録

 古賀茂明氏はテレビ朝日会長と古舘プロダクションの意向で今日の金曜日の出演が最後で降板だと言い、古舘は企画が合う機会があるなら出て頂きたいと思っている、降板ではないと言う。

 古舘が言っていることが正しければ、降板は古賀茂明氏の思い込みで、早トチリということになる。

 但し古舘の意向は番組編成や出演者決定に相当な力を持っているだろうが、今後も「出て頂きたいと思っている」という意向だけでは本人の中ではそのことを確定事項することができたとしても、契約という形を取らなければ、相手に確定事項であることは伝わらないし、相手は確定事項とすることはできない。

 報道番組が出演者との契約をどのように行うか知らないが、 「報道ステーション」が4月から金曜日は従来どおりにテーマに応じて各分野からコメンテーターを招く予定ではあるが、月曜から木曜までのコメンテーターをこれまで一人で務めていたのを4人が日替わりで出演する編成替えを行うというから、例え編成替えが月曜から木曜日の出演者に限っていたとしても、編成替えと年度替わりが重なった場合、金曜日分も含めたすべての出演者に対して新たに契約を結ぶ、あるいは結び直すのが一般的であるはずだ。

 だが、古賀茂明氏に関してはその契約がなかった。その上、古舘から、「わたしがこういう風になるということについて自分は何もできなかった、本当に申し訳ない」と言われている。だから、3月27日の金曜日が年度替り前の最後の出演日と受け止めて、降板話をすることになったということであろう。

 それとも正式な契約というものはなく、日本式に口頭契約ということなのだろうか。1回の出演はいくらいくらと口頭で決めておいて、金曜日に出演をお願いした場合は、番組終了後か、あるいは月末等のテレビ局の給料支払日に合わせて纏めて支払いますと口頭で伝えてあるというだけのことだろうか。

 口頭契約の関係なら尚更に年度替り前に「何もできなかった」と言われ、謝罪されたということなら、それが以後の出演はないという口頭契約となって、古賀茂明氏が古舘の意向が降板を確定事項としていると受け止め、それを受けて自身も降板を確定事項とするに至ったとしても自然な判断ということになる。

 年度替り以後の、あるいは番組編成後の出演をお願いする口頭の契約も正式な文書契約も示していない以上、古舘の「古賀さんに機会があれば、企画が合うなら出ていただきたいと相変わらず思ってますし」はおためごかしの言葉に過ぎないことになる。

 古賀茂明氏としたら、当然、降板の原因を考える。

 他の記事はテレビ朝日は金曜日のコメンテーターはこれまでも固定化しておらず、その日のテーマに合ったコメンテーターを招いており、古賀さんもその一人だと言っていると伝えているが、テレビ局は古賀茂明氏を単にテーマに合わせたコマの一つに過ぎないと見ていたわけではないだろう。

 「報道ステーション」でも安倍批判を展開していたというが、元々反安倍姿勢を鮮明にして、批判を繰返していたのである。「報道ステーション」としてもその古賀茂明氏のスタンスを買って、金曜日の番組出演をお願いしたはずである。

 つまり「報道ステーション」自体が反安倍をスタンスとしていて、古賀茂明氏の反安倍の点に好感を感じ、響き合うものがあったから、出演を実現させたはずである。常識から言って、番組のスタンスに合わない人物を選ぶはずはない。

 「asahi.com」記事は古舘と古賀茂明氏の論争に絡めて、〈古賀さんは以前にも同番組で、過激派組織「イスラム国」(IS)による人質事件への日本政府の対応を批判し、「I am not ABE」と発言し、議論を呼んでいた。〉と解説している。

 テレビ局から番組の編成替えが公表され、そのことが既に報道されていながら、口頭の契約もなく、文書による正式な契約もなければ、一致していた双方のスタンスに破調を来たすことになったことを意味する。
 
 番組の最中に「I am not ABE」(私は安倍首相ではない)と書いた手製の紙を掲げている以上、古賀茂明氏のスタンスは変わっていないのだから、「報道ステーション」側のスタンスが変わったと見るしかない。

 古賀茂明氏は「報道ステーション」側のスタンスの変化を、「菅(義偉)官房長官をはじめですね、官邸のみなさん」から自身も受けてきた「ものすごいバッシング」、いわば安倍政権の報道圧力が原因と見て、それが古賀茂明氏自身の降板につながったと解釈した。

 この見方・解釈に正当性があるかどうかが問題となる。

 官房長官の菅義偉は勿論否定している。そのとおりですよと肯定するわけはない。3月30日の記者会見。

 菅義偉「全くの事実無根だ。公共の電波を使った事実に全く反するコメントで、極めて不適切だと思っている」(時事ドットコム

 だが、安倍晋三は報道介入の前科を繰返している。前科が一度で、その前科を悔い改めて、以後繰返していないというなら菅義偉の言い分を素直に納得させることができるが、繰返している以上、素直にはそうですかと言うことはできない。

 既に周知となっている、当ブログにも何度か取り上げていることを改めて書き記すことになるが、安倍晋三の表立って現れた報道介入の一つに2005年のNHK『慰安婦』番組に対するものがある。高裁は「制作に携わる者の方針を離れて、国会議員などの発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度し、当たり障りのないよう番組に改変した」と判決を下した。

 つまりNHK側が単に国会議員の発言を勝手に忖度して番組を改変したとした。

 最高裁は政治家の介入については触れなかったというから、高裁の判決を以って政治家の介入については决定したことになる。

 安倍晋三はこのことを以って無罪判決だとしているが、NHKが国会議員の意図を忖度するについては、国会議員からそれなりの発言や接触があったことを受けた措置であって、発言の接触も何もがなければ、忖度の必要性は生じない。

 安倍晋三は自身も慰安婦に関わる発言を繰返し、NHK側に秘書やあるいはNHKに影響力を持つ第三者等を使ったのだろう、巧妙に接触し、巧妙に意図を忖度させて、番組を改変させる報道介入を行ったと見るべきだろう。

 昨年12月の総選挙前の11月18日、安倍晋三はTBS「NEWS23」に出演した際、番組が景気の実感を街行く人にインタビュー、いわゆる街の声を聞いたが、その殆どがアベノミクスに批判的だったことに不快を感じたのだろう、「これはですね、街の声ですから、皆さん選んいると思いますよ。もしかしたら」と発言、安倍晋三ではあるまいにさも番組が情報操作しているかのように疑った。

 そしてその2日後の11月20日、「自由民主党 筆頭副幹事長 萩生田光一/報道局長 福井 照」の差出し人名で在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」と題した文書を送った。

 萩生田光一は安倍晋三の側近中の側近である。

 内容は次の通り、

 ・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
 ・ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと

 全てはテレビ局の自主性に任せるべき表現の自由であるはずである。もしテレビ局の報道に関わる表現の自由によって不利益を被ったということなら、告訴して、適正な表現の自由であったかどうか裁判で決着をつけるべき問題である。

 だが、そういった常識的な手続きを踏まずに国家権力を握っている側が文書で「公平中立」、「公正」も名のもと、かくあるべしと要求する。

 当然、そのかくあるべしは国家権力側の利益を求める性格のものとなる。

 これが安倍晋三がTBS「NEWS23」出演の際に「街の声ですから、皆さん選んいると思いますよ。もしかしたら」とテレビ局の情報操作を疑ったことを受けた国家権力による報道介入ではないと誰が断言できるだろうか。

 かくこのように安倍晋三は国家権力を利用した報道介入の体質を持ち、その前科を繰返し、常習犯化している。安倍晋三側が記者会見や国会答弁を利用して報道介入を否定するなら、安倍晋三に危険を感じて批判する者が報道介入を疑ったなら、ありとあらゆる機会を把えて否定の声以上に報道介入だと断定、断罪する声を上げるべきだろう。

 そうすることが自ずと安倍晋三の報道介入を逡巡させる力となるはずである。

 例えそうしたとしても報道介入に逡巡しないとなったなら、そしてそれを国民が許すということなら、日本は引き返すことのできない危険な道に差し掛かっていることを意味することになる。

コメント
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