メール記載の「官邸関係者」は内閣参事官、「委員以外の関係者」は中江と姉崎、他1名は安倍晋三関与をチャラにするストーリー

2019-02-28 12:55:06 | 政治


   2019年7月28日任期満了実施参院選で

   安倍自民党を大敗に追いつめれば

   政権運営が行き詰まり 

   2019年10月1日の消費税10%への増税を

   断念させる可能性が生じる



 【謝罪】2019年2月25日の当「ブログ」に厚労省から「毎月勤労統計の改善に関する検討会」阿部正浩座長宛の最初のメールの日付は2015年9月4日なのですが、2通目のメールの日付は同じ9月4日としたのは誤りで、正確には「2015年9月14日午後4時8分」の発信でした。謝罪します。年のせいで、かなり頭が疲れているようです。

 発信日2015年9月4日、発信者「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(略称「毎勤改善検討会」)の事務局員である労働省雇用・賃金福祉統計課長補佐手計(てばか)高志の最初のメールに、〈なお、現在、検討会での検討結果等については官邸関係者に説明をしている段階であります。〉と記載されている「官邸関係者」とは当時労働省首相官邸出向の内閣参事官であり、2015年9月14日の2通目のメールに、〈意見をいただいた部分について、反映等を行っているところですが、委員以外の関係者と調整をしている中で〉云々と記載の「委員以外の関係者」とは、前首相秘書官中江元哉と元厚労省統計情報部長であり、「毎勤改善検討会」の事務局員でもある姉崎猛と統計関係の有識者だと厚労署側が明らかにした。

 いずれも安倍晋三の統計不正への政治関与を否定する文脈での公表だが、事実は関与していながら、その関与をチャラにするためにつくり上げたストーリーなのか、そうではないのかを問題にしなければならない。安倍晋三の不正関与は前首相秘書官中江元哉に指示、その指示に基づいて中江元哉が厚労省に働きかけて行われたとの状況証拠を野党が国会で積み上げている。指示の目的はアベノミクス経済がうまくいっているかのように国民に見せかけるための統計操作だと見られている。心証から言うと、安倍晋三ならやりかねない悪巧みである。

 先ず、どのような経緯を取って、このような公表に至ったのか、簡単に振り返ってみる。

 2015年の3月31日に前首相秘書官中江元哉が首相官邸に厚労省の宮野総括審議官と姉崎統計部長を呼びつけて、統計の取り方について話し合っている。どのような話し合いなのかは2019年2月15日衆議院予算委員会で国民民主党・無所属クラブ奥野総一郎に答弁している。

 中江元哉「具体的な日付は2015年の3月31日だったと思います。それで具体的な遣り取りについては、説明のときは4年前のことでありますので、詳しくは覚えておりませんが、その際、私からは厚労省の方々に賃金統計に関する基礎統計についてこれまで公表していた数値が過去に遡って大幅に変える理由等を尋ねたところ、全数入れ替え、サンプルを全部入れ替えるという方法を取っているためであるという回答でありました。

 そこで私の方から過去に遡って大幅に公表された数値が変わるようでは経済の実態がタイムリーに表せられないのではないかという観点から、どうしてそのような(企業)サンプルを全数入れ替えする、そういう方法を採用しているのかということを聞きました。また、ほかの統計に於いても同様に全数入れ替えという方法が取られているのかということを聞いた記憶がございます。

 また、他の統計は諸外国の事例などを見つつ、専門家の意見を聞くなど、経済の実態を適切に、先程申し上げましたようにタイムリーに表すために改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えた記憶がございます。

 私と致しましては当然の反応をしたつもりであります。現にそのときの統計結果に対しましては有識者の方々から様々な指摘がなされたと承知しております。これらはやるときはすべて政策的な観点からのものであると考えております」

 要するに経済の実態をタイムリーに反映するためには企業サンプルを全数入れ替えするのではなく、部分入れ替え方式で統計を取るべきではないかと「問題意識を伝えた」――と言えば聞こえはいいが、問題提起した。これが安倍晋三の指示による政治関与が効いた統計不正の開始なのかと問題視されることになった。

 中江元哉が「これらはやるときはすべて政策的な観点からのものであると考えております」と言っていることは、どういう統計方法を採用するかの結論は「毎勤改善検討会」の有識者各委員が政策的な観点から決めることであって、私はノータッチですよ、つまり雇い主である親分の安倍晋三も関知していないことですよの意味を取ることになる。

 実際に中江元哉はこのあとで、「総理にはご報告はしておりません」と厚労省職員との話し合いそのものから安倍晋三の存在を外す発言をしている。このように安倍晋三は無関係ですよと暗に言ったり、国会答弁で示したり、様々に手を打たり、安倍晋三自身が「アベノミクスを上振れさせるためのものでない」などと言わなければならないのは政治関与を疑われても仕方がない統計不正の構造を取っているからに他ならない。

 2019年2月20日衆院予算委員会で立憲民主党の長妻昭が「何か変なメールが出てきた」との物言いで、厚労省が「毎勤改善検討会」の座長である阿部正浩に送信したメールの存在を指摘、厚労相の根本匠にメールの提出を要求。阿部正浩が受信しているメールだから、隠しようがないと観念したのだろう、厚生労働省は2月22日に阿部正浩座長に送信した、あとからまで出てくるかもしれないが、取り敢えずは3通のメールを衆院予算委員会理事会に示した。いずれも発信者は「毎勤改善検討会」の事務局員である労働省雇用・賃金福祉統計課長補佐手計高志となっている。

 1通を除いて2通共に上記示したように官邸の関与を疑わせる文言が記載されていて、「毎勤改善検討会」の事務局員である労働省雇用・賃金福祉統計課長補佐手計高志と同様に同じ事務局員である厚労相の姉崎猛と首相官邸で前首相秘書官中江元哉と面会し、統計の取り方について話し合っている関係上、中江元哉が「官邸関係者」に目されることになった。

 姉崎猛は2019年2月22日の衆院予算委で立憲民主党の小川淳也の追及に答弁している。

 「9月14日の午後の早目の時間に(首相官邸に行き)『毎勤の検討会』の6回目が近かったので検討会のことについて簡単に触れた。その際、秘書官(中江元哉)から、『コストと言うよりも、ちゃんと実態を把握するような観点から言うと、部分入れ替えもあるのではないか』というようなコメントがあった」と答弁、さらに「14日に総理秘書官のところに行ったときは毎勤改善検討会の報告書の最終的な調整っていうか、修正を指示してやっていたのでですね、それなんで、秘書官のところにいくとき修正中だったので、資料とか持っていかなくて、口頭で説明をして、そういうことだったんで、いずれにしてもそのとき資料を、担当課で、第6回目の検討会に向けて修正をしている最中でしたので、こういう結論になるみたいな感じでは言わなかったんじゃないかというふうに、調整中で・・・・」と答弁を重ねている。

 要するに中谷元哉は2019年2月15日衆議院予算委員会では2015年3月31日に首相官邸で姉崎猛等と面会した際にはどういう統計方法を採用するかの結論は「毎勤改善検討会」の有識者各委員が政策的な観点から決めることであって、私はノータッチですよといった趣旨の答弁をしていながら、約半年後の9月14日になっても、「毎勤改善検討会」の議論の行方、あるいは結論の行方に大きな関心を払っていた。いわば有識者各委員の議論・結論に任せるは口とは裏腹な事実――ウソ答弁となる。

 小川淳也の質問に対する姉崎猛のこの答弁に関して前首相秘書官中江元哉は次のように答弁している。

 「9月14日に厚労省の姉崎さんと宮野さんが来られたということでありますけれども、私、その時期にそのようなことは思い出せません。当初からの問題意識からすると、経済の実態をより理解に表す方策として部分入れ替えということがあるなら、そうした考え方を専門的に進めて貰ったらどうかというようなことを申し上げたかもしれないが、いずれにしても専門家の方々が検討されている訳ですから」

 「申し訳ありませんが、覚えておりません」と記憶にないで始まり、記憶にないで結んでいる。

 但しここでも有識者各委員が政策的な観点から決めることであって、私はノータッチですよといった趣旨の答弁を繰り返している。つまり親分の安倍晋三もノータッチですよと言っていることになる。

 中江元哉が例え全然記憶がないことでも、2015年9月14日に首相官邸で姉崎猛が中江元哉と面会して、検討会の議論について姉先が「検討会のことについて簡単に触れた」と発言している以上、統計の取り方についての議論をしていた「第5回毎勤改善検討会」の中間的整理案の結論が「総入れ替え方式が適当」だったのに対して2015年9月14日の検討会座長に宛てたメールでは、〈サンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。〉と、第6回目の検討会の議論の中に「部分入れ替え方式」を割り込ませようとしていることは首相秘書官中江元哉が望んでいた部分入れ替え方式に一歩近づかせる「意見」となる。

 姉崎猛が中江元哉と面会したとしていることに対して中江元哉が記憶していないとしている食い違いが安倍晋三関与の疑惑を一層掻き立てることになったことになった。この疑惑を打ち消すためにだろう、厚労省は2月21日に立憲民主党の小川淳也の要求を受けて、姉崎猛は報告書案の修正は「首相秘書官に説明に行く前に行った」と文書で回答したと、2019年2月21日付「毎日新聞」は伝えている。

 修正の日時を記事は、首相官邸で中江元哉と面会したのは9月14日午後であるのに対して〈「修正指示の具体的な日時は9月11日(金)の夜か14日(月)の朝」「当時担当が多忙で修正がぎりぎりになったのかもしれない」〉と、姉崎猛の主張を伝えている。

 勿論、この文書回答の内容に添って姉崎猛は以後国会で追及されても答弁することになる。だからこそ、文書回答2月21日の翌日の上記2019年2月22日の衆院予算委での立憲民主党小川淳也の追及に対しては2015年9月14日の首相秘書官中江元哉との面会時の遣り取りを說明するのに「毎勤改善検討会の報告書の最終的な調整っていうか、修正を指示してやっていたのでですね」とか、「秘書官のところにいくとき修正中だった」、「第6回目の検討会に向けて修正をしている最中でした」等々、報告書案は「調整中」を何度も強調することになったのだろう。

 首相秘書官統計不正不関与説=安倍晋三統計不正不関与説はこの程度で打ち止めにしておけばいいのに2019年2月25日午前の衆院予算委員会で厚労省政策統括官の藤沢勝博が発信日2015年9月4日のメールに記載されていた「官邸関係者」は当時厚労省から首相官邸に出向していた内閣参事官だと明らかにしたと2019年2月25日付「毎日新聞」が伝えている。

 内閣参事官がどの程度の地位なのかネットを調べてみると、「コトバンク」に、〈内閣官房・法制局や各省庁などで、その部局の所掌事務に参画し、重要事項の総括整理や立案などを行う、課長級の職員。〉と出ている。

 単に首相官邸に出向の身である課長級の職員に検討結果等を説明しているとわざわざメールで座長相手に知らせる意味がどこにあるのだろうか。検討会の議論にどれ程の影響力を与える力を持っているというのだろうか。首相官邸の高い地位にある人物に説明しているとすることによって、その影響力からしても、意味を持つことになる。

 安倍座長にしても、「官邸関係者」の文字を見て、高い地位の人物を頭に浮かべたろう。低い地位の人物を頭に浮かべても、何の意味も出てこない。

 こう見てくると、内閣参事官はスケープゴートにされた疑いが濃厚となるだけではなく、もしスケープゴートだとしたら、これまでの経緯から、安倍晋三統計不正不関与のストーリーを涙ぐましいばかりに一生懸命打ち立てようとしている様子が浮かんでくる。

 2通目の2015年9月14日のメールに記載がある「委員以外の関係者」は厚生労働相根本匠が国会答弁では首相秘書官中江元哉だとしていたにも関わらず、2月26日の閣議後記者会見で中江元哉と姉崎猛、統計関係の有識者の3名であると明らかにしたと2019年2月26日付「asahi.com」が伝えている。

 2015年9月14日のメールは、〈委員以外の関係者と調整をしている中でサンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。〉とある。中江元哉は2015年9月14日の首相官邸で面会した姉崎猛からの検討会の報告は記憶にないと否定しているが、記憶の有無に関係なしに報告を受けたことが事実となる。

 さらに中谷元哉は「自分は問題提起のみで、決定は専門家が決める」といった趣旨で、自身は決定にはノータッチであったかのように国会答弁しているが、当日の首相官邸で、〈委員以外の関係者と調整をしている中で、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきた〉とメールに記載がある以上、「委員以外の関係者」とは中江元哉と姉崎猛、統計関係の有識者を指すことになり、この3人の誰が「部分入れ替え方式で行うべきとの意見」を出しのかは予てから部分入れ替えを問題意識として提起していた中江元哉が主体的役割を担っていたことは想像に難くない。

 このことだけではない。「第5回毎勤改善検討会」の中間的整理案の結論が「総入れ替え方式が適当」と位置付けていたのに対して首相官邸面会2日後の2015年9月16日の「第6回毎勤改善検討会」では、阿部座長の欠席のもと、「サンプル入れ替え方法については、引き続き検討することとする」という「中間的整理(案)」に変更された上、第7回、第8回と開催を予定していながら、そのまま立ち消えとなっただけではなく、このことを受けてのことだろう、「厚労省」は2018年4月に、〈従来、調査対象事業所のうち30 人以上事業所は、2~3年ごとに、新たに無作為抽出した事業所に総入替えを実施していたが、平成30 年からは毎年1月分調査で一部を入れ替える方式に変更〉と、「毎勤改善検討会」の結論を経ずに部分入れ替え方式に変更している不自然さからしても、首相官邸の関与=安倍晋三の関与を事実と見なければ、これまでの政府側答弁の経緯と整合性が取れなくなる。

 関与が事実だからこそ、「官邸関係者」を内閣参事官だとするスケープゴートとするストーリーを、さらに「委員以外の関係者」を中江元哉一人ではなく、さらに2人を加えて3人とする、安倍晋三関与をチャラにするストーリーが必要になったはずだ。

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安倍晋三の統計不正関与クロの証明:政府関係の会議へのメールに「官邸関係者」と名前を伏せること自体、悪事の存在証明

2019-02-25 13:09:14 | 政治


   2019年7月28日任期満了実施参院選で

   安倍自民党を大敗に追いつめれば

   政権運営が行き詰まり 

   2019年10月1日の消費税10%への増税を

   断念させる可能性が生じる


 安倍晋三指示が動機の統計不正なのか、カギを握っている一方のキーマン安倍晋三首相秘書官中江元哉に呼びつけられて首相官邸で会った(密会した?)厚労省姉崎が2019年2月22日の衆議院予算委員会に初めて参考人として出席、立憲民主党会派の小川淳也の質問に答えて、統計作成の方法変更は「首相秘書官の示唆が原因というのは違う」と答弁したとマスコミが報道していたから、文字に起こしてみた。主なところだけを拾ってみる。

 兎に角、小川淳也は大向うを狙うような大仰な発言が多い。もう少々熱に浮かされた雰囲気を醸すことができれば、大衆を熱狂させる立派なアジテーター、あるいは立派な新興宗教の指導者になれること請け合いである。

 2019年2月22日 衆院予算委小川淳也

 小川淳也「先ず(2015年)9月の14日、姉崎参考人は中江当時の総理秘書官に面会をし、勤労統計についてご報告をし、様々な内容のご相談なり、あるいは事と次第によっては中江氏から ある問題意識なり、示唆を受け取っているということが既に周知の事実になっておりますので、姉崎参考人、ご自身のことなら、ご自身の口で経緯と内容についてご説明を願いたいと思います」

 元厚労省統計情報部長姉崎猛「先ず初めに今回のこの毎月勤労統計問題によりましては統計に対する信頼を失わせると共に国民の皆さんにご迷惑をおかけしましたことにつきまして、統計情報部長をしていた者として心からお詫びを申し上げたいと思います。

 それで9月の14日ですけれども、官邸、薄れた記憶ですけれども、官邸のその担当参事官に求められまして、(考えながら、記憶を呼び戻すようにして)6月のボーナスの状況等について説明に行きました。夏の賞与はどのくらいかというのは大きな関数値(?)なんです。

 私からはその際にですね、そのちょうど検討会、毎勤の検討会、6回目は近かったので、検討会の改善について、あ、検討会のことについても簡単に触れた、その際にですね。で、私からはですね、敢えてコストとか手間をかけて部分入れ替えをするよりも、まあ総入れ替えの方がいいのではないかという意見も、それ、まあ、多かったんですけども、ただ部分入れ替えも正確なデーターを取るためには有益であるという意見もありまして、そうした(笑いながら)形で果たしてこのような議論もあるということを、多分触れて、そのときに秘書官からは、コストと言うよりも、ちゃんと実態を把握するような観点から言うと、部分入れ替えもあるのではないかっていうようなコメントがありました。というように記憶しております」

 小川淳也「誠意あるご答弁ありがとうございます。それはいつのことですか。9月14日、昨日通告を。記憶を辿って頂くのですけど、いつのことですか」

 姉崎猛「9月14日の午後の、午後なのですけど、(首をひねりながら)多分早目の時間だったと思います」

 小川淳也「それでは率直にお尋ねいたします。今やや曖昧に仰ったんですが、色々と意見があったことはそうだとしても、この時点では8月7日の検討会で全数入れ替えを維持すると、いう結論になっています・
 
 この9月14日の時点では、依然として、と言うことは 、姉崎参考人は中江当時秘書官に対して検討会としては全数入れ替えを維持する方向ですと、いう方向感を滲ませるお話はされたと推し量るんですが、如何でしょう」

 姉崎猛「14日に総理秘書官のところに行ったときは、――(?)の報告書の最終的な調整っていうか、申請を指示してやっていたのでですね、それなんで、秘書官のところにいくとき修正中だったので、資料とか持っていかなくて、口頭で説明をして、そういうことだったんで、いずれにしてもそのとき資料を、担当課で、第6回目の検討会に向けて修正をしている最中でしたので、こういう結論になるみたいな感じでは言わなかったんじゃないかというふうに、調整中で・・・・」

 小川淳也「怪しいですよ、ご答弁ぶりが。では、もう一つとお聞きします。同じ9月14日に当時の研究会の座長であった阿部先生に対して委員外から意見があったので 、まあ、やや検討を少し玉虫色と言いますか、引き続き検討というふうに5回目までの議論を修正・変更させて欲しいという電子メールが入っています。

 これは誰から、何時頃、阿部座長に送られたものか、これも昨日確認をお願いしておりますので、ご答弁頂きたいと思います」

 (「毎勤改善検討会」「毎月勤労統計の改善に関する検討会」 事務局を務めた元厚生労働省統計情報部長の姉崎猛 担当補佐)

  姉崎猛「お答え致します。私が、あの、担当補佐が委員の方々と、ど、どういう遣り方、メールとでなんですけども、どういう遣り方で調整しているのかっていうことを私は知らないので、それであの、メールのことは朝日新聞の(?)で見ましたけども、メールについては私は承知していないので、メールについてそもそも分からないんです。だから時間も私には分からないんです」

 小川淳也「では、通告に従って藤沢統括官から確認した上で答弁を求めます」

 厚生労働省政策統括官藤澤勝博「厚生労働省の中にご指摘のそのメールが残っているかどうかについては引き続き確認作業を続けておりますけれども、併せましてご指摘のメールは厚生労働省から阿部座長に送られたものということでございますので、阿部先生にですね、お願いをして、阿部先生のところに残っているかどうか確認をさせて頂く義務があると思います」

 再答弁。
 
 藤澤勝博「申し訳ございませんでした。阿部先生にも厚生労働省からメールについてですね、あの、今、お渡しして頂けるかどうか、お願い申し上げているところでございます」

 小川淳也「じゃあ、いつ出してくれるのですか」

 藤澤勝博「阿部先生に確認して頂いて、出して頂けるよう、お願いしているところでございます」

 クレームが入る。

 野田聖子委員長「厚生労働省、もう少ししっかり答弁できませんか」

 藤澤勝博「メールにつきましては厚生労働省で引き続いて探していきたいと思いますが、当時とシステムが変更になっているところがありますから、それでちょっと時間がかかっているかもしれませんが、その作業を急ぎたいと思います」

 小川淳也「皆さんご確認頂きたいと思いますが、書面で詳細に通告しておりますので、もう二、三聞いて、同じ答弁であれば、全くこの審議は意味がないと判断して、続行不能という判断を委員長から頂きたい。この前提で二、三お聞きします。

 姉崎参考人に於かれましては、昨日のこの資料拝見すると、(先程の答弁は)非常に苦しい供述をされたと私は受け止めました。つまり9月14日午後早めの時間に今仰った通り、中江さんに会ってる。そこで研究会の方向感についても一定触れた。そしてそこで中江さんから、ま、コストの問題よりも、という言い方で当時の研究会の方針とは異なる方針の示唆があった。(9月14日)

 そしてその日(9月14日)の午後10時半、2ファイルで入れ替わってる訳です。結論が書き換わっている訳です。 であれば、普通に考えれば、中江さんとの面談を経て、結論を書き換えなければならないと判断をしたあなたは部下である当時の石原さんか、あるいは手計さんに指示をして、この結論を書き換えさせたというのがどう考えても自然な経過、であります。

 しかしこの供述メモによればあなたは書き換えの指示は前の週11日の金曜日の夜か、14日の月曜日の朝、つまり中江さんと会う前だったと供述をしている。これは本当ですか。信じていいですか」

 姉崎猛「お答えを致します。確認されたので、私の記憶の限りでは11日か14日に私の方から言ったというふうにお答えを致しました」

 小川淳也「では、なぜですか。何がキッカケで9月の11日、または14日の朝に、誰に対して撤案(取り下げ)の書き換えを指示したのですか」
 
 姉崎猛「私の事情のためか、この時期ですね、日本年金機構不正アクセスによる情報流出問題がありまして、確か6月から9月までずっとそれに対応で、多忙を極めていまして、特に9月は再発防止策の検討をしておりまして、私、厚生労働省の情報不正アクセスシステムネットワークの責任者だったものですから、それで凄く多忙であったのですし、それなので、今から本当に思うと色んな指示とか、だけで(・・・)が遅くなったり、なかなか打ち合わせする時間が、担当課と打ち合わせをする時間が取れなかったということもあって、それで、あの、11日とか14日っていう指示がですね、修正の指示が遅いタイミングになってしまったというとことで、それで私が、何で、その、総入れ替え方式だけではなくて部分入れ替え方式の方も、両方共検討する、そういう中間纏めで、どうして私がそういうふうに指示をしたのかということなんですけれども、それは、一つは第5回目の委員会のときの凄い統計の専門家であると、と、豊田(裕貴?秀樹?)先生の、やっぱりそういう正確なデーターを取るには部分入れ替えの方式の方がいいようであるっていうことを仰って、それで阿部座長も、そこんところは報告書を修正してもいいというふうに仰っていたということがありますのと、あともう一つ大事なのは11月以降12月、統計委員会で(・・・・)統計の確認作業をやるっていうことを前の年に決まっていまして、そこに、何て言うんでしょう、実施状況の確認なんですけれども、こういう研究会をやっているっていうことを併せて説明をしょうというふうに思っていたんです。

 それで、あの、その、検討会のことを、その説明するに当たって、えーと、あのー、そのうち仕事を選定する作業(?)が流れていくわけなんですけど、統計委員会の感触っていうか、統計委員会の委員がどういう考えを持っているのかっていうのを、その、感触っていうのか、それを確認しない内に、その、断定的な無効だっていうような結論を先に纏めてしまうのは実は意識かかってというのがあって(?)、それであの、総入れ替え方式の、部分入れ替え方式の、一応両方共検討するっていうような整理にしようというふうに私が決めて、ただ、(吹き出し笑いをしながら)指示がですね、のちほど言ったような事情でバタバタと遅くなってしまったという、そういうことです」

 小川淳也「まあ、苦しい辻褄合わせを一生面命されているとしか受け止められない答弁です。では、通告に従って、統括官の答弁を求めます。当時姉崎さんから、結論を書き換えるように指示を受けたのは誰ですか。そしてそれはいつ、なぜ、と、当時の担当者は言いましたか。確認をした上での答弁を求めています」

 野田聖子委員長「厚生労働省藤沢政策統括官」

 藤澤勝博「普通は指示を受けたのは担当補佐だと思いますけれども、本人に確認を致しましたところ、11日または14日の何時頃に指示を受けたかについては記憶が無いというふうに話しております。また指示の理由とか、自分がどのように受け止めたのかも、記憶にないと、そういうふうに申しております」

 小川淳也「まあ、よくできた口裏合わせになっている。これは委員長、 メールの中身が出てきませんと、記憶を戦わせ、認識を戦わせただけでは、真相、事実が明らかになりません。メールを出して頂くまで、これ、審議をやめましょうか。こんな馬鹿馬鹿しい話に付き合ってられないですよ。

 ちょっと場内、協議にしてくれませんか。これメールなしでこんな水掛け論やり続けるのかどうかを」

 (協議)

野田聖子委員長「厚生労働省に申し上げます。今確認中ということですけども、具体的にどういう作業を今しているところか、作業手順ぐらいはちょっと話をする。なぜ 今、どういう作業中なので、ということをきちっと分かるよう説明してください」

 藤澤勝博「省内を検索作業を急がしていると共に他からのメールがございましたなら(?)、阿部先生のご了解を得て、提出をしたいと思っております」

 小川淳也「委員長、是非、国会として求めてい頂きたいと思います」

 野田聖子委員長「今、(?)でもお話がありましたので、理事会でしっかり責任を持って協議をさせて頂きたいと思います」

 小川淳也「では、中江元秘書官にお聞きします。これだけの遣り取りを致しましたので、少しご記憶が戻ったのではないかと思いますけれども、改めて9月の14日、席を一つ挟んでお隣におられる姉崎さんの顔をちょっとよく見てください。9月の14日、姉崎さんから勤労統計並びに勤労統計研究会の方向感について説明なり、報告を受けましたね。

 その上で問題意識を示唆されたでしょ?いい加減正直にご答弁、頂きたいと思います」

  中江元哉「あのー、誰かに昨日も答弁し、今日も記憶のありのままに述べております。9月14日に厚労省の姉崎さんと宮野さんが来られたということでありますけれども、私、その時期にそのようなことは思い出せません。

 そこはもうその通りでございます。それで、もしかしたらそのときに今、部長から、元部長から、そのおような説明があって、また、あったとしたらですね、私としてはもう元々、当初から問題意識からすればですね、経済の実態をより理解に表す方策として、部分入れ替えということがあるんであれば、そうした考え方についても専門的に進めて貰ったらどうかというようなことを申し上げたかもしれませんが、いずれにしても専門家の方々から、方々が検討されている訳ですから、そういうようなことで、敢えて申し上げればということで申し上げたかもしれませんが、私も、首相秘書官を長くやっていましたけれども、4年ぐらい前の、4年弱前の話でありますので、申し訳ありませんが、覚えておりません」

 小川淳也「今頃になって姉崎さんからこんなこと言われるのは迷惑だと、言わんばかりの答弁であります。姉崎さん、これ本当に職責かけてやっていたと思いますよ。色々当時賃金の水準が議論なってたことは事実ですからね。

 悪い数字が出たら官邸から怒られる。統計方法にまで不審がられて困ってるという状況でご説明に行ったはずですよ。それを今みたいに思い出せません、記憶がありません。もしそれが本当だとしたら、これ財務省の関税局長として不適格ですよ。

 これからどれだけの難題に向き合うんですか。不適格だ」

 議論は続くが、姉崎猛と中江元哉の答弁が一応揃い、両人の事実否認の姿勢は変わらないだろうから、文字起こしはここで終了。

 現在厚労省が探索中の姉崎猛が自身が当時事務局を務めていた「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(略称「毎勤改善検討会」)の阿部座長に送信したメールは姉崎猛が上記答弁しているように自身の送信を否定しているが、厚生労働省は2月22日に衆議院予算委員会の理事会に当時同じく「毎勤改善検討会」事務局を務めていた当時厚労省雇用・賃金福祉統計課長補佐の手計高志のメールを提出している。以下サイトから参考引用してみる。文飾当方。

 「伊達直人2nd」

 「2015年9月4日のメール」1

From:手計高志(tebakari-takashi)
Sent: Friday, September04,2015 11:03 PM
TO: ‘Masahiro Abe'
SUbject:【ご相談】第6回毎勤検討会資料(報告書)について

  中央大学経済学部教授
       阿部正浩様

いつもお世話になっております.

厚生労働省統計情報部雇用・賃金福祉統課の手計です。

標記について

現時点での報告書書(案)についてお送りいたします。

第5回の素案からの見え消しにしています。

(参考資料は省略しています.)

少し補足説明した方がよい部分もあるため

お時間の都合がつけぱ、

来週の前半でお会いして、説明をしたいと考えていますが

 ご都合の方はいかがでしょうか.

 なお、現在、検討会での検討結果等については

 官邸関係者に説明をしている段階であります。

 それではよろしくお願いいたします。

 「2015年9月14日午後4時8分のメール」

 16日(水)13時から開催の第6回毎勤検討会についてご相談させていただきまず

 現在、報告書(案)について、委員に事前に送付し

 意見をいただいた部分について、反映等を行っているところですが

 委員以外の関係者と調整をしている中で

 サンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。

 (ご存じのとおり、報告書(案)では、総入れ替え方式が適当との記載を予定していました。)

 このため、第6回では、報告書(案)ではなく、中間的整理(案)の議論ということで

 とりまとめを行わせていただきたいと考えています。

 併せて、サンプルの入れ替え方法についても「引き続き検討する」というような記述とする予定です。

 このため.検討会についても、引き続き行うことになる予定です。

 (今のところ第7回の開催日時は未定です。ただし、年内の開催は難しいと思います)

 なお、中間的整理(案)については、後ぼど送付させていただきますが、

 取り急ぎご連絡いたします。

 先ず最初のメールは、〈なお、現在、検討会での検討結果等については官邸関係者に説明をしている段階であります。〉となっていて、「官邸関係者」の検討会への注目度を窺わせている。「官邸関係者」の下はどこまでかは知らないが、上は総理大臣から首相秘書官等々となる。阿部正浩座長が総理大臣を頭に浮かべる可能性は否定できない。浮かべたとしたら、相当な注目度だと考えたとしても不思議はなし、その意向がどの辺にあるかを忖度して、結論をその方向に向けないほしょうはない。

 このメールの件名は「第6回毎勤検討会資料(報告書)について」となっている。そして〈現時点での報告書書(案)についてお送りいたします。〉となっているから、「第5回毎勤検討会」の結論をそのまま印刷した内容なのか、以後、誰かの参考意見を附したものとなっているのか、いずれかとなる。

 後者の内容であるのは2番目のメールの〈現在、報告書(案)について、委員に事前に送付し、意見をいただいた部分について、反映等を行っているところですが〉の文言が示すように「第5回毎勤検討会」の結論に対して各委員が必要とした場合、適宜意見を付けて、それを事務局が纏めて、「第6回毎勤検討会」の場に議論材料として提出する仕組みであることが分かる。要するに議論の叩き台を予め根回しして決めている様子を見て取ることができる。

 しかも、その根回しの対象は「毎勤検討会」の委員に限られているわけではなく、〈委員以外の関係者と調整をしている中で〉の文言が示しているように、「委員以外の関係者」も根回しに加わっていることになるばかりか、その関係者と、〈調整をしている中でサンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。〉との指摘は、恰も委員以外の関係者の意見で総入れ替えから部分入れ替えへの変更の提案がなされたように見えてくる。

 この「委員以外の関係者」が「官邸関係者」なのかどうかが問題となるが、事務局は行政側の人間である。行政側の人間が行政のみの立場に立つだけではなく、ときには政府と癒着し、政府側の立場に立って、その利害を代弁する場合が往々にしてある。だからこそ、政府が立ち上げる政策決定の検討会や会議等に民間有識者を委員に採用することで中立・公正を図っている。ときには政府と癒着した民間有識者も存在するが、タテマエ上は中立・公正の図らいに努めている。

 このような公的な図らいに反して一行政機関の検討会事務局が委員以外の関係者を議論の場に、しかも各委員から見えない場所から加えるような私的な図らいを駆使するどのような権限があると言うのだろうか。「委員以外の関係者」であっても、「官邸関係者」であっても、正々堂々と名前を出しているなら、それが政府の人間だとしても、その意向・意図に不正のニオイを嗅ぎようがないが、名前を伏せることことによって不正のニオイ自ずと立つことになる。不正のニオイは悪事の存在証明としかならない。

 2019年2月15日の衆院予算委で国民民主党・無所属クラブの奥野総一郎の質問に答えて、中江元哉は2015年3月31日に首相官邸に姉崎猛と他1名を呼びつけて、現行の統計方法について尋ねてから、「過去に遡って大幅に公表された数値が変わるようでは経済の実態がタイムリーに表せられないのではないかという観点から、どうしてそのような、サンプルを、全数入れ替えする、そういう方法を採用しているのかということを聞き」、「実態をタイムリーに表すという観点から、専門家の意見を聞くなど改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えて」、部分入れ替えについての統計方法の考慮の必要性を伝えている。

 そして小川淳也はこの2月22日の質疑で姉崎猛に対して2015年9月の14日の総理秘書官の中江元哉との面会時の発言を尋ねた。対して姉崎猛は、「敢えてコストとか手間をかけて部分入れ替えをするよりも、総入れ替えの方がいいというのが多数意見であるが、部分入れ替えも正確なデーターを取るためには有益である」と少数意見を紹介したところ、中江元哉は「コストと言うよりも、ちゃんと実態を把握するような観点から言うと、部分入れ替えもあるのではないか」といった発言があったとしている。

 但しこのような発言があったことは中江元哉は記憶に無いと言っている。その理由は上記「9月4日のメール」に書いてある「官邸関係者」が中江元哉と特定されることを避けなければならないからだろう。

 だが、姉崎猛が紹介している9月の14日の中谷元哉の発言、「コストと言うよりも、ちゃんと実態を把握するような観点から言うと、部分入れ替えもあるのではないか」は2015年3月31日に姉崎猛が中江元哉から同じ趣旨のことを既に聞かされていた。

 そのように2015年3月31日に聞いている以上、姉崎猛がもし首相秘書官の中江元哉から中立な立場を一貫して維持しているなら、「コストと言うよりも、ちゃんと実態を把握するような観点から言うと、部分入れ替えもあるのではないか」の中江元哉の発言を紹介する理由を失う。

 なぜなら、中立的立場からして、「毎勤検討会」の全体的な意見に素直に従う義務があるからに他ならない。決して部分入れ替えに肩を持つような発言は許されなくなるし、姉崎猛が発言しているように「総入れ替え方式の、部分入れ替え方式の、一応両方共検討するっていうような整理にしようというふうに私が決め」ることもできない。

 姉崎猛が決して中立ではない、元首相秘書官中江元哉側に立っていた証拠を発言から取り上げてみる。首相秘書官側に立っていたということは、首相側に立っていたことを意味する。いわば中江元哉は安倍晋三の指示で動いていたことになる。

 このことの証拠を姉崎猛の発言を例に挙げてみる。

 小川淳也が「何がキッカケで9月の11日、または14日の朝に、誰に対して撤案(取り下げ)の書き換えを指示したのですか」と尋ねると、「日本年金機構不正アクセスによる情報流出問題がありまして」とか「私は厚生労働省の情報不正アクセスシステムネットワークの責任者だった」とか、「第5回目の委員会のときの凄い統計の専門家である豊田(裕貴?秀樹?)先生がやっぱりそういう正確なデーターを取るには部分入れ替えの方式の方がいいようであるっていうことを仰っていた」とか、言葉を重ねるが、結局のところ、「書き換えを指示したのは誰なのか」は言わずじまいとなっていること、声が小さくなったり、早口になったりして、聞き取れない言葉になったりする箇所が多いこと、ざっと数えて1000文字以上の言葉を使って説明しているのは、事実でないことは事実とすることができないにも関わらず、事実とするには言葉に頼らざるを得ず、無理に例を上げたりしてついつい費やしてしまうことからの言葉の必要以上の多さであり、ウソをついているときに陥ってしまいがち症状であって、姉崎猛もこの例に洩れなかった。

 安倍晋三指示のアベノミクスを良くするための統計不正操作以外の何ものでもない。ウソつきが陥るときの症状を曝け出したウソ答弁が余りにも多過ぎる。

コメント
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安倍晋三の統計不正関与クロの証明:2019年2月20日衆院予算委安倍晋三・根本匠・中江元哉3者の対長妻昭国会ウソ答弁

2019-02-22 13:09:14 | 政治


 安倍晋三: 2019年2月12日衆院予算委対岡田克也

 安倍晋三の質問者の質問に答えずに、ヤジに長々と答弁した前代未聞の

 世界に例を見ない滑稽な醜態 

 先進国最悪の借金捻出の主役が自民党政権であることの

 図星を衝かれて、表面冷静、内心慌てたか



 2019年2月20日衆院予算委員会 長妻昭(立憲民主党・無所属フォーラム)質問
 
 長妻昭「立憲民主党の長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。この、毎勤統計の問題でですね。今本当にあの国家の基本ですんで、統計の正確性っていうのは。まだ解明が十分になされていないんで、総理もですね、解明の陣頭指揮を執る、こういう姿勢を取って頂きたい。あの、非常に不十分だと思ってます。

 何か変なメールが出てまいりました。厚労省がですね、阿部座長に送ったメールということで、事前にメール、実態を明らかにして欲しいと厚労省に申し入れておりますがね。根本大臣、どんなメールでございますか」

 根本匠「厚生労働省から阿部座長に送ったメールで、厚生労働省から阿部座長に送ったメールだと思います」

 長妻昭が自席から、「中身は?中身は?」

 根本匠「一旦戻ります」(大臣席に戻る)

 長妻昭「総理、『一旦戻れ』っていう指示、おかしいですよ。『メールは何ですか』って聞いて、『メールありました』って答えて、それを『戻れ』って、何ですか、総理。総理、何か、指揮権発動して、質問するな指揮権ですか。答弁するな指揮権ですか。だから、メールの中身、聞いてるんですよ。どういう中身ですか。事実ですか」

 委員長野田聖子「総理、あの、以後謹んでください。根本厚生労働大臣」

 根本匠「中身のメールは確認しておりません。確認できておりません」

 長妻昭「そのメールの存在は確認できたけど、中身は確認できてないっていうのはちょっと容認できないで、一回止めてください。これ論理矛盾です」(審議中断)

 委員長野田聖子「根本厚生労働大臣」

 根本匠「現在、厚生労働省の担当の方に確認しているところであります」

 他の委員から委員長のところへクレームがあり、少しの間中断・

 委員長野田聖子「根本厚生労働大臣」

 根本匠「あのー、阿部座長にそういうメールが、阿部座長に届けられた、これは、あの、聞いております。そしてご質問の通告があったので、阿部検討会座長に事務方からご発言の内容について確認を致します。

 ですから、メールは阿部座長のところにメールは確かに送られた。阿部座長はそれを見とるわけですから、ですから、阿部座長に、阿部座長に厚生労働省から発言の内容について確認を致しました。(長妻が何か抗議する)で、ね。で、ね。分かりました、分かりました。平成27年9月14日に事務局である厚生労働省の担当者から、関係者から、部分、関係者から、委員以外の関係者から、部分入れ替え方式を検討すべきではないかとの意見があったと連絡を受け、受け、受け、連絡を、連絡を、阿部座長に連絡を致しました」

 長妻昭「総理、答弁しない指揮権、発動しないでください。これ、さっきは言わなければ、時間、ムダにならなかったんですよ。答弁、したじゃないですか。これ、総理、ちょっとやめてくださいよ。

 それで、今仰って頂いたのは平成27年9月14日にですね、厚生労働省から、事務局からですね、毎勤改善検討会の座長である阿部座長にですね、委員以外の関係者から『部分入れ替え方式を検討すべきではないか』との意見があったっていう、そういうメールが送られたと。

 委員以外の関係者って、誰ですか」

 根本匠「阿部座長によれば、関係者は誰であるか、緊急的(?)具体的名前は、(手を上げて長妻を制止する)先ず順を追って、私申し上げます。聞いていないとのことでした。そして阿部座長については、阿部座長の認識は具体の経緯(具体的な経緯?)は承知していないが、最終的に選択肢を広げようと厚生労働省が判断したこと自体、一定妥当性があると受け止めたとのことでしたが、これについて当時の担当部長に事務方から確認をしたところ、次のような回答を得ました。

 メール等を確認できたわけではないので、詳細は不明ですが、中江総理秘書官のことだと思われるという、担当部長からそういう話を聞いております」

 長妻昭「メール、出してください、現物をですね。個人情報は黒塗りで結構です」

 根本匠「現時点では確認できておりませんが、その、存否も含めて確認させたいと思います」

 長妻昭「それでですね、中江さんには今来て頂いてるんで、確認しますけれども、これ、あのー、ちょっとテレビ見てる方は経緯はご存じないと思いますが、9番(パネル)を出していただければと思うんですが、私は、ずっと、これ不可解だったんですよ。平成27年のですね、3月に中江首相秘書官が厚労省の姉崎部長を首相官邸に呼んで、そして毎勤統計、何とかしろと、そういう問題意識を伝えたと。

 それを受けてこの毎勤統計調査の改善に関する検討会が立ち上がって、最終がこの6回目なんですが、この5回目にですね、阿部座長は、皆さん、これ、私、全部議事録に目を通しています。資料も読みました。物凄く専門的なバックデータがあって、緻密に積み上がってます。相当レベルの高い議論であります。それで5回目にですが、阿部座長が、『ありがとうございます。他には宜しいですか。では、検討会の方向性としては総入れ替え方式で行うことが適当であるということにさせて頂ければと思います』。『異議なし』っていうことで、これで纏まったんですね。
 
 で、この後、9月16日の第6回に全く結論が違う形になってしまったんです、これ。で、この間、何があるのかっていうのがいつも疑問だったんですが、この平成27年9月16日の2日前に今申し上げたメールがですね、中江首相秘書官ということでありましたけれども、まあ、総入れ替え方式じゃなくて、部分入れ替え方式を検討すべきじゃないのと、こういうメールが念を押して、この阿部座長に入った。

 阿部座長は報道にこういうふうに仰っておられます。昨日の報道ですが、『一旦総入れ替え方式でいいですよねと言っていたのに、それを大きく変えるというのは通常ないです』。通常ないことが6回目のですね、平成27年9月16日に起こった訳で、このときはなぜか、ここにありますが(パネルを指さして)、『阿部座長に於かれましては急遽体調不良によりご欠席』

 でも、普通は座長が欠席したらですよ、その座長が纏めているんだから、延期しますよ、別に。ところがですね、ここで開いて、しかもですね、座長代理がいるんですよ。土屋さん、座長代理。普通座長代理に差配させますよね。『これでいいですか』とか。座長代理が出席してるのに座長代理を無視して、この手計(てばか)雇用・賃金福祉統計課長補佐がですね、ご役人の方が仕切ってですね、こう言うんですね。

 『サンプルの入れ替え方法についてもう少し議論した方がいいのではないかといったご意見もあった』。これ中江さんの意見じゃないですか。意見があった。まあ、他の方の意見も確かにありました。これは議事録を見ました。但し大勢は違うということで、こういう結論が5回目にあったわけでありますが、サンプル入れ替え方法について引き続き検討することとすると言うことで修正させていただく。5回目に座長の結論出たのに、課長補佐が変えた。しかも同じ回でですね、念を押して、検討に(検討することとすると?)修正したにも関わらず、最後姉崎統計部長がですね、(パネルの)下にあります。

 この方が平成27年の3月31日にですね、中江秘書官に呼ばれて首相官邸に行って、問題意識を伝えられて、そら驚きますよ、そら。その部長でございますけれども、同じ回でサンプル入れ替えのところで総入れ替え方式ではなく、なくって、だって、検討するって(検討することとすると?)言ってるのに、なく、部分入れ替え方式を検討したいと、こういうふうに念押しをしてですね、で、終わっちゃったと。

 本当は7回も、8回もありますと、ここにありますね。『皆様には来年の3月までにお願いしておりますので、然るべきときに検討会を開催させて頂きます』

 阿部座長によるとですね、『6回目終わって、次やるかなと思ってたけども、一切、何の連絡もなかった』、その後。怒ってますよ、委員の方。議事録もない。この前出ましたね、やっと。こういうような状況でありまして、これ中江首相秘書官、どんな話をされたんですか」

 中江元哉「お答え致します。あの、どんなお話と言うのは、あの、すいません、ちょっと話の筋が分かりにくく、私にちょっと理解できなかったもんで、ちょっと――」

 無言のまま頭を二回下げて引き下がろうとして、質問席の方に振り返ってから、引き下がる。

 委員長野田聖子「じゃあ、長妻さん、もう一度質問してあげてください」

 長妻昭「(声を強めて)どんな話をしたんですか」

 (中江首相秘書官、右耳に手を当ててから、立ち上がる気配を見せたが、立ち上がらず、困惑して誰かに助けを求めるふうに近くを見回す。長妻が自席に座ったまま、「今、メールの話をしているんですよ」とテーブルを拳で一つ叩く。やっと立ち上がって答弁席に来る。)

 中江元哉「メールの関連で姉崎当時の部長に、が、そういうことを言ってるということですから、それの関連でどういうことを話をしたかというご質問だと思いますが、あの、このメールは私のメールでは勿論ありませんので、そこはちょっと、あの、誤解のないようによろしくお願いいたします。

 それで、あのー、えー、その、今の厚労大臣のご答弁にもありましたが、これは中江首相秘書官とかのことだろうということで、姉崎さんが部下の方にメールを送らせたと、(ちょっと首をひねってから)そういうことだと思いますが、(小さく咳をしてから)今朝方、ちょっとすいません、今朝方、厚労省から、今朝方です。官邸経由で姉崎元部長と宮野元総括審議官が2015年9月14日に同年6月のボーナスの状況等について説明を行なった際に毎勤統計に関する検討会の状況についても触れたと言っている旨の連絡が私にございました。

 それで正直2015年9月14日に厚生労働省から説明を受けた記憶は私には全くございません。その上で申し上げますと、繰り返しになりますけれども、2015年9月14日に厚労省
が説明に来た記憶は、全くありません。ただ、『当初からの私の問題意識からすればですね、専門家の議論に委ねるけれども、敢えて申し上げれば、まあコストの問題もあるでしょうけれども、仮にローテーションサンプリングの方が経済の実態をよりタイムリーに表すことができるのであれば、そうした考え方について専門的な検討を進めてもらったらよいのではないか』ということを、いったことを申し上げたかもしれませんが、私、実は本当に全くの9月14日、厚労省が説明に来たという記憶がございませんので、今でも、そうかな、申し上げたかもしれないということでございます」

 長妻昭「(自民党席に振り向いて)石崎さん、・・・言わないでください。後ろからちょっとやめてください。妨害ですから。(テーブルを一つ叩いて)自民党もホントー、事実を明らかにするように聞いてくださいよ。(再びテーブルを叩いて、)何でいつも私の質問を妨害するんだ。ちょっとやめてください。ちょっと黙ってください。(前を向いて)後ろから言われると、相当質問できないんですよ。(再び自民党席を振り向いて)ちょっとやめてくださいよ、石崎さん。ちょっとやめてくださいよ。

 (前を向いて)ちょっとですね、何でこんなに私の質問で後ろからガンガン言われなければいけないんですか。実態を解明するんでしょ、与野党共に。いいじゃないですか。(後ろに手をやって)ちょっと静かにしてくれるといいんですが、それでですね、えー、今の話だと、平成27年の9月16日に宮野審議官と姉崎部長がですね、いらっしゃったと、中江首相秘書官の元に。首相官邸の秘書官室にですね。

 これ、虚偽答弁じゃないですか。おとついの月曜日、私聞きましたよ。『平成27年3月31日以外で接触したり電話したことありますか、毎勤統計の件で』と言ったら、『一切ない』と。但し、『この中間的整理が出る毎勤統計の改善検討会の開始は聞いた記憶がある』と、ここは仰いました、確かに。それだけなんですよ。ちょっと、全部洗いざらいですね、毎勤関係のどういう連絡、電話も含めて、どのくらい、何回ぐらいあったのか、ちょっと思い出して、今記憶の限りご答弁いただけませんか」

 中江元哉「お答え申し上げます。あのー、おととい長妻委員のご質問に対しまして毎勤、あの、検討会については、検討会を始めるという報告を受けましたと、いうことで申し上げました。それで、そのときにその検討会でどういう議論が行われたとか、その検討結果について報告を受けた記憶はございませんという答弁は致しました。

 また、それから毎勤統計につきまして、これ、毎月厚労省から出向してる内閣参事官から毎月通知は聞いておりますが、それ以外について厚労省と遣り取りしたことはございません、ということを申し上げました。それで、今、あの先程、私が申し上げました、あの9月16だって、14だと思いますが、2015年の9月14(ママ)ことについて厚労省の方が私のところに説明に来たということですが、すみません、それ、私、今日聞きましたけども、今日も、記憶はありません。

 従いましておとといご答弁申し上げたときも、おー、きょ、虚偽と言うか、私の記憶の、ありのままをそのままご答弁申し上げたと。今日もありのままを申し上げております。えー、それ以上、おー、えー、ほかにご説明を受けたという記憶は本当にございません」

 長妻昭「そしたらですね、ここにあの(パネルを指し)、平成27年の、だから総理、『悪いことした』?悪いことしてるとは私、一言も言ってませんよ。『悪いことしてんの』って、私は一言も言ってませんよ(安倍晋三が「悪いことをしてんの」とでもヤジを飛ばしたのか)。

 だから、正直に答えて頂ければ、審議しているんですから。それをただ聞いているんですから。総理も、ちょっと。総理もずっとヤジを飛ばしておりますけれども、そこで(総理席で)ずうっとヤジが、これ混乱するんですよ、こっちも。真剣に質問してるんですから、総理、ちょっと黙ってください。ちょっとまた質問しますから、ちょっと一旦黙ってください。一旦。

 (パネルを指し)で、阿部座長がですね、平成27年の8月7日に『総入れ替え方式で行うことが適当であるということにさせていただければ』、こういう一つの纏めをした後にお会いしてるんですが、この中間的取り纏め、毎勤改善検討会の話も出たわけですか」

 中江元哉「お答え申し上げます。あのー、先方の厚労省の方がどういうふうなご説明をされてるか、私はちょっと存じ上げませんが、今朝方、厚労省から姉崎元部長と宮野元総括審議官が2015年9月14日に同年6月のボーナスの状況等について説明を行った際に毎勤統計に関する検討会の状況についても触れたと仰ってるという旨の連絡がございました」

 長妻昭「これ、そうすると、(パネルを指し)ここで急に結論が変わってるんですね。第6回。で、そのですね、9月14日に、月曜日は全く仰っんなかったことがここで明らかになって、で、月曜日の答弁も、事前に言ってますから、相当調べて答弁されたんだと思いますけれども、なぜ漏れてるのかっていうことが、ちょっと考えられないんですが、
これ、あのー、この阿部座長がですね、総入れ替え方式で行うことが適当であると、ま、こういう5回目、結論が出て、で、その間実はですね、9月3日に安倍総理にですね、中江首相秘書官が毎勤統計のですね、これ質問レク(チャー)ですね、私、確認しましたら、参議院でですね、質問を受けて、これ、議事録を読みました。確かに総理答弁されています、毎勤の。

 多分、朝ですね、質問レクを受けてるんですよ。と思います。で、総理にお伺いするんですが、あの、これについてもですね、月曜日も総理、答弁されてます。どういう質問レクだったか。ただ、そのとき若干気になりましたのは、調査対象事業所の入れ替えの影響があった旨の説明を受けたと総理は。これは誰から、当時、厚労相も同席していたんです。誰が、何人ぐらい同席していたんですか」

 安倍晋三「正直言って、全く覚えていないんですが、普通、普通ですね、総理・・・、これ、これ、答弁、どこだっけ。(原稿を見ながら)これ予算委員会です。いやいや、27年9月3日って。予算委員会?参議院の?イヤイヤ。あー、本会議? 本会議かな?(後ろを振り返って)本会議?(「厚生労働委員会」の声)ああ、厚労委員会?あー、厚労委員会。

 あの、普通総理レク、例えば予算員会の場合は、えー、この秘書官とですね、あと各省から来ている参事官が同席を致します。で、厚労省、厚労省、厚労省の人がね、厚労省から来るっていうことはないですね。官邸の、に厚労省に(から?)来ている人は入りますけれども、私のレク、については、あー、そうだったのかなあと、えーこう思っています。

 いずれに致しましても、そのとき、質問に対して答えるときにですね、この、あの、いくつか質問がありますから、その中の一つだったんだろうと、おー、思います」

 長妻昭「総理はですね、対象事業所の入れ替えの影響があった旨の説明を受けて、何だ、感想と言うか、何かご発言はされた記憶はありますですか」

 安倍晋三「あの、答弁に答えるときにはですね、確かにどういう答弁をするかということだけを説明を受けますから、そこで政策的な遣り取りをするという、普通、余裕ないんですよ。その、あの、何問も言ってますし、何問の中には、いわば30分だと8問ぐらいなんですが、大体20問ぐらい、皆さん言っておられますから、8問、答えるのは8問のようでも、20問分のレクを受けますから、そこでいちいち遣り取りをすると、い、い、い、忙しいですから、それはないんですね。

 あの、あと、この年っていうのは、平和安全法制の年で、まだ、その最中ですから、千問ぐらい、そっちで質問すんで(ふっと苦笑しながら)、そっちで頭が一杯なんで、だったんだろうと思います」(ウソをついている)

 長妻昭「ただ、総理ですね、先日、こんなことを仰ってるんですね。『相当詳しくですね、3年に一度変えると、大きなブレが出てくるということと、今まで3年間、毎月、毎月出していた統計を全部変えるんですよ。毎月統計を示したことに対して分析していく意味が一挙になくなってしまう』とね。遡って変えると。で、その遡りの影響があった
9月3日に(総理レクを)受けたわけですが、総理は、じゃあ、どんな具体的な説明を受けたんですか。賃金が下がると遡って、そんなような話だったんですか」

 安倍晋三「正直に申し上げると、そこに書いてあることをささっと読んでですね、えー、この、あの、答弁について、『ああ、そうですか』で、大体終わるんですよ、普通。あの。30秒ぐらいしか(答弁の)時間がないですから。この前詳しくお答えさせて頂いたのは、いわば長妻先生のようにですね、非常に詳しい方に答弁しなければいけませんから、しっかり勉強してこいと言われましたので、で、勉強した結果ですね、これはいわば、むしろ総入れ替えよりもローテーションでやった方がですね、段差が小さくなるんだなと、毎年、毎年、溜まらないですから、段差が。

 そうして別にそれで大きく見せるわけじゃなくて、段差がこうこうなっていく(手で上がっては下がる繰り返しの様子を見せる)、あー、それは尤もだなということでお話をさせていただいた。素人的にも尤もだなあと感じた、ということ、まあ、コストの方は分かりませんよ。議論があったということでありますが、これは専門家の話なんだろうと思います」

 長妻昭「そうしましたらですね。これあの、ちょっとメールの問題とか。あの事実関係とか。あの記憶が若干曖昧なんで、中江首相秘書官がですね、これまで時系列的に厚生労働省毎勤関係で首相官邸サイド、どういうような接触をして、発言をして、遣り取りがあったのか、それについて理事会でも、資料要求、そして、資料作成、メールの実物の提出、お願いします」

 委員長野田聖子「後刻理事会で協議を致します」

 安倍晋三と根本匠、中江元哉、3人が3人共にウソをついているということがお分かりだと思う。先ず最初に厚労大臣根本匠。

 長妻昭が「変なメールが出てきた、どんなメールか」と問い、根本匠が厚労省発信のメールだと答えたのに対して長妻昭が中身を聞くと、根本匠は「一旦戻ります」と言って、自席に戻る。直後に分かるが、安倍晋三が席に座ったまま、根本匠に「一旦戻れ」と声をかけた。答弁中の大臣に総理大臣が「一旦戻れ」と声をかけるのも異常なら、根本匠が声をかけた安倍晋三に怪訝な面持ちで振り返ることもなく、「一旦戻ります」と言って、くるりと背中を見せて自席に戻るのも異常である。

 普通は答弁の最中に「一旦戻れ」と言われたなら、相手が首相であっても、何事だろうと声をかけた首相の方に怪訝な面持ちを向けるものだが、そういった素振りさえモ見せなかった。そうすることができるのは前以って「言質を取られないように」とか、「足を掬われないように」などと地位の上の者から地位の下の者に何らかの指示があって、両者がそれを暗黙の了解としているときぐらいであろう。

 安倍晋三としては「下手なことは喋るな」と言いたいところを、そのとおりに声をかけることができないから、異常ではあるが、「一旦戻れ」と声をかけることで、「下手なことは喋るな」のサインに替えた可能性がある。そうでなければ、この異常な声掛けは理解できない。

 根本匠は長妻昭から「ご質問の通告があった」と言っている。当然、厚労省の事務方が根本匠用の国会答弁書を作成している。根本匠が原稿を読みながら答弁をしているのはこのためだろう。根本匠は東京大学経済学部を卒業し、1974年に建設省に入っている。頭脳明晰であるはずである上に国会答弁時に原稿を与えられていたなら、論理明快にスムーズに答弁できるはずである。だが、つっかえたり、同じ言葉を繰り返したり、言い淀んだりだりして、論理的組み立てなどどこにも感じることができない、情報を小出しにする答弁となっている。

 役人が作成した国会答弁書自体が論理的組み立てを無視した内容となっているはずはなく、根本匠が読み上げる段階でそれを無視する必要性に迫られた結果の情報の小出しと見なければ、整合性が取れない。つまり安倍晋三指示の統計不正・統計操作だとバレないように言葉を選ばなければならなかったから、言い換えると、原稿どおりには喋ることができなかったことからの原稿を見ながらの情報の小出しとなったはずだ。

 長妻昭は首相秘書官の中江元哉に対して「どんな話をしたのか」尋ねているが、2015年3月31日の首相官邸で厚労省の姉崎元部長と宮野元総括審議官との間でどんな話をしたのか尋ねているのか、「毎月勤労統計調査の改善に関する検討会」の第6回2015年9月16日会合の2日前の阿部座長にメールが入った2015年9月14日のことを聞いているのか、すぐには判断がつかない。このために中江元哉は「話の筋が分かりにくくて、ちょっと理解できない」と答えたのだろう。

 根本匠はメールに関して次のように述べている。「厚生労働省から阿部座長に送ったメール」であること、「中身は確認していない」こと、中身は「現在、厚生労働省の担当方面に確認中である」こと、「阿部座長に厚生労働省から発言の内容について確認をした」と言っていること、メールに書いてあることの提案の主は「中江総理秘書官のことだと思われる」ということである。

 これに対して首相秘書官の中江元哉は長妻昭に質問されたことは「今の厚労大臣のご答弁にもありましたが、これは中江首相秘書官とかのことだろうということで、姉崎さんが部下の方にメールを送らせたと、(ちょっと首をひねってから)そういうことだと思いますが」と言って、2015年9月14日の日のことを持ち出し、「厚生労働省から説明を受けた記憶は私には全くございません」と、その日の接触自体を否定している。

 中江元哉は「メールの関連で姉崎当時の部長に、が、そういうことを言ってるということですから」と発言していることは、別の国会質疑で告げられた情報かもしれないが、但し根本匠は「厚生労働省から阿部座長に送ったメール」とは言っているが、「姉崎さんが部下の方にメールを送らせた」などと送信者を特定した言い方はしていない。にも関わらず、特定しているのは自身が既知の事実としている情報だからだろう。だから、「姉崎さんが部下の方にメールを送らせたと」言ってから、まずいことを口にしたかなといった様子で首をひねることになった。

 それが誰に明らかにしてもいい、後ろ暗さのない既知の事実であるなら、首をひねることはない。明らかにしてしまったなら、根本匠の答弁と整合性が取れないことに気づいたからこそ、思わず首をひねることになったはずだ。

 ウソの極めつけは何と言っても安倍晋三、その人である。「国会開催中は総理レクは数限りなくゴマンと受けるし、答弁は国会会議録として残るから、一つ一つ覚えてはいない」だけで済むはずだが、余分なことを延々と口にしていること自体がウソの証明としかならない。そのウソをとくとご覧できるように安倍答弁を全文改めて提示することにする。 

 安倍晋三「正直言って、全く覚えていないんですが、普通、普通ですね、総理・・・、これ、これ、答弁、どこだっけ。(原稿を見ながら)これ予算委員会です。いやいや、27年9月3日って。予算委員会?参議院の?イヤイヤ。あー、本会議? 本会議かな?(後ろを振り返って)本会議?(「厚生労働委員会」の声)ああ、厚労委員会?あー、厚労委員会。

 あの、普通総理レク、例えば予算員会の場合は、えー、この秘書官とですね、あと各省から来ている参事官が同席を致します。で、厚労省、厚労省、厚労省の人がね、厚労省から来るっていうことはないですね。官邸の、に厚労省に(から?)来ている人は入りますけれども、私のレク、については、あー、そうだったのかなあと、えーこう思っています。

 いずれに致しましても、そのとき、質問に対して答えるときにですね、この、あの、いくつか質問がありますから、その中の一つだったんだろうと、おー、思います」

 長妻昭「総理はですね、対象事業所の入れ替えの影響があった旨の説明を受けて、何だ、感想と言うか、何かご発言はされた記憶はありますですか」

 安倍晋三「あの、答弁に答えるときにはですね、確かにどういう答弁をするかということだけを説明を受けますから、そこで政策的な遣り取りをするという、普通、余裕ないんですよ。その、あの、何問も言ってますし、何問の中には、いわば30分だと8問ぐらいなんですが、大体20問ぐらい、皆さん言っておられますから、8問、答えるのは8問のようでも、20問分のレクを受けますから、そこでいちいち遣り取りをすると、い、い、い、忙しいですから、それはないんですね。

 あの、あと、この年っていうのは、平和安全法制の年で、まだ、その最中ですから、千問ぐらい、そっちで質問すんで(ふっと苦笑しながら)、そっちで頭が一杯なんで、だったんだろうと思います」

 長妻昭「ただ、総理ですね、先日、こんなことを仰ってるんですね。『相当詳しくですね、3年に一度変えると、大きなブレが出てくるということと、今まで3年間、毎月、毎月出していた統計を全部変えるんですよ。毎月統計を示したことに対して分析していく意味が一挙になくなってしまう』とね。遡って変えると。で、その遡りの影響があった
9月3日に(総理レクを)受けたわけですが、総理は、じゃあ、どんな具体的な説明を受けたんですか。賃金が下がると遡って、そんなような話だったんですか」

 安倍晋三「正直に申し上げると、そこに書いてあることをささっと読んでですね、えー、この、あの、答弁について、『ああ、そうですか』で、大体終わるんですよ、普通。あの。30秒ぐらいしか(答弁の)時間がないですから。この前詳しくお答えさせて頂いたのは、いわば長妻先生のようにですね、非常に詳しい方に答弁しなければいけませんから、しっかり勉強してこいと言われましたので、で、勉強した結果ですね、これはいわば、むしろ総入れ替えよりもローテーションでやった方がですね、段差が小さくなるんだなと、毎年、毎年、溜まらないですから、段差が。

 そうして別にそれで大きく見せるわけじゃなくて、段差がこうこうなっていく(手で上がっては下がる繰り返しの様子を見せる)、あー、それは尤もだなということでお話をさせていただいた。素人的にも尤もだなあと感じた、ということ、まあ、コストの方は分かりませんよ。議論があったということでありますが、これは専門家の話なんだろうと思います」(以上)

 長妻昭は安倍晋三に対して月曜日の国会答弁用に受けた総理レクの内容を聞いた。先ず、「政策的な遣り取りをするという、普通、余裕ないんですよ」と答弁している。質問通告がある政策に対して国会答弁を原稿で用意するのは、政策の細かいところにまで精通しているわけではないからだろう。間違えられては困る、あるいは間違えたら恥をかくことになるキモのところの大体の説明まで受けることはないというのは俄には信じることができない。

 「大体20問ぐらい、皆さん言っておられますから、8問、答えるのは8問のようでも、20問分のレクを受けますから、そこでいちいち遣り取りをすると、い、い、い、忙しいですから、それはないんですね」

 このことがウソ偽りのない真正な事実なら、「い、い、い、忙しいですから」と、滑らかに言葉が出てこなくて、つっかえることになり、同じ言葉を何度も繰り返したりすることもないだろう。事実ではないことを矢継ぎ早にこれでもかと言葉を費やして事実と見せかけようとすると、事実に則らない言葉だから、矢継ぎ早の速度に追いつかないことになってスムーズに言葉が口を突いて出てこないことになる。

 つまりウソつきの症状を見せることになった。

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安倍晋三の統計不正関与の証明:首相秘書官は内閣の政策上の利害代弁者であり、首相の指示で動き、個人プレーは許されていない

2019-02-19 11:39:34 | 政治


 安倍晋三: 2019年2月12日衆院予算委対岡田克也

 安倍晋三の質問者の質問に答えずに、ヤジに長々と答弁した前代未聞の

 世界に例を見ない滑稽な醜態 

 先進国最悪の借金捻出の主役が自民党政権であることの

 図星を衝かれて、表面冷静、内心慌てたか


 2019年2月18日に厚労省の「毎日勤労統計」不正が安倍晋三の意志のもと行なわれたのかどうか、その政治関与を追及する集中審議が衆院予算委員会で行なわれた。ところがである、野党側の何も変わらない質問の繰り返しで、それに対してここのところ解明のカギを握る人物として浮上した統計不正当時の首相秘書官中江元哉は打ち返しやすい球を打ち返し合うテニスか卓球のラリーもどきの答弁で追及を打ち返して、埒が明かず、瀕死の安倍晋三に新型の治療装置をもう一個装着させてやって延命に手を貸すといった例の如くの結果のみに終わった。
 
 国会追及の経緯を簡単に纏めると、継のようになる。このカギ人物の前首相秘書官中江元哉が2015年の3月31日に官邸に訪ねてきた厚労省出身の内閣参事官から「毎月勤労統計」データ作成のサンプル企業を従来どおりの方式で全数入れ替えする場合、統計値が下がるということを聞き、同席していたのだろう、厚労省職員に経済の実態を適切にタイムリーに表すために改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えた。その直後に厚労省は「毎月勤労統計の改善に関する検討会」の設置を決定、サンプル企業全数入れ替え方式から部分入れ替え方式に転換、アベノミクス核種経済統計が上振れを開始することになったが、この方式転換は秘密裏にされていたが、昨年の夏頃から統計値に対する疑念が浮上、国会での追及が始まった。

 先ず2019年2月15日の衆院予算委で国民民主党・無所属クラブの奥野総一郎が追及した安倍晋三の前首相秘書官中江元哉がサンプル企業全数入れ替え方式から部分入れ替え方式に転換する発端の経緯を答弁している箇所を取り上げてみる。

 因みに奥野総一郎は東京大学法学部卒業し、その後郵政省(現総務省)に入省している。年齢は54歳。

 2019年2月15日 衆議院予算委員会

 奥野総一郎「中江(元哉)(財務省)関税局長に前首相秘書官の立場でお越し頂いております。伺いたいと思いますが、昨日も質疑がありました。3月にですね、中江秘書官のところに厚労省から説明があったと。宮野総括審議官と姉崎統計部長から説明があったということでありますが、具体的にはいつ、そしてどういうキッカケで、どういうだ說明があったのか、改めて伺いたいと思います」

 中江元哉「お答え申し上げます。2015年1月の毎月勤労統計の確報についてでございます。これは公表される前に当時官邸に来ておられた厚労省出身の参事官、内閣参事官から30人以上499人以下の調査対象事業所が入れ替わることから、新しい事業所と前の事業所、旧の事業所、そのギャップを調整するために過去3年間、具体的には2014、2013、2012だったと思いますが、そのデータが遡及的に改定されると。

 その結果、対前年比の符号がプラスからマイナスに変わる月が多く出るというようなお話を伺ったと、こういうことがございます。それでサンプルが入れ替わるという統計手法上の
理由によりまして賃金に関する既にそれまでに公表されていた数値が過去3年間に亘りまして大幅に修正されるということは分かりにくいことから、その内閣参事官と相談の上、厚労省から説明を受けたことでございます。

 具体的な日付は2015年の3月31日だったと思います。それで具体的な遣り取りについては、説明のときは4年前のことでありますので、詳しくは覚えておりませんが、その際、私からは厚労省の方々に賃金統計に関する基礎統計についてこれまで公表していた数値が過去に遡って大幅に変える理由等を尋ねたところ、全数入れ替え、サンプルを全部入れ替えるという方法を取っているためであるという回答でありました。

 そこで私の方から過去に遡って大幅に公表された数値が変わるようでは経済の実態がタイムリーに表せられないのではないかという観点から、どうしてそのような、サンプルを、全数入れ替えする、そういう方法を採用しているのかということを聞きました。また、ほかの統計に於いても同様に全数入れ替えという方法が取られているのかということを聞いた記憶がございます。

 また、他の統計は諸外国の事例などを見つつ、専門家の意見を聞くなど、経済の実態を適切に、先程申し上げましたようにタイムリーに表すために改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えた記憶がございます。

 私と致しましては当然の反応をしたつもりであります。現にそのときの統計結果に対しましては有識者の方々から様々な指摘がなされたと承知しております。これらはやるときはすべて政策的な観点からのものであると考えております」

 奥野総一郎「4月3日は確報値の公表なんですね。3月31日に報告を受けたとありますが、もう一つ具体的な数値の說明があったのかということが一点。それから総理の答弁、今の話は、遡って変動がある、特に下がってしまうというのは分かりにくいという話なんですが、問題意識の中身として実態を適切に表すための改善ということなんですが、実態を適切に表してないと、要するに実態より賃金が、名目、あるいは、または実質賃金が低く現れているという、そういう認識も述べられたんでしょう。この問題意識ということについて」

 中江元哉「お答え申し上げます。先ずどういう資料で說明、数値を説明を受けたかということでございますが、詳しく覚えておりませんが、毎月勤労統計でございますが、それにつきましては毎月公表されておりますので、その毎月公表されている係数表で説明を受けたというふうに思います。

 もう一点の後者の方のご質問ですが、私は統計は実態を表す重要な数値と認識しておりまして、経済分析を行うに当たりまして実態をタイムリーに表す点が重要であると考えております。然るに思い出してみると、2015年当時の毎月勤労統計ではサンプルが全数入れ替わる。そのことによって3年前の統計が遡って大幅に変わることになるということを聞きました。

 私はこのことに対しまして実態をタイムリーに表すという観点から、専門家の意見を聞くなど改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えたものでありまして、数値をどうこうすべきとか、統計の手法上、政府に都合のいいデータが出るように不適切な方法を取らせるといった意図に基づくものでは全くございません」

 奥野総一郎「もう一度か確認しますが、具体的な数値は見なかったということでよろしいでしょうか。過去の系列を見ながら、そこから下がるんだと言って、具体的な数値は見なかったということで宜しいのか。

 それから今のお話ですけど、実態をタイムリーに表していない、後日変動があっちゃあいかんという意味と、今のデータが正しくないんじゃないかというふうに言っておられますが、そうではないということをもう一回確認したいと思います」

 中江元哉「お答え致します。先ず後者の方の質問ですが、今のデーターが正しくないと、言うつもりは全くございません。それから、そのときの資料ですが、ちょっと詳細には覚えておりません。毎月公表されている数値で、今度の月はこういう数字になると、ただ3年に1回というサンプルを入れ替えるので、これまで出されていた数値が変わりますということで、その数値を前の数値だけだったか、新しい数値だったかっていう、ちょっと、すみません、そこは口頭でのご說明だったか、資料だったのかはちょっと記憶にございません」

 奥野総一郎「昨日でしたかね、答弁の中で大きく変わるから報告を受けたのだと、確か官房長官だったか、答弁があったと思うんですね。それで問題意識を持たれたんだということ。もう1回聞かれて認識を持たれたのかということ。

 そしてその上でですね、総理に報告をしたかということ。これ4月3日になると、(「毎月勤労統計」が公表されて)オープンになるわけですね。オープンになると、実はマイナスだったと。例年の実数が、マイナス幅が広がったと。こういうことはオープンになるわけですけど、重大なことじゃないですか。

 総理に報告をいつされたかということをお伺いたいと思います」
 
 中江元哉「お答え申し上げます。先ず1点目のご質問の数値が大きく変わるということは3月31日には分かったのかということですが、先程ご答弁申し上げましたように当時の内閣参事官から過去3年間のデータの遡及的に改定されるようですと。その結果、改善前の数値がプラスからマイナスに変わる月が多く出るようですと、いうお話をそのとき聞いて、それで普段は毎月勤労統計については内閣参事官からの報告だけでありましたが、3年に1回サンプル替えして、過去のデータも遡及的に改定するということで、なおかつ大幅修正ということで、分かりにくいから、厚労省の方から直接説明を受けたということでございます。

 それから2点目の総理には報告をしたのかということにつきましては、この厚労省との、そもそも毎月勤労統計は、まあ、1回か2回出てくるわけですが、これは総理にはいちいち結果の報告はしておりませんでした。

 また、厚労省との遣り取りについてはサンプル替えの影響という統計の技術的なことでもある(し)、総理にはご報告はしておりません、当時。それで毎勤統計については国会では何度か聞かれたこともありまして、その年の9月に賃金について国会でご質問がございまして、2015年のサンプル替えの影響があったと、毎勤統計については総理答弁として準備をしておりましたので、その勉強会の際にご説明をしたということでございます」

 焦点になっているのは統計不正は安倍晋三の意向を受けたアベノミクス統計の見栄えを良くするための、いわば安倍晋三関与の偽装だったのか、その発端が前首相秘書官中江元哉の「統計の実態をタイムリーに表すべき」とする問題意識の厚労省への提言だったのか、そうではないのかである。

 当然、奥野総一郎はこの点に絞って追及すべきだった。であるのに、「問題意識の中身として実態を適切に表すための改善ということなんですが」などと、聞いても意味はない「問題意識の中身」などを尋ねている。

 中江元哉は「経済分析を行うに当たりまして実態をタイムリーに表す点が重要であると考え」、厚労省職員に対してその「観点から、専門家の意見を聞くなど改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えた」

 経済分析上、「実態をタイムリーに表す点が重要」であることを自身の考えとしていたとしても、いくら首相秘書官でも、個人の資格で自分の望むようにしろと厚労省に要求する資格も権限も持たない。そのような実態にするのが統計作成上の理想だと自身が考えたなら、安倍晋三に進言、安倍晋三自身が他とも諮って、そうすべきだとの結論を得て、「じゃあ、君自身から厚労省へと働きかけてくれないか」と要請されて初めて、同様なことは他の官庁に対しても必要なことだが、安倍内閣の政策に関する行動を取る資格と権限が生じる。いわば首相秘書官の肩書を背負っていたとしても、安倍内閣の政策に関して個人として行動するどのような資格も権限も持たないはずだ。いわば首相秘書官は内閣の政策に関しての個人プレーは許されていない。

 大体が首相秘書官は首相の政策上の利害の代弁者であって、首相秘書官として行動する間は、自身の利害の代弁者となることは許されない。首相の政策上の利害の代弁者となるについては、首相の指示で動かなければならない。首相秘書官が首相以外の誰の利害を代弁しているというのか。首相秘書官としての資格と権限は首相の指示にのみ所属する。

 ところが安倍晋三は関与の疑いをかけられた追及を受けると、「私から何ら指示をしていない。我々が統計をいじって政策をよく見せようとしたわけでは全くない」と似たような答弁を振り撒いている。イタチの最後っ屁と思った方がいい。

 中江元哉が安倍晋三の指示で動いていなければならない以上、厚労省から説明を受けた詳細を安倍晋三に報告する義務が生じる。統計を安倍晋三好みに変える不正は先ずは厚労省を攻略、忖度させなければならない。そのために動いた2015年3月31日の"総理の意向"("総理の威光"?)を背景とした中江元哉の首相官邸での厚労省職員接見だったはずだ。

 この証明は2019年2月18日の衆院予算委での立憲民主党・無所属フォーラム逢坂誠二の質疑からも窺うことができる。逢坂誠二は北海道大学薬学部卒の59歳。

 2019年2月18日 衆議院予算委員会

 逢坂誠二「次に中江さんにお聞きしたいんですけれども、中身の詳細聞きたいんですが、その前にこの用語がどうも私わからないんです。『問題意識を伝える』、要するにですね、この毎月勤労統計、『過去に遡って数値が変わるようでは経済の実態がタイムリーに現れないんだ』と。だから、『他の統計や諸外国の事例などを見つけ、専門家の意見も聞くなど、改善のための点について考えるべきだという問題意識を伝えた』

 これどういう意味ですか。『問題意識を伝える』っていうのは」

 中江元哉「お答え申し上げます。まさにそういうことを、経済の実態を適切にタイムリーに表すための改善の可能性について考えるべきではないかという、そういうふうに私は問題意識を持ちました。それをその場でご説明を、ご説明に来られた厚労省の方にお話ししたということでございます」

 逢坂誠二「これは問題意識を伝えるっていうことは自分の考えを表明したってことなんですか。それとも自分の感想なんですか。これはどういうことなんですか、問題意識を伝えた。これ政府の方、国会答弁でみーんな口を揃えて言葉を合わせたように問題意識を伝えたって言ってる。官房長官も、問題意識を伝えたって言ってるんです。示し合わせた答弁のように思えてならない。なかなか普段使わない言葉です。問題意識を伝えたって。

 (「使う」とヤジが入ったのか)いやいや、こういう場面では使わない。『そう話した』とか、『その考えを伝えた』とか、『問題意識を伝えた』。官房長官も同じ言葉を使う。中江さんも、同じ言葉を使う。この意味を具体的に教えていただきたい」

 中江元哉「お答え申し上げます。このときに私が厚労省に伝えた、まあ、先程から申し上げました。改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を私が持ちまして、秘書官である私個人としての考えということで、この問題意識を厚労省の方にお話し申し上げたということでございます。官房長官のご答弁は、国会でのご答弁は官邸の中のことをお調べになられて、私がそのようなことでも質問しているということをお話しされたということで、別に言葉を示し合わせたとか、そういうことはありませんが、最近お話しておりません」

 奥野総一郎とほぼ同じ追及の繰り返しで、答弁もほぼ同じものを手に入れる堂々巡りを演じている。
 
 逢坂誠二は中江元哉が2015年の3月31日に首相官邸で厚労省職員に「問題意識」を伝えたことを「自分の考えを表明したってことなんですか。それとも自分の感想なんですか」などとトンチンカンなことを聞いている。

 首相秘書官が厚労省職員を首相官邸に呼びつけて、首相秘書官の資格と権限によってではなく、個人の資格と権限で、統計作成の方法次第では統計値自体に影響が出てきて、当然、安倍晋三の政策にも影響を与えることになり、アベノミクスに対する国民の見方・評価への影響も左右することになる改善点を問題意識として伝えるどのような資格と権限があるというのだろうか。

 この点を追及しなければならなかったはずだが、「これ政府の方、国会答弁でみーんな口を揃えて言葉を合わせたように問題意識を伝えたって言ってる。官房長官も、問題意識を伝えたって言ってるんです。示し合わせた答弁のように思えてならない。なかなか普段使わない言葉です。問題意識を伝えたって」などと、大真面目に余分なエネルギーを費やしている。

 首相秘書官は首相の指示で動くからこそ、天下の首相秘書官としての資格と権限を効力として備え得る。その資格と権限を首相の指示とは無関係に個人プレーとして行使した場合、越権行為も甚だしいことになる。

 上に3枚の画像を載せておいたが、NHKの国会中継録画アイテムから逢坂誠二が質問している間の参考人席に待機している中江元哉の様子をテレビ画面から直接デジカメで撮影したものである。撮影デレクターが、「メチャ緊張している」と気づいて、参考人室に向けているカメラの映像を頻繁に取り入れたのかどうかは分からないが、その様子を何回も映し出していた。答弁はごくごく落ち着いた様子で行っていたが、参考人待機席では額に横ジワをつくり、眉毛の間に小さな縦ジワまが入る程に眉間を寄せている。緊張しているときは額や眉間に力が入って、悲しげな表情となったり、しょんぼりとした表情を見せることになると言われているが、ハンパではない緊張した顔になっている。

 この日の番組を録画しているなら、確かめて頂きたい。

 首相秘書官まで務め、国会答弁も何回か経験している、2018年時点で58歳とネットでは紹介されている、大の大人の東大卒が後ろ暗いところは何もない、指摘されるような疑惑を何も抱えていない、清廉潔白の身だと言うなら、こうまで緊張することはない。

 内心の不安状況を映し出している表情自体が安倍晋三の関与を浮き彫りにしている何よりの証明、動かぬ証拠となる。


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桜田義孝の競泳池江選手白血病公表への発言:「がっかりしている」はホンネであるゆえにこの一言のみで大臣失格

2019-02-18 11:50:47 | 政治


 安倍晋三: 2019年2月12日衆院予算委対岡田克也

 安倍晋三の質問者の質問に答えずに、ヤジに長々と答弁した前代未聞の

 世界に例を見ない滑稽な醜態 

 先進国最悪の借金捻出の主役が自民党政権であることの

 図星を衝かれて、表面冷静、内心慌てたか

  
 先ず最初に断っておく。ごく当たり前のことだが、オリンピックにしろ、パラリンピックにしろ、盛り上がるか盛り上がらないかは金メダルを多く獲得できるか、少ししか獲得できないかによって決まってくる。金メダル獲得こそが、それぞれの国の国民を第一番に興奮に誘う最善・最短の方法である。自国選手が金メダルを獲得できずに銀メダルで終わったときの悔しさは本人はもとより、ファンからしても、計り知れないものがあるだろう。特に金メダル候補に上がっていながら、銀メダルで終わったときはなおさらとなる。

 競泳の池江璃花子選手が白血病と診断されたことを2月12日に自身のTwitterで公表し、選手活動を中断、治療に専念することになった。地元日本で行われる東京オリンピック金メダル大量獲得の期待の星であったから、衝撃が走った。その日の夜の21時16分発信で「NHK NEWS WEB」記事が関係者の心配する声や励ましの声を伝えているが、記事の最後に、〈桜田五輪相「また元気な姿を見たい」〉の小見出しで、桜田義孝の同じ2月12日の受け止めの発言を伝えている。

 「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい。1人リードする選手がいると、みんなつられて全体が盛り上がるので、その盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」

 この記事をキッカケにしてネット上では「一番言ってはいけない言葉」、「選手はメダルを取るための駒ではない」等々の批判の声が上がったが、発言の全文を伝えるマスコミが現れると、全文を伝える前の一部分を伝えたマスコミに対して切り取った発言の報道だと批判が起きたという。

 私自身、全文を知る前にTwitterに、〈重要な金メダル獲得要員の視点のみで池江選手を見ている。病気を心配するよりも、五輪相として日本の金メダル獲得数を自分の手柄としたい虚栄心がありあり。2020年まで、自身の地位を持たせることができるかどうかも分からないと言うのに。そっちの方を心配しろ!!!!〉と投稿した。

 桜田義孝の「早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい」が心の底から切に願う言葉だと誰かが評価したとしても、「がっかりしている」、「盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」は明らかに金メダル獲得の機会が減ることへの予想がそのままオリンピック自体への盛り上がりに影響することへの心配であり、病気を心配し、完治を願う言葉と並べて、同じ文脈として扱っていい言葉ではない。このことは次のように考えると、ごく簡単に分かる。

 桜田義孝の「早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい」が心の底からのホンネであるなら、「がっかりしている」、「盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」といった言葉は口が裂けても出てこない。つまり、後者をホンネとした桜田義孝の一連の発言と見なければならない。

 池江璃花子選手は、ネットで調べてみると、第18回ジャカルタ・アジア競技大会(2018年8月18日~2018年9月2日)競泳女子の50メートル自由形で6冠を達成の上に出場した個人4種目全てと女子400メートルリレー、400メートルメドレーで金メダルの計6個。女子200mリレーと100m混合メドレーで銀メダル2個を獲得、日本選手の1大会最多記録を更新、アジア大会最優秀選手に選ばれている。

 この華々しい活躍がその笑顔と共に東京オリンピックで見ることができなくなったなら、残念な思いだけを募らせて、盛り上げを欠く要因となる可能性は否定できないが、だからと言って、病気を心配し、直して立ち直ることを願うことと盛り上げを欠くこととは別問題であって、切り離して扱わなければならない。桜田義孝は大の大人である上に一内閣の閣僚を務めている立場上の常識も弁えずに切り離して扱うことができなかった。

 この一事を以ってしても五輪相として務める資格を失う。野党が辞任要求したのはごく自然の流れである。対して安倍晋三は国会で「しっかりと職務を果たしてもらいたい」と続投を許し、野党の更迭要求を拒否した。

 要するに安倍晋三は桜田義孝の大人の人間としての常識欠如、あるいは五輪相としての常識の欠如よりも内閣の安泰を優先させた。この優先は首相の立場からの自己都合の優先に他ならないだけではなく、偉い人たちの常識の欠如にアレルギーを持つ社会的一般性よりも、常識を欠如させた桜田義孝の擁護を優先させたことになる。そしてこの優先は社会的一般性に反して内閣の中に常識を欠如させた閣僚を温存することを意味する。

 いわば安倍晋三自体が内閣人事に関して社会的一般性に反した常識の欠如を抱え、発揮していることになる。

 では、桜田義孝の発言全文から、その是非を見てみる。《「がっかり」だけではなかった 桜田五輪相発言全文》産経ニュース/019.2.14 15:22)

 記事は冒頭に、〈競泳の池江璃花子選手の白血病公表について、桜田義孝五輪相が「本当にがっかりしている」などと語ったことが問題になっているが、桜田氏の発言には「治療に専念して、元気な姿を見せてほしい」と気遣う言葉もあった。〉との文言を添えて、あとは記者との遣り取りのみを取り上げている。要するに記事は池江選手を気遣う言葉があったことを理由に「本当にがっかりしております」なる発言の不適切性を免除している。この免除の妥当性を判断することにもなる。

 記者「きょう、競泳の池江選手が自らが白血病であることと、しばらく休養することを発表しました。大臣として、これについての受け止めをお願いします」

 桜田義孝「正直なところ、びっくりしましたね。聞いて。本当に。病気のことなので、早く治療に専念していただいて、一日も早く元気な姿に戻ってもらいたいというのが、私の率直な気持ちですね」

 記者「競泳の中ではですね…」

 桜田義孝「本当に、そう、金メダル候補ですからねえ。日本が本当に期待している選手ですからねえ。本当にがっかりしております。やはり、早く治療に専念していただいて、頑張っていただきたい。また元気な姿を見たいですよ。そうですね」

 記者「大臣はこれまで、池江選手の活躍をどのようにご覧になられてましたか」

 桜田義孝「いやあ、日本が誇るべきスポーツの選手だと思いますよね。我々がほんとに誇りとするものなので。最近水泳が非常に盛り上がっているときでもありますし、オリンピック担当大臣としては、オリンピックで水泳の部分をね、非常に期待している部分があるんですよね。一人リードする選手がいると、みんなその人につられてね、全体が盛り上がりますからね。そういった盛り上がりがね、若干下火にならないかなと思って、ちょっと心配していますよね。ですから、われわれも一生懸命頑張って、いろんな環境整備をやりますけど。とにかく治療に専念して、元気な姿を見せていただいて、また、スポーツ界の花形として、頑張っていただきたいというのが私の考えですね」

 記者「最後に一言だけ。池江選手にエールを送るとしたらどんな言葉を」

 桜田義孝「とにかく治療を最優先にして、元気な姿を見たい。また、頑張っている姿を我々は期待してます、ということです」(以上)

 確かに最初に治療の専念への要請と回復への期待の言葉を述べている。そして続けての発言、「金メダル候補ですからねえ。日本が本当に期待している選手ですからねえ」は金メダル獲得への大いなる期待があったことを示している。このことはあとの「オリンピックで水泳の部分をね、非常に期待している部分があるんですよね」の言葉にも現われている。但しその期待が怪しくなったと桜田義孝自身が見ているからこそ、次の「本当にがっかりしております」の発言となって現れた。でなければ、文意が繋がらない。

 要するに桜田義孝は病気そのものへの関心を示しつつ、それと並べて、期待が怪しくなったという文脈で金メダルへの関心を示した。当然、発言の構成上、病気そのものへの関心よりも金メダルへの関心を優先させた発言となる。この優先はホンネがどちらの言葉にあるのかを示すことになる。「本当にがっかりしております」の方にこそ、桜田義孝のホンネがあると見なければならない。

 池江璃花子選手が自身のツイッターで白血病について投稿したのは2月12日。桜田義孝は時間にズレはあるものの、同じ日の2月12日のうちに「本当にがっかりしております」と金メダル獲得への期待が怪しくなった気持を吐露する経緯を取った。池江選手の存在と現在置かれている、治療に関わる困難な状況をさほど意に介していない感覚の介在なくして、このような経緯は取らない。病気を心配する言葉がホンネなら、「本当にがっかりしております」などといった言葉は口を突いて出てくることはない。

 となると、そのあとの言葉、「早く治療に専念していただいて、頑張っていただきたい。また元気な姿を見たいですよ。そうですね」は社会通念上口にした、心そこにあらずの言葉となる。

 「一人リードする選手がいると、みんなその人につられてね、全体が盛り上がりますからね」は、池江選手が金メダル獲得のリードオフマン(=その分野で、先頭に立って全体を引っ張っていく人)の役目を果たしてくれて、金メダルラッシュとなることへの期待を示した発言ではあるが、その状況が許されなくなったと見ているからこその次の発言、「そういった盛り上がりがね、若干下火にならないかなと思って、ちょっと心配していますよね」であり、自分の「心配」をより優先させた意味合いを取る。

 このような優先は「本当にがっかりしております」の発言と同様、待ち構えている治療との闘いを前にして心配や不安や希望や自身への励まし等々、様々に錯綜しているであろう池江選手の気持そのものを真に意に介していたなら、採用するはずもない優先であろう。

 当然、続いての発言、「とにかく治療に専念して、元気な姿を見せていただいて、また、スポーツ界の花形として、頑張っていただきたいというのが私の考えですね」にしても、社会通念上、形式的に口にした発言に過ぎないことになる。

 一片の社会常識も、閣僚としての常識も桜田義孝の発言からは窺うことはできない。産経ニュース記事の桜田義孝の発言に対する不適切性の免除にしても、如何なる妥当性をも与えることはできない。閣僚としての資格を失っていることは明らかだが、このような常識の無さ・資格の無さよりも内閣の安泰を優先させた安倍晋三自身の常識をも問わなければならない。


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菅義偉の内閣記者会宛文書:国家権力側の"事実"を国民全ての"事実"であるかのように扱うのは国民をバカにする行為

2019-02-16 11:55:59 | 政治
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 安倍晋三: 2019年2月12日衆院予算委対岡田克也


 安倍晋三の質問者の質問に答えずに、ヤジに長々と答弁した前代未聞の

 世界に例を見ない滑稽な醜態 

 先進国最悪の借金捻出の主役が自民党政権であることの

 図星を衝かれて、表面冷静、内心慌てたか


 2019年2月26日の官房長官菅義偉記者会見で東京新聞女性記者が普天間飛行場の名護市辺野古移設埋め立て工事の土砂に関して仕様書通りの適合性を発注者の国が事実確認をしていないと質問、それを菅義偉は事実誤認だとし、このような事実誤認が当該記者には多いからと、2019年2月28日に首相官邸報道室は内閣官房総理大臣官邸報道室長上村秀紀名で内閣記者会宛に事実に基づく質問をするよう、問題意識の共有を要請すると同時に要請は問題提起が目的で、記者の質問の権利に何らかの条件や制限を設けること等を意図したものではないとする文書を送付した。
 
 平成30年12月28日 内閣記者会 御中

 内閣官房総理大臣官邸報道室長 上村秀秀紀

 12月26日午前の官房長官記者会見における東京新聞の特定の記者による質問について、添付資料にお示しするとおりの事実誤認等がありました。

 当該記者については、東京新聞側に対し、これまでも累次にわたり、事実に基づかない質問は厳にに謹んでいただくようお願いしてきました。これに対し、同社からは、事実に基づく的確な質問を心掛けるよう同記者を指導していく旨の回答を繰り返し頂いてきましたが、にもかかわらず、再ぴ事実に反する質問が行なわれたことは極めて遺憾です。

 改めて指摘するまでもなく、官房長官記者会見は、官邸ホームベージ上のインターネット動画配信のみならず、他のメディアを通じたライブ配信等も行われでおり、そこでのやりとりは、官房長官の発言のみならず、記者の質問も、国内外で直ちに閲覧可能になります.そのような場で、正確でない質問に起因するやりとりが行なわれる場合、内外の幅広い層の視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねず、その結果、官房長官記者会見の意義が損なわれることを懸念いたします。

 このような観点から、東京新聞の当該記者による度重なる質問行為については.総哩大臣官邸・内閣広報室として深刻なものと捉えており、貴記者会に対して、このような問題意識の共有をお願い申し上げるとともに、問題提起きせていただく次第です。

 もとより.本件申入れは、官房長官記者会見における記者の質問の権利に何らかの条件や制限を設けること等を意図したものではありません。官房長官側においては平素より、事実関係係の把握に努め、正確な情報発信に最大限留意しつつ日々の会見に臨んでいることをご埋解いただき、メディア側におかれても、正確な事実を踏まえた質問をしていただくよう改めてお願いするものです。

 メディア、政府の双方にとって有意義な形での官房長官記者会見の運営・実施のため、引き続き御協力いただけるようよろしくお願いいたします。 以上

 対して新聞労連が2019年2月5日に「抗議文」を発表している。

 記者の質問は保障されている国民の「知る権利」に供するものであり、〈国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、理解を求めていくべきです。〉と、尤も至極な要求を行ない、にも関わらず事実誤認だとして事実に基づく質問を要求するのは、〈記者の質問の権利を制限し、国民の「知る権利」を狭めるもので容認できないと抗議している。

 そして政府側の「事実に基づかない」事実誤認の拡散の例の一つとして加計学園獣医学部認可への安倍晋三の政治関与を疑わせる文書の存在をマスコミが伝えたのに対して菅義偉が「怪文書のようなものだ」と真っ向から否定したことを挙げている。

 しかしこれは事実誤認ではなく、ウソをついて隠した情報隠蔽の一例としなければならない。新聞労連はさらに追記として、辺野古沿岸部埋め立ての政府承認審査の際に埋め立てに適さない「細粒分」の割合を2%~13%と説明していたのに対して業者発注仕様書には県に無断変更の40%以下になっている、沖縄県が立ち入り検査を求めているのに対して沖縄防衛局は応じていないと伝えているマスコミ報道を根拠にしたのだろう、東京新聞女性記者の質問の正当性を訴え、〈偽った情報を用いて、記者に「事実誤認」のレッテルを貼り、取材行為を制限しようとする行為は、ジャーナリズムと国民の「知る権利」に対する卑劣な攻撃です。〉と、追加の抗議を行っている。

 新聞労連のこの抗議に対して菅義偉はカエルのツラにショウベンを決め込んでいる。2019年2月13日午前の記者会見。

 菅義偉(女性記者の質問に関して)「正確な事実に基づかない質問が繰り返されており、取材ではなく決め打ちだ。この記者会見はまさに公の場だが、正確な事実に基づかない質問が累次にわたって繰り返されている。

 『埋め立てで赤土が広まっている』ということだったが、防衛省では、外周の護岸により閉鎖的な水域をつくり、外海のモニタリングでも影響は確認されていない。事実と反しており、こうしたことを私は『取材ではなく決め打ちだ』と申し上げた」

 要するに菅義偉は国家権力側の自分達の"事実"を国民全ての"事実"であるかのように扱っている。

 「細粒土砂汚染とは何か? 河川管理に求められることは? : 研究者から」(山田浩之)なる記事には、〈流域から生産される細粒土砂(粒径およそ2mm以下の土砂)が大幅に増え、それが河川や海域に流出・堆積することによって生態系・水環境の変化・悪化が生じるという報告が多くあり、国内でも最近になって海域や湿原への流出によってサンゴ礁・湿原生態系が破壊されることが明るみになった。〉と、細粒土砂流出の自然環境への悪影響を伝えている。

 この"事実"を以ってして菅義偉の記者会見発言の"事実"を解釈すると、外海に対してコンクリートで四方を塞げば、外海に流出する恐れはゼロとなるから、埋め立て業者との契約に反してどんな土砂で埋め立てようと自由だと言うことになる。

 このことは契約違反を無視する"事実"となるだけではない。安全保障環境の変化に応じて辺野古基地自体が将来的に、100年後であっても、不要になった場合、その可能性はゼロだと打ち捨てることはできない、海に戻すという選択肢を最初から排除する"事実"となる。なぜなら、、コンクリートで四方を塞いでいたとしても、最初に埋め立てた細粒土砂が底にある海砂と混じらない保証は何もなく、混じった場合は、その土砂を取り除くのは至って困難となるからだ。

 このように東京新聞女性記者と新聞労連の"事実"に対してこれらと対立する安倍政権の"事実"を並べてみると、それぞれの"事実"は自分達の正当だとする判断や解釈、捉え方、あるいは都合や利害によって違う姿を取ることが分かる。いわば一方が"事実"としたことであっても、他方は"事実"としない場合がある。

 このようにお互いが譲らずに違う姿を取った対立したままの"事実"の共有を国民等の第三者に求める場合、"事実"というものが自分達の正当だとする判断や解釈、捉え方、あるいは都合や利害によって違う姿を取る以上、第三者それぞれの理解に委ねる以外にない。国家権力側が自分達の"事実"こそ正しいのだと第三者に押し付けた場合、憲法が保障する思想・信条の自由を侵害することになる。

 もし相手が掲げた"事実"が自分達の掲げる"事実"とは間違っているとするなら、新聞労連の抗議文が記しているように、〈本来は官房長官が間違いを正し、理解を求め〉る以外に方法はなく、第三者がどちらの"事実"を採るかは第三者それぞれの理解に任せるしかない。

 一方の"事実"が他方の"事実"と異なることなど、いくらでも転がっている。2019年1月6日NHK「日曜討論」

 NHK司会者の伊藤雅之が辺野古埋め立て工事での土砂投入に関わる「沖縄県民の理解」を尋ねた。

 安倍晋三「今、土砂が投入されている映像がありましたが、土砂を投入していくに当たってですね、あそこのサンゴについては、これを移しております。また絶滅危惧種が砂浜に存在していたんですが、これは砂を浚ってですね、これをしっかりと別の浜に移していくという環境の負担をなるべく抑える努力もしながら行なっているということであります」

 これが政権側の土砂投入地域に於けるサンゴ移植の"事実"そのものとなっている。対してマスコミはこの発言を批判。2019年1月10日付「毎日新聞」は沖縄県水産課からの情報として埋め立て予定海域全体に関しては約7万4000群体のサンゴの移植が必要だが、県が許可して沖縄防衛局が移植したのは絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ9群体のみで、いわば残る約7万3991群体は手付かずで、移植した9群体は今回の土砂投入区域のサンゴではないと、その"事実"を伝えている。

 玉城沖縄知事も自身のツイッターで、「現実はそうなっておりません。だから私たちは問題を提起しているのです」と自らの"事実"を掲げている。官房長官の菅義偉は2019年1月10日の記者会見で安倍晋三発言を擁護している。

 菅義偉「現在、埋め立てを進めている南側区域の周辺で、必要なサンゴの移植は終えている。防衛省で環境監視委員会の指導、助言を受けながら、環境保全にも、最大、配慮しながら工事を進めており、安倍総理大臣もそういう趣旨で申し上げたということだろう」

 玉城沖縄知事自身が「現実はそうなっておりません」を自らの"事実"としていることとマスコミが伝えている"事実"から素直に解釈すると、菅義偉が「現在、埋め立てを進めている南側区域の周辺」としている安倍政権側の"事実"は、現在の土砂投入地域外の「南側区域の周辺」ということになるが、どちらの"事実"を採るかは押し付ける訳にはいかないのだから、それぞれの判断に任せるしかない。

 同じ2019年1月6日NHK「日曜討論」。司会の伊藤雅之がアベノミクス景気の戦後最長の可能性を言いつつ、「実感が伴わないという声」があることを伝えた。

 安倍晋三「日本経済については、ですね。もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたと考えています。そして雇用状況は大変よくなっています。昨年高校・大学を卒業したみなさんの就職率は過去最高となり、正規雇用の有効求人倍率も、1倍超えました。最長の景気回復期間は小泉政権に始まってですね、安倍政権、そして福田政権、麻生政権と続いたんですが、そのときの景気回復期はですね、その期間を通じたずっと日銀の短観に於いてですね、状況判断がプラスであったのは東海地方と関東地方のみであったわけですが、今回はですね、すべての地域で5年連続プラスになりました」

 要するにこれらの統計値でアベノミクス景気が実感ある景気となっているはずであることを伝えている。これがアベノミクス景気に関わる安倍晋三自身の"事実"となっている。その他に、「正規雇用の有効求人倍率は1倍超えた」、「日銀の短観はすべての地域で5年連続プラスになった」、「生産年齢人口が450万人減少する中に於いて経済は12.2%成長した」、「雇用は250万人増え、正規雇用も78万人増えた」等々を景気実感の"事実"としている。

 一方で2019年2月9日から11日まで行ったNHKの世論調査の景気の実感に関しては、

 「実感している」8%
 「実感していない」66%
 「どちらともいえない」20% 

 が"事実"となっている。どちらの"事実"を採用するかは国民一人ひとりの主体性に任されている。

 もう一つ、"事実"の食い違いについて新聞労連が取り上げている安倍晋三の加計学園獣医学部新設・認可政治関与疑惑からも取り上げてみる。

 安倍晋三は加計学園理事長の加計孝太郎と加計学園獣医学部認可に関しての会話を交わす面会は一度もないと主張していたが、2015年2月25日に両者が面会して獣医学部について話し合ったとする愛知県文書が公表された。対して安倍晋三はマスコミの首相動静を調べたが、加計孝太郎が首相官邸に訪れた記載はないと面会を否定する国会答弁を繰り返した。だが、首相官邸はマスコミ記者が待ち構えている官邸エントランスを通らずに人目に触れることなく首相執務室に通じる通路がある"事実"は隠して、官邸エントランス通過人物だけをチェックする首相動静のみを根拠に面会していないことの証明に使い、それを自らの"事実"としている。安倍晋三自身の"事実"にこのような抜け落ちがある以上、中にはこの"事実"を受け入れる国民が何人かはいたとしても、国民全体の"事実"とすることはできない。

 国家権力側のどのような"事実"であろうと、それをどう受け止めるかは国民それぞれの理解や判断に任せるべきであって、それを国民全ての"事実"であるかのように扱うのは、国民にはその"事実"を理解も判断もできないと見ることになって、国民をバカにする行為となる。;">

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2019年2月12日衆院予算委:安倍晋三の自民党政権+安倍政権性善説に立った対岡田克也「悪夢のような民主党政権」論争

2019-02-14 11:36:58 | 政治
 


 安倍晋三: 2019年2月12日衆院予算委

 安倍晋三の質問者の質問に答えずに、ヤジに長々と答弁した前代未聞の

 世界に例を見ない滑稽な醜態 

 先進国最悪の借金捻出の主役が自民党政権であることの

 図星を衝かれて、表面冷静、内心慌てたか



 2019年2月12日衆院予算委 安倍晋三の「悪夢の民主党」発言を巡る対岡田克也との論争

 岡田達也「立憲民主党・無所属フォーラムの岡田克也です。今日は総理と北方領土問題を中心にしっかりと議諭したいと考えておりますが、その前に一つ先般の自民党大会で総理は、『あの悪夢のような民主党政権が誕生した』、いうふうに言われました。勿論、民主党政権時代の反省は我々にあります。しかし政党政治を置いて、頭から相手を否定して、議論が成り立つのか。

 私たちは政権時代にその前の自民党の歴代政権の重荷も背負いながら、政権運営をやってきました。そのことを考えたら、あんな発言は私は出てこないはすだと思います。撤回を求めます」

 安倍晋三「あのー。まさに政党間で議論する。私は別に議論を受入れていないわけではありません(軽く笑いながら、余裕を見せて)。先週もですね、7時間、ずっと議論させて頂きました。みなさんはですね、自分達の政権の正当性があれば、色んな場所で演説されたらいいんですよ。私は自民党総裁として、そう考えている、そう考えているということを述べる自由はまさに言論の自由なんですよ。(言論の自由は)あるわけでありまして、少なくともバラ色の民主党政権でなかったことは事実なんだろうなと言わさざるを得ないわけなんですが、そこで、そこでですね、そこで、私は何が一番言いたかったということはですね、やっぱりあのとき、若い皆さんの就職率低いじやないですか。

 そういう、岡田さんにはそういう反省、全然ないんですか。我々はですね、我々は政権を失ったわけです。まさに、なぜ政権を失ったかと言うと、なぜ政権を失ったか、我々は深刻に反省したんです。その中に於いて全国でずうっと、対話集会を開きながら、真摯に耳を傾け、我々は生まれ変わろうと決意をしたわけであります。

 皆さん、悪夢でなかった、それを否定しろと仰るんですが、では、なぜですね、民主党という名前を変えたんですか。

 私はそれが非常に不思議だ。自民党は自民党という名前を変えようと思わなかった。私達自身が反省して、生まれ変わらなければならないという大きな決意をしたんです。別に名前のせいで負けたたわけではないんですよ。みなさんはこの民主党っていうイメージが悪いから、恐らく名前を変えられたんだろうと推測する人はたくさんいますよ。

 そういう意味では皆さんもそう思っておられとるんじやないですか」

 岡田達也「驚きました。勿論、私達は政権運営に反省はあるというふうに申し上げました。しかしその前の自民党政権時代の反省はないのか、と私は申し上げているのです。その重荷を背負って私たちが運営した部分もある。あなたが本当に自民党政権時代を反省したと言うのであれば、あんな言葉は出てこないはすですよ。一方的に民主党政権、レッテル貼りしてますけども、あなたたちがやったことで、私達も苦しんだことがある。

 そういったことについて謙虚な気持ちで、総理でしたら、発言して貰いたいと思います。今の発言、全く了解できませんよ。取り消しなさい」

 安倍晋三「取り消しなさいと言われても、取り消しません。それを明快にさせて頂きたいと思います。そこでですね、ですが、『私は反省がないではない』と申し上げましたよね。でも、皆さんに重荷を背負わしたっていうのはこれは分からない。みなさん政権獲ったんですから、自分達の政策をすればいいじゃないですか。

 重荷と言うのはなんですか。(誰かがヤジで「財政赤字」と言ったのか)財政赤字、財政赤字(思わずのように苦笑を洩らして)。例えば財政赤字ということについてはですね、財政赤字ということについて言えば、勿論、我々もその財政赤字が溜まってきた。

 しかしですね、これはそれぞれ必要があって行ったことであって、漫然と行ってきたわけではない。それぞれですね、敢えてその赤字を覚悟しても、出さなければいけないというときもあるんですよ。ですから、例えばですね、先程申し上げましたように就職氷河期等をつくってはならない。その、みなさんはずっと苦労するんですよ。そういうときは財政財政政策をするわけであります。
 
 (「そんなこと聞いていない」と岡田克也が自席から抗議したのか)また、皆さんの誰かそうおっしゃったから、答えさせて頂いたわけであります」

 岡田達也「私が聞いていないことに延々と時間を使わないで貰いたい。私は民主党政権時代の、まあ、最大の苦しみ、申し訳なかったと思うのは原発事故ですよ。あの福島の原発事故。もっとうまく対応できなかったか。私達反省ありますよ。

 だけど同時にその前の自民党政権にも責任があるんじゃないですか。そこにあなたは責任認めないんですか。はっきり答えください」

 安倍晋三「原子力政策についてですね、ああした過酷な事故が起こってしまったということについては、それは歴代の政権として、第1次安倍政権を含めてですね、それは反省をしております。

 しかし総じて見ればですね、総じて見れば、この原発事故のことについて皆さんの対応をどうこう言うつもりはありません。そうではなくて、経済政策について、私はそのあとの文脈、私の演説の文脈を見てくださいよ。経済政策に於いて、経済政策に於いてこの間、まさに失業率が今よりもですね、有効求人倍率に於いては大分半分ぐらいですよね。その時点について見てみればですね、有効求人倍率については1倍を超える県、今47の全ての都道府県が倍を超えています。これは史上初めてのことですが、民主党政権時代には7県、8県であったのは事実じゃないですか。

 そういう時代、そういう時代を超えていかなければいけない。そういう時代を解消しなければいけないということで私も努力をして、こういう状況を作り出して来たわけであります、私はそういう批判をさせて頂きたい。批判をするなと言うこと自体がそれはおかしいわけであってですね。あの皆さんが自由民主党に対して批判をすれば、それに対して反論しますよ。
 
 批判自体をやめろとかですね、そういうこと言ったことは私は1回もないですよ」 

 岡田達也「批判するなと言ってるんじゃなくて、全否定するようなレッテル貼りはやめろと言ってるんです。それは私が申し上げた、じやあ、原発、原発事故について、原発事故についてですね、全会一致で設けた国会事故調、ここの報告書、何て言ってますか。総理、原発事故の根源的な原因は何だと国会事故調の報告書は結諭づけていますか。述べてください。

 安倍晋三「全否定するなとおっしゃいますがね、みなさん、採決のときにですね、『安倍政治は許さない』と全否定して、何かプラカードをみんなで持ったのはどこの党の皆さんですか。名前が変わったら、それがもうそれがなくなったということになるんですか。

 で、その、そこでですね、事故調の調査についてどういう見解を述べろということについては、それは質問通告して頂かないと、政府として、政府としてそういう見解を述べなければいけないわけでありますから、既に述べていると思います。ですから、それは個人の見解は述べることはできませんから、この場に於いては。政府を代表してここに立っているわけですから。

 それはちゃんと通告して頂かなければですね、これはあの答弁することはできません」

 岡田達也「総理の見解を述べろとは言ってるんじゃないんです。国会事故調の報告書にどう書いてあるのかということを聞いてるわけです。私は驚きました。そんなことも総理は知らないんですか。

 国会事故調の報告書にはこう書いてありますよ。原発事故の根源的な原因ですよ、私が聞いたのは。『根源的な原因は平成23年3月11日以前に求められる』

 これが結論じゃないですか。その反省もできていないんですか、その報告書、覚えてもいないんですか。つまり3月11日以降の対応については私たちは反省しなきやいけないし、その前も、勿論、私たちも責任を負いますよ。だけど、あなたたちが3月11日以前に歴代自民党政権が一体何をしてきたのか、この国会事故調の中にはっきり書いてあるじやないですか。

 規制と推進を同じ役所の中に、経済産業省の中に置いたこと。そして様々な提言を先送りした結果としてあの事故に至った。これは事故調の結論じゃないですか。このことの反省があなたにはないんですかということを聞いているんですよ」

 安倍晋三「事故調に何が書いてあるか、それを述べろと言われたらですね、私は事故調の文章をちゃんと見て述べなければいけない立場なんです。大体覚えてることを述べる立場には、内閣総理大臣なんですから、ないわけですよ。そこでまた一語一句ですね、私がこの記憶の中で答えたら、そこは違う(吹き出し笑いをしながら)、こう言われるわけですから。これは岡田さんの、(大臣席を手で示して)こちら側に立った立場はあるんですからね。その質問がどういう質問であったかということは。それは考えて頂かないといけないと思いますよ。

 お互いそういう質問し合うというのは非生産的の最たるものなんだろうと、私はそう言わざるを得ないと、こう思っています。で、そこでですね、反省はないかと言われますが、先程からその点については我々も反省していると、こう述べて、一番最初に述べたじやないですか。

 その上で申し上げている訳でありますが、政党同士ですからね、これ、色々とお互いに戦い合っていくわけであります。その中で相手の政策、間違っていたということで申し上げている訳であります。

 私も党大会のときですね、この演説というのは、いわば経済政策に於いてこれは批判を、批判をさせて頂いているわけでございます。原発の政策についてそこで述べて、私はいないわけでありますから。他にもありますよ、外交についてとか、言いたいことはたくさんありますよ。全部言う時間はありませんでしたから、経清について述べさせて頂いた、つまり(民主党政権時代は)仕事がなかった、連鎖倒産が続いていた、ということを述べたわけであります。マクロ政策に於いても皆さんのときのマクロ政策は私は閲逗っていたと思いますよ。明確に。

 ですから、私達は3本の矢という新たな政策を打ち出したわけであります。という中で、もはやデフレではないとい状況はかなり早い段階で作り出すことができた。で、雇用状況が改善しているのは事実です。昨年の12月の1日の時点でですね、大卒者の就職内定率は過去最高となっているわけであります。やっぱり若い皆さがんですね、働きたいと思う人がやっと仕事が、やっぱり仕事があるという状況を築くことが政治の大きな責任だと思っている。申し訳ないんですが、皆さん、残念ながらそれを果たすことができなかったのは事実ですから。

 この事実を受け止めないんであればですね、全く反省してないと言わざるを得ないんじゃないですか」

 岡田達也「私が聞いてもいないことを長々と答弁されるわけですけれども、あの原発の事故のときに本当に残念だったことは津波が来て、そして水に浸かった、予備電源が失われた、そして電源が失われたことによって水素爆発が、あるいはメルトダウンが生じてしまった。

 勿論、我々の対応にも問題あったと私は思うけど、なぜ予備電源が地下にあったのか、なぜ津波の水が超えてきたときに水没してしまうようなところに予備電源を置いておいたのか。これは本当に馬鹿気た失敗。これはやっぱり自民党政権の時代の話なんですよ。

 このことが分かっていたなら、今のような答弁にならないですよ。私は3月11日以前にあったというこの事故調の報告書についてもう一度、総理がしっかりと読み直して頂きたい、そういうふうに思っています。

 民主主義というのはお互いに相手を全否定したら成り立たないんです。だから私は議論、これからもします。だけど、総理の党大会に於ける言い方はほぼ全否定に近いじゃないか。それでは私は議論は深まらないし、民主主義はどんどんおかしくなってしまう。そのことを先ず申し上げておきたいと思います」

 (北方領土問題に移る)

 岡田克也は民主党政権にも反省点はあるが、自民党政権にも反省点はあるはずとの論理で以って、「あの悪夢のような民主党政権が誕生した」なる発言の妥当性を問い質した。

 妥当性を問われた以上、民主党政権に対して「あの悪夢のような」なる最悪の形容詞をつけた手前、安倍晋三は民主党政権の全ての政策とそれぞれの実施状況を民主党が反省の対象としなければならないことを証明し、併せて自民党政策の全ての政策とそれぞれの実施状況に関して何ら反省点がないことを証明しなければならない。

 いわが民主党政権3年3カ月間の全ての政策を俎上に載せて、欠点のみしかないことを証明、自民党政権の全政策をバラ色に染めることができる説明を展開しなければならない。証明しないままに「あの悪夢のような民主党政権が誕生した」と、民主党政権の全てをひっくるめて否定するような発言――全否定発言を口にする資格はない。

 いわば「あの悪夢のような民主党政権が誕生した」と全否定することは、翻って、自民党政権を全肯定していることによって可能となる。全肯定とは自己絶対性の確立に他ならない。自己絶対性は自民党政権+安倍晋三政権性善説を意味することになる。一点の反省点もない、一点の非もないことになる。これ程の思い上がり、これ程の独善性は安倍晋三の持ち味なのだろう。

 例え部分的にでも否定しなければならない政策があることを認めて、その点を反省しているなら、自民党政権を全肯定することはできないし、翻って、民主党政権を全否定することも不可能となる。

 ところが安倍晋三は「あの悪夢のような民主党政権が誕生した」の発言の妥当性が問われていることに気づかずに、頭も異常、精神も異常に出来上がっているらしく、「言論の自由」の問題にすり替えている。発言の妥当性と言論の自由を峻別できないこの独善的な詭弁は安倍晋三が持って生まれた才能の為せる技なのだろう。

 そして安倍晋三はいつものように得意としている経済統計を持ち出す常套手段で安倍政権、あるいはアベノミクスの全肯定をひけらかす試みに入る。自身が自己性善説を打ち立て、自己絶対性を振り撒いていることには気づかない。こういったことをする性格傾向を自己愛性パーソナリティ障害(ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一類型「Wikipedia」)と名付けられている。

 「ありのままの自分を愛することができず」とは、ありのままの自分を受け入れることができないことを言う。

 アベノミクスの経済統計の殆どはアベノミクス政策からの由来ではなく、日銀の異次元の金融緩和由来である。円安と株高で大企業が大儲けした。そこへ持ってきて、自民党の少子化対策が満足に機能しなかったことからの労働力人口の減少で人手不足が発生、そのことを受けた有効求人倍率の全都道府県1倍超えであり、5年連続で今世紀最高水準の賃上げ、あるいは日本訪問外国人観光客6年連続過去最高更新等々のその他の統計値ではあるが、一面の事実であって、全面的な事実ではない。

 円安によって輸入生活物資の高騰、輸入エネルギー資源の高騰、これらの影響を受けた国内生活物資の高騰というマイナス面も抱えることになった。だから、5年連続で今世紀最高水準の賃上げが事実であったとしても、物価高騰が賃金上昇に追いつかずに個人消費の伸び悩みという状況が恒常的に生じることになって、アベノミクス景気が最長を記録したと言われていても、結果として実感なき景気を答とすることになっている。

 2014年12月14日投開票の総選挙を前にした2014年11月18日に安倍晋三はTBSの「NEWS23」に出演、番組が景気の実感を街行く人にインタビューした。4人の男性と2人の女性、合計6人共に景気の実感が持てないといった趣旨の発言をした。

 安倍晋三は例の如くに素直に認めることができずに事実を捻じ曲げて、実感ないと言わせるために選んだのではないかといったあらぬ疑いを掛けて、テレビ出演二日後の2014年11月20日に、「自由民主党 筆頭副幹事長 萩生田光一/報道局長 福井 照」の差出し人名で在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに〈選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い〉なる文書を送りつけて報道介入を行った。

 NHKが2月9日から3日間行った世論調査で景気の実感を質問している。

 「景気回復を実感しているか」
 「実感している」8%
 「実感していない」66%
 「どちらともいえない」20%

 「実感している」8%は株で儲けているか大企業に務めているかのカネ持ち人種であり、「どちらともいえない」20%はそれなりに待遇のいい企業に務めているか、それなりに利益を上げることができている自営業の何れかであろう。

 要するに一般国民は当初から一貫してアベノミクス政策から景気の実感を感じることができないでいる。にも関わらず、安倍晋三は有効求人倍率はどうだこうだ、雇用は200万人増やしただ何だと、経済統計を滔々と述べ立てる。安倍晋三の景気の実態を素直に認めることができずに報道介入することも、経済統計でアベノミクス性善説を打ち立てようとすることも、自己絶対性に基づいた自民党政権+安倍晋三政権性善説から発した自己愛性パーソナリティ障害から始まっている。

 岡田達也が自民党政権時代から受け継ぐことになった重荷を背負って民主党政権を運営した部分があると言うと、いわば自民党政権にしても性善説だけで見ることはできない、反省点もあるはずだとの趣旨で発言すると、「皆さんに重荷を背負わしたっていうのはこれは分からない」とか、「重荷と言うのはなんですか」とノー天気なことを言っているが、これも自己性善説・自己絶対性の現れであって、自己愛性パーソナリティ障害の一つに当たる。

 誰かがヤジで自民党政権の重荷として「財政赤字」と指摘すると、ヤジに対して真面目に、顔には見せないが、ムキになって答弁している。しかも、「これはそれぞれ必要があって行ったことであって、漫然と行ってきたわけではない。それぞれですね、敢えてその赤字を覚悟しても、出さなければいけないというときもあるんですよ」と自己正当化の独善的な強弁を駆使している。バラ撒き財政、ムダな公共事業、地元利益誘導等々の言葉は全て自民党政権時代に生まれている。漫然と行なわければ、以上のことは成し得ない。自らの是非や正否を省みる自省心を持たないことも自己愛性パーソナリティ障害の一症例を示すことになる。

 痛いところを突かれたから、ヤジに答えざるを得なかった。

 民主党は自民党の地元利益導入の公共事業の反省に立って「コンクリートから人へ」のスローガンで、ムダな公共事業の抑制と人材への投資を打ち立て、ムダな予算を削る事業仕分けを導入した。決して、「悪夢」と言って全てを斥けることはできない。

 岡田達也が民主党政権としての福島の原発事故対応での反省点に言及すると、安倍晋三は「原子力政策についてですね、ああした過酷な事故が起こってしまったということについては、それは歴代の政権として、第1次安倍政権を含めてですね、それは反省をしております」と一応は反省しているが、「ああした過酷な事故が起こってしまった」と、さも偶発事故であるかのように述べている感覚は何の反省もなく、軽くて、安っぽい。

 なぜなら、岡田克也があとで発言しているように国会事故調の報告書を取り上げて、東日本大震災が発生して福島の原発事故を引き起こすに至った、その根源的な原因が2011年3月11日以前の歴代自民党政権時代の原発政策にあると指摘しているからに他ならない。

 岡田克也は原子力発電の規制と推進を同じ経済産業省の中に置いたこと、津波対策のための防潮堤の嵩上げ等の様々な提言を先送りしたこと、そして電源に対する対策が不備であったことを挙げている。

 内閣府設置の国家行政機関である原子力安全委員会は1990年8月30日に「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」を決定、その「指針27」には、「電源喪失に対する設計上の考慮」に関して、〈長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。

 非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよ
。〉との文言で、電源喪失は考慮する必要もない、想定もしなくてもよいと指針を示している。だが、全電源喪失が起こって、放射能物質の飛散、水素爆発、放射能汚染、福島県民の避難等々の重大事故をもたらした。

 それを、「ああした過酷な事故が起こってしまった」と深刻さもなしに表現できる、この軽さ、安っぽさは2013年9月7日のアルゼンチンでのIOC総会に於けるオリンピック東京誘致の最終プレゼンで、安倍晋三が「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」、「統御されています」を英語で「アンダーコントロール」と表現した、東京だけの安全に言及した軽さ、安っぽさ(=安易さ)に似ている。

 この"統御"にしても、これ以上悪くはならない、改善に向かっていくだろうと予想される状況での"統御"であって、2013年は安心・安全を保証できる"統御"ではなかったし、現在でも安心・安全が完全に保証できる"統御"ではない地域も存在する。

 自民党政権時代に原発政策に誤ちがあった以上、「総じて見れば、この原発事故のことについて皆さんの対応をどうこう言うつもりはありません」と言う資格はないはずだが、言うことができるノー天気も、自己愛性パーソナリティ障害に侵されているからこそであろう。

 岡田克也が原発事故の根源的な原因が国会事故調の報告書にどう書いてあるのか尋ねた。つまり国会事故調の根源的な原因に関わる見解を尋ねたのに対して安倍晋三は質問通告がなかっただの、総理として個人の見解を述べることはできないだの、「福島県民の心に添う」と何回となく発言している以上、頭に入れて置かなければならないのだが、「大体覚えてることを述べる立場には、内閣総理大臣なんですから」と見苦しい逃げの手を打って、知らないでいたことの薄汚い自己正当化を企んでいる。

 自己絶対性からの自民党政権+安倍晋三政権性善説に立った、自己愛性パーソナリティ障害の首相には国民の痛みを真に知ることはできない。人間的に一国の首相としての資格も資質も、どこにもない。


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2/4衆院予算委小川淳也追及:厚労省統計不正は安倍晋三が「統計改革」を成長戦略一つとしたことが発端か?

2019-02-11 12:29:57 | 政治
 

 安倍晋三:2019年1月28日通常国会施政方針演説

 「五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました」

 「今世紀最高水準賃上げ」結果のアベノミクス成果とは経済界の尻を叩いて賃上げさせ、実感なき景気を実現させたことを言う。
 統計不正で実質賃金下げとなったら、その可能性大だが、見た目は堂々のハリボテ景気そのもの。

 厚労省の統計不正がアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑を抱えることになった原因は、2019年2月1日付「BLOGOS 」記事から得た知識だが、賃金調査で給料の高い東京の事業所数のサンプルが少なかったために平均賃金が実際より低めに出ていたが、厚労省は2018年1月調査分から抽出した事業所数を約3倍にする補正をし始めた。

 この「補正」という言葉は無所属(立憲民主党・市民クラブ会派)小川淳也が質疑で使っているが、この3倍補正によって前年同月比の賃金伸び率が急に高く出るようになった。この急激な賃金伸び率を以ってしてアベノミクスの成果の根拠とした。

 記事は補正によって「平均賃金額が実態に近くなった」と書いているが、3倍補正が適正なサンプル抽出だっかどうかも疑問である。同記事は2019年1月23日付「asahi.com」記事を引用して、〈厚生労働省は2019年1月23日、正しい数値に近づけるデータ補正が可能な2012年以降の再集計値を発表した。現金給与総額(名目賃金)は全ての月で修正され、18年1~11月の伸び率はすべて縮んで最大で0.7ポイント下方修正された。〉と解説しているから、3倍補正自体に於けるサンプル抽出の適切性有無の問題は残る。

何れにしてもサンプル抽出に問題を抱えていて、併せて厚労省が名目賃金を下方修正しておきながら、実質賃金の参考値の公表を拒んでいる態度からすると、公表がアベノミクスに不利になるといった動機以外は考えられないから(有利になるなら、野党が要求しなくても、自分達の方から喜々として公表している)、アベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑はますます深まってくる。野党が国会でいくら追及しても、安倍晋三側がシッポを出さないだけなのかもしれない。あるいはシッポを捕まえられないように巧妙に逃げ回っているだけかもしれない

2019年2月4日衆院予算委で無所属(立憲民主党・市民クラブ会派)の小川淳也が2016年6月2日閣議決定《経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~》と、半年後の2016年12月7日「第16回経済財政諮問会議」の「議事要旨」を取り上げて、アベノミクス偽装・賃金偽装の観点から政府を追及している。文飾は当方。

 小川淳也「70年間、じゃあ、ここから先ちょっと議論しましょう。70年間ね、毎月勤労統計が全数入れ替えをやってきたにはそれなりの理由がある。そしてわざわざ自前の研究会では、それ(全数入れ替え)をしないという結論を出した。

それを厚生労働省では一度も公式に研究していません。いきなり統計委員会の場に乗っける。つまり相当、政治的な力学が私は働いたとしか思えない。ちょっと、具体的な議論に入る前にしておきたいことがいくつかありましてね、まさにこの15年の時期から、極めて統計に対して政治家が発言するんですよ。安倍政権のもとで。

私に言わせれば、統計に政治の手が入っている。統計が政治化している。具体的に言いますよ。2千、これは(印刷物を手にして)翌年、16年の、これは骨太方針、2016年6月ですね、宿題は600兆円経済への道筋ですよ。

私は先に申し上げておきますが、麻生大臣の発言は15年の10月です。15年の9月に何があったか。安倍総裁が自民党総裁選挙で再選されてるんです。そして9月24日、アベノミクス新三本の矢と大々的に発表した。

(20)15年の9月に何があったか。安倍総裁が自民党総裁選挙で再選されてるんです。そして9月24日、アベノミクス新三本の矢と大々的に発表した。

 その一本目がGDP600兆円です。そのGDP600兆円という大本営発表に一生懸命、これ官僚ついてきたんじゃないですか、霞が関上げて。何とか辻褄を合わせようと。そういう文脈の上でお尋ねしています。

 心して聞いて頂きたいと思いますが、この骨太方針、第2章は『成長と分配の好循環の実現』。そしてその2が『成長戦略の加速』なんですね。『成長戦略の加速』ですよ。

 その中に、今分かりますよ。東京オリンピックやろうじゃないかと。PFI、TPP、国土強靭化、まあ、まあ、分かりますよ。

 しかし最後にですよ、TPPやPFIや東京オリンピックや国土強靭化と並んで、『統計改革』、『統計改善』と書いてあるんですよ。

 なーんでですか。ちょっとこれ、誰が担当なんですか。茂木さんですか。なーぜ、統計改革が成長戦略なんですか」

 茂木敏充「ご指摘のですね、この統計の問題、計算方法の変更、これ2016年の12月に実施しましたGDPの基準改定、(小川淳也が何か発言して、聞こえない。)お聞きください、冷静に。

これ、R&Dの資本化など、最新の国際基準に対応すると共に最新の産業関連表であったりとか、推定手法を反映した会計であります。(小川淳也「聞いておりません。なぜ」とか発言、茂木の発言が聞こええない)この改定によりまして、日本経済の(小川淳也がなお抗議の発言。聞こえない)・・・出来るようになったと考えております。なお、この基準改定は(手で小川淳也を指し示して)先生が与党にいらした民主党政権時代のですね、11年に対応方針が決められ、その上専門家でお示し頂いた話であります」

 小川淳也「答えられないんですよ。なぜ『統計改革』が成長戦略に位置づけられるのか。答えられないんですよ。それはそうでしょ。統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそ。

もう一つありますよ。この委員室におられると思いますけど、山本幸三先生、当時経済財政担当大臣だった。違うか、行革だった。失礼しました。お詫びして訂正致します。立派なお仕事で。

16年、いいですか、今のが6月。16年の12月に今度は山本大臣がわざわざ臨時議員として経済財政諮問会議に出かけていった。何を言ったのか。『政治主導で統計改革を実現しよう』

(一段と声を大きくして)なーんでですか。なぜですか?なぜ『統計改革』を政治主導でやらなければいけないんです?いいですか、みなさん。一党一派に偏った政治家ですよ。一党一派に偏った政治家が、『やれ統計改革』、『やれ統計改革』、この旗を振ること自体が不謹慎、おかしいんですよ。

誰か答弁したい人いますか?じゃあ、総理、どうぞ」

 安倍晋三「これ、山本大臣がですね、『政治主導の統計改革』と言ったのはですね、別に一党一派に偏よるような統計を――」

小川淳也(自席から)「偏よるよう人ですから」

安倍晋三「いや、いや。偏よるような統計をしろと言ったのではないのですよ。これは議事録が残るところでの発言でありますから。つまり第4次産業革命が今進行中である中に於いてですね、今までの統計の遣り方をですね、墨守していいのかと、ということなんです。

勿論、専門家がやりますが、それに対してですね、えー、政治家がまさに新しい時代の変化をしっかりと書き留めながら、こういうことをやっていくべきではないか。しかし、(ヤジ。委員長に)すみません」

野田聖子「静かにしてください」 

 安倍晋三「つまりその中でですね、もう一度統計の在り方を専門家で考えて貰ったらいいのではないかと、こういうことであります。つまり、一切ですね、では、一切ですね、一切、我々は一言も口を出すなということなんでしょうか。

 そうではなくて、専門家が決めていくことではありますが、今までの遣り方がいいのかどうか検討しろということはですね、これは政治主導ではないとできないんですよ、それは。

政治主導でなければできないということは申し上げておきたいと、こう思うわけでございます。この際、ずうっと今まで小川(淳也)先生が仰っていた、まるで私達がですね、『統計をいじってアベノミクスを良くしようとしている』。そんなこと出来るはずはないじゃないですか。そんなこと出来るはずはないんですよ。今、『やってるんじゃないですか』と声(ヤジのこと)があったんですが、でもこれは、もし、統計を、500人以上のですね、事業者が統計をちゃんと取っていれば、我々が政権を取ったあとももっとよくなっているんですよ。
 
 景気回復はですね、アベノミクスの統計から良くなっているし、どちらかと言うと、やっぱり大手の方から良くなっていきますから、よくよく(?)差が出てくるんです。もしむしろ下がっていたならですね、下がっていたなら、今度、雇用保険もですね、労災保険も、船員保険も、対応しなければいけなくなっていたわけではなくて、私達がもし上に嵩上げしていたんだったら、逆になるわけでありますから、だから冷静にですね、何が何でも安倍政権がですね、何か偽装しようとしていたなんていう結論ありきでは正確な議論はできませんから、やっぱりここは落ち着いてですね、統計の議論をされたらどうなんでしょうか」

小川淳也「これは私が思っているだけじゃありませんからね。多くの論調がありますよ。エコノミストから、外国のメディアから。そしてのち程でお聞きしますが、日銀と内閣府の間でやり取りしているんですから。元データ、出せと。そんな話になってるんですよ。

 更にいいます。山本大臣が政治主導で統計改革をやるべきだと、わざわざ出張って行かれて、発言したのが16年の12月。そして17年の2月に、今度は、菅官房長官を議長として
、『統計改革推進会議』なるものが出来ているんですよ。メンバー、梶山行革担当大臣、茂木、当時、経済財政政策担当大臣、そして予算委員長、(野田聖子)総務大臣。そして麻生財務大臣。そして世耕経産大臣。勿論、学識もいますがね。

こうして、もう、相当統計に、政治のエネルギーって言うんですか、政治の、よく言えば、リーダーシップというのか、私に言わせれば政治の圧力をかけているんです。現実にですよ、この時期、統計委員会に於ける統計手法の変更検査が増えている。大体民主党政権の頃は9件とか7件と言う、年間ですよ、統計手法の変更検査は。

安倍政権になって、15、13,12,15,12,物凄い数の統計手法の変更させているんですよ。これは事実です。それこれ見ると、今総理が仰ったような、何か全体見てるんだという安気な話(呑気な話)なのか、麻生大臣が仰ったような、精度を高めているんだというような綺麗事で済むのか、私はとてもそう思えない。

 具体的に勤労統計について少し議論させてください」

小川淳也はアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑をさらに追及していくが、追及しきれないで終えている。相手の言葉尻を捉えてその矛盾を突くなら、疑惑を一層浮き立たせることが出来るが、そういったことはできずじまいで、その理由は追及が全て憶測で成り立たせるだけで終えているからである。

 このことの証明の前に上記上げた閣議決定文書と経済財政諮問会議で「統計」についてどのよう言及がなされていたのか見てみる。文飾を当方。

先ず2016年6月2日閣議決定から。

 「第2章 成長と分配の好循環の実現 2.成長戦略の加速等 (7)経済統計の改善」となっていて、「経済統計の改革」なる文言は存在しない。小川淳也が「統計改革」であることを印象づけるために「経済統計の改善」を「統計改革」という言葉で意図的に付け加えたのではと疑ったが、2016年12月7日「第16回経済財政諮問会議」議事録には「統計改革」という言葉を山本幸三だけではなく、総務相として出席していた高市早苗も使っている。諮問会議議長は、勿論、安倍晋三その人である。

 高市早苗「私としても、政治の『明確な意志』に基づいて、統計改革を政治主導で進めることが重要だと考えている。」

山本幸三「『証拠に基づく政策立案(EBPM)』を推進し、的確な経済政策を支えるためには、我が国の経済構造を明らかにするGDP統計などの改善が必要であり、このため、抜本的な統計改革、一体的な統計システムの整備を促進する必要がある。また、統計改革を進めるための各省統計作成部門の人員、予算の確保及び人材育成も必要である。

このため、コアとなる関係閣僚と有識者から構成される『統計改革推進会議(仮称)』を設けて、政治主導により改革を推進する必要がある」

 山本幸三の場合は「統計改革」を連発している。

 要するに2016年6月2日閣議決定時の「成長戦略」では、「経済統計の改善」と控え目だったが、それが手緩いと感じたのか、約6カ月後「第16回経済財政諮問会議」ではあからさまに"政治主導の統計改革"という姿を露わにすることになったということなのだろうか。

 では、小川淳也がアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑追及の全てを憶測で成り立たせるだけで終えている例を挙げてみる。

 「統計に政治の手が入っている。統計が政治化している」と言った表現は言い得て妙ではあるが、具体的な根拠、あるいは具体的な証拠を示さない限り、疑惑追及は疑惑の印象のみを形作るのみで、政治の犯罪という形で炙り出す言葉とはならない。

 小川淳也は「なーぜ、統計改革が成長戦略なんですか」と茂木を追及している。ところが茂木は2016年の12月から実施のGDPの基準改定の話に持っていって、質問に答えようとしない。GDPの基準改定は国際基準化だと言いつつ、名目国内総生産(GDP)は30兆円前後の嵩上げが為されることとなった。これもアベノミクスを良く見せようとする涙の努力の一環なのだろう。

小川淳也は「統計改革がなぜ成長戦略に位置づけられるのか」を最後まで追及し続けて、なぜなのかの答弁を引き出す努力を示さなかったのだろうか。

ところが、小川淳也は「答えられないんですよ。なぜ『統計改革』が成長戦略に位置づけられるのか。答えられないんですよ。それはそうでしょ。統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそ」で終えてしまっている。

小川淳也は先に「17年の2月に、今度は、菅官房長官を議長として、『統計改革推進会議』なるものが出来ているんですよ」と発言しているが、その「最終取りまとめ概要」の最後のところに、「社会的基盤としての統計の重要性、統計等をベースにした政策立案の改善へ高い関心が寄せられることを期待」と記載されていて、「統計改革」の目的を「統計等をベースにした政策立案の改善」に置き、その改革を正当化しているが、これは綺麗事の詭弁に過ぎない。

例えば個人消費が振るわずにGDP値が下がったとする。その統計から、新たな政策が立案されるわけでもないし、政策立案の改善が成されるわけでもない。GDP値が個人消費が振るわずに下がったとする統計を受けて、既に実施した個人消費喚起の政策のどこに誤まりがあったのか、ミスマッチがなかったか等々を検証、その検証をベースとしてこそ、新たな政策立案の改善が模索できるのであって、統計のみをベースにしたとしても、何も見えてこない。

一般的には統計とは一定期間内の政策の成果の数値化であり、一定期間後の政策の指標〈物事を判断したり評価したりするための目印〉となるものであって、あくまでも政策が基本(=ベース)であって、統計そのものは如何なる経済効果も産まない。経済効果を生み出すのは政策そのものだという考えを省いているから、「統計改革」自体を成長戦略の一つとして掲げることが出来る。

 こういったことを指摘してこそ、統計改革を成長戦略に位置づけることの胡散臭さが追及でき、そこからアベノミクス偽装・賃金偽装の疑惑追及の手がかりを掴むことが可能となる。

だが、小川淳也に出来たことは「統計なんて極めて技術的、客観的、科学的、中立的にやってこそ」と、統計作成時の姿勢に言及したのみで、もし安倍晋三一派が偽装していたなら、鼻っ先で笑わせる効果しかない発言で終わっている。

 小川淳也は「一党一派に偏った政治家ですよ。一党一派に偏った政治家が、『やれ統計改革』、『やれ統計改革』、この旗を振ること自体が不謹慎、おかしいんですよ」と批判しているが、東京大学法学部卒業後に自治省(現総務省)に入省しているエリートなのだから、もう少し言葉を選んで、「一党一派に偏った政治家」としているところを、「それぞれの政治家は一党一派の利害を代表している」ぐらいに表現すべきだろう。

安倍内閣の閣僚は安倍内閣の利害を代表しているゆえに「統計改革」を持ち出した発言となると、自ずとアベノミクスに関わる各種経済統計の見栄えを良くしたい意図を持たせている、持たせていても不思議はないゆえに、そういった利害関係から発言を読み解くと、「政治主導の経済統計改革」の正体が見えてくるぐらいのことは言うべきたっろう。

言うことが出来たなら、安倍晋三に「一党一派に偏った政治家」との発言を、「一党一派に偏よるような統計を」と言い替えられることもなかったはずだし、「何が何でも安倍政権がですね、何か偽装しようとしていたなんていう結論ありきでは正確な議論はできませんから」などと言わせずに済んだはずだ。

小川淳也が偽装に関して「これは私が思っているだけじゃありませんからね。多くの論調がありますよ。エコノミストから、外国のメディアから」といくら言おうと、証拠のない主張で片付けられるだけである。

統計手法の変更検査が民主党政権で少なかったのが、安倍政権で増えたとしていることも、偽装の何の根拠にもならない益のない発言でしかない。

追及は「統計改革を成長戦略の柱の一つに位置づけている、その根拠・理由を明らかにして欲しい」の一本に絞るべきだった。偽装の証拠を掴ませる答弁はするはずもないが、もし逃げ回るような答弁をに終止するなら、あるいは答弁に窮するようなら、偽装の証拠を掴むことが出来なくても、黒と判定できるだけの印象を国民に与えることは出来る。

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安倍晋三の国会ウソ答弁の典型 起承転結不明・理路整然欠如 2019年2月4日の衆院予算委対小川淳也との遣り取り

2019-02-08 12:14:24 | 政治
 

 安倍晋三、不正統計アベノミクス偽装 実質賃金目減りの野党追及に

 「経済の実態を表しているのは総雇用者所得で、名目でも実質でもプラスになっている」

 カネ持ちもビンボー人も含めた「総雇用者所得」 中低所得層の収入の指標足り得ない
 実質賃金が見るべき状況に達していないのは物価のプラス率とドッコイドッコイだから
 どう転んでも、「実感なき景気」を答としている点、何も変わっていない。安倍晋三、一流のゴマカシ

 
2019年2月4日の衆院予算委員会、安倍晋三は無所属(立憲民主党・市民クラブ)小川淳也から厚労相発表の2018年6月の実質賃金21年5カ月ぶりの伸びに「何らかの印象を持ったか」等を問われて、「確認していない」と起承転結不明・理路整然欠如のウソの答弁をしている。

 題名の「起承転結不明」は答弁の"組み立て"がいい加減なこと、「理路整然欠如」は議論の筋道が全く整っていない様子を表している。

 その部分の動画を載せておいたから、トクとご覧あれ。




 小川淳也「本題に入りますが、安倍総理、去年の6月に3.3%という驚異的な数字の伸び、がありました。21年5ヶ月ぶりと大きく報じられたわけ、であります。当時、安倍総理は初めて民間に対して具体的な数字を上げて賃上げ要請している。その数字が3パーセント、でありました。

 従って、何らか、この、3.3%という数字が大きく報じられたときに、何らかの印象なり、記憶なり、感想なり、があったと思うんですが、先ずそれをお聞かせ頂きたいと思います」

 安倍晋三「あのー、ご存知だと思いますが、私はそのときの、えー、毎勤(毎月勤労統計)、のですね、えー、上がる、が、上がったことについてですね、確認されては、一度もございません、私自身が。

 ですから、これ、私自身に色々印象が残っていたなら、そうだったんだろうと思いますが、私自身、実はですね、それが上がったということについて、実はいちいち毎勤統計については私は報告は受けていません。

 私が、えー、ま、統計で報告を受けるのはですね、失業率と有効求人倍率を色々、各人に於いて、総務大臣、総務大臣から報告を受けるときでございます。基本的にいちいちのですね、毎勤統計について、えー、私、一喜一憂する考えはございませんし、そもそも、もう余りにも、承知になっているでしょうけど、むしろ私は、えー、この毎勤統計についてですね、えー、ま、実は先程ご説明したんですが、事業所に於いて、その事業所の職員で割ったものの平均でございますから、経済の実態を直接示しているかどうかということについて、私はむしろそれは総雇用者所得で見るべきだという議論をいつもしていたわけでございます。

 ですから、そういう意味に於いてですね、そこは私は特別な印象を持っているわけではないわけでございます。えー、この実態から見れば、この、えー、三桁(?)あることも。

 あと、あのー、おー、その前にですね、えー、この入れ替えも、ま、お、行なわれということだったということもあるんだろうと、こう思う次第でございます」

 小川淳也「今のは今までつれないご答弁だと思いますね。これだけ毎日賃上げ要請、賃上げ要請、そして初めて具体的な数字まで上げて、そして毎月毎月、いちいち、私の考えはございませんよ。21年5ヶ月ぶりという大きな報道があったわけですから、何らかの印象が残ってるんではないかと期待をして私はが聞いたわけであります。

 しかし残念ながらその数字は嘘だったわけでありまして、今。その前後策にてんやわんやされてるわけであります」

 小川淳也は冒頭、「安倍総理、去年の6月に3.3%という驚異的な数字の伸び、がありました。21年5ヶ月ぶりと大きく報じられたわけ、であります」と言っているが、この発表があった2018年8月7日付「ロイター」記事によると、2018年〈6月の毎月勤労統計調査(速報)によると、名目賃金に当たる現金給与総額は前年比3.6%増の44万8919円と、11カ月連続で増加した。実質賃金も2.8%増と2カ月連続で増加し、ともに21年5カ月ぶりの高い伸び率となった。〉(文飾当方)と伝えている。名目賃金は前年比3.6%増の間違いだと思う。

 いずれにしても2018年8月7日厚労省発表の2018年6月「毎月勤労統計」に「何らかの印象なり、記憶なり、感想なり」を持ったかどうかを尋ねた。対して安倍晋三は「確認したことは、一度もございません」と答弁。当然、印象も記憶も感想も持たなかったことになる。つまり「毎月勤労統計」に関心を持つことはなかった。

 取り敢えずの答弁はこれのみで済ませてもいいはずである。もし小川淳也が安倍晋三が経済界の尻を叩いて、あれ程に賃金の上昇に拘っていた手前、「毎月勤労統計」に関心も持たずに鈍感でいられるとは思えないとでも新たな質問の矢を放ってきたなら、「私が統計で報告を受けるのは失業率と有効求人倍率のみで、賃金よりも総雇用者所得の方がより経済の実態を表しているゆえにより興味がある」とでも答えれば、片付くことになる。

 ところが、余分な答弁を道草を食うかのように長々と続けている。「私自身に色々印象が残っていたなら、そうだったんだろうと思います」という文言で、「印象に残っていたなら、確認するなり、報告を受けるなりした」といった趣旨の答弁をしているが、「毎月勤労統計」に関心がないことと印象がないことは相互対応した感受性として鎮座している以上、仮定の話として印象に触れるのは矛盾した、無用の発言となる。

 いずれにしても、安倍晋三にとって関心がある統計は「失業率と有効求人倍率」とより経済の実態を示している統計として総雇用者所得の3点セットだということを自ら明らかにした。

 つまり安倍晋三は「毎月勤労統計」には関心を持たない習性を自らのものとしている。であるゆえに、名目賃金、実質賃金共に21年5ヶ月ぶりの高い伸び率を報じた新聞記事に目を触れることになったとしても、あるいはテレビの報道が目に飛び込んできたとしても、関心がなかっためにどのようなの印象も持つことはなかったということになる。

 ではなぜ、最後のところで、「ですから、そういう意味に於いてですね、そこは私は特別な印象を持っているわけではないわけでございます。えー、この実態から見れば、この、えー、三桁(?)あることも。

 あと、あのー、おー、その前にですね、えー、この入れ替えも、ま、お、行なわれということだったということもあるんだろうと、こう思う次第でございます」と、弁舌巧みな安晋三にしてはつっかえたり、言いかけて途中でやめたり、発言の組み立てもいい加減、議論の筋道も全く整っていない、相手に素直に伝わらない意味不明の発言で終えることになったのだろう。

 安倍晋三はここで「毎月勤労統計調査」のサンプルの「入れ替え」に触れている。小川淳也もあとの方の質問で調査対象企業のサンプルの入れ替に触れている。サンプルの「入れ替え」には総入れ替え方式と部分入れ替え方式があって、総入れ替えだと、賃金値が下がる傾向があると発言している

 総入れ替えでなくても、サンプル選択のサジ加減一つで、賃金値を変えることもできることになるが、安倍晋三が「毎月勤労統計」に関心も印象も持っていないと言っていながら、
発言の展開上も必要がないサンプルの入れ替えに触れること自体、内心に狼狽えている何らかの心理要因を隠しているからだろう。

 このことが1点。

 また新聞、テレビにしても、世の中の出来事をそのまま伝えることもあるが、出来事に関わる解釈を伝える場合もある。出来事のみならず、その解釈も国民の解釈に大きな影響を与え得る。経済に関わる統計となると、国民の報道から受けた解釈がアベノミクスにも何らかの影響を与え得るケースも生じる。「毎月勤労統計調査」に関心もない、印象も持たないからといって、経済に関わる報道が国民に正しく伝わる内容・解釈となっているかどうかを確かめるためには統計作成の関係省庁に確認し・報告を受けなければ自身が望むことはできない。

 つまり、「毎月勤労統計調査」に関心がないで済ますことはできない。だが、済ましている。

 このことが1点。

 2018年6月の「毎月勤労統計調査」の報告を受けてもいない、自分の方からも確認していないが事実なら、その事実を手短に話せば片付く。余分なくどくどした言葉は必要はない。事実と受け取られないことを恐れる必要はない。

 だが、事実でないとしたら、事実と受け取られない恐れから、相手に事実と思わせる余分な言葉、不必要な言葉を費やすことになる。そのような答弁となっている。

 このことが1点。

 以上の3点からして、安倍晋三の国会ウソ答弁の典型が以上の発言に如実に現われていると断ぜさるを得ない。

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日大アメフト反則問題:「潰してこい」の指示が相手選手の身体を潰してこいという意味を与え得ることも可能

2019-02-06 09:52:11 | スポーツ
 

 安倍晋三、不正統計アベノミクス偽装 実質賃金目減りの野党追及に

 「経済の実態を表しているのは総雇用者所得で、名目でも実質でもプラスになっている」

 カネ持ちもビンボー人も含めた「総雇用者所得」 中低所得層の収入の指標足り得ない
 実質賃金が見るべき状況に達していないのは物価のプラス率とドッコイドッコイだから
 どう転んでも、「実感なき景気」を答としている点、何も変わっていない。安倍晋三、一流のゴマカシ
 

 2018年5月6日の日大と関西学院大のアメフト試合で悪質な反則プレーが行なわれ、相手選手が右膝の軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間の怪我を負い、この反則プレーが日大監督とコーチの指示によるものとの疑いが出て、相手選手の父親が大阪府警察に被害届を提出、その後日大の監督とコーチを傷害の疑いで警視庁に告訴した。

 対して警視庁は反則行為を指示したとされた前の監督やコーチについて反則行為の明確な指示は確認できなかったとして刑事責任は問えないと判断、立件は見送られる見通しとなったと、昨日―2019年2月5日のマスコミが一斉に伝えた。警視庁は試合の映像を場面ごとに分析、監督が指示した反則が指示通りに行なわれるかを注視していたとされていたことなどが確認できなかったことを根拠に刑事責任は問えないと判断したようだ。

 2018年5月23日に日大アメフト部の内田前監督と当時は現職だった井上コーチが「記者会見」(2018年5月24日6時0分 スポーツ報知)を開いている。反則を指示したのかどうかについて言及した箇所のみを拾ってみる。

 井上コーチ「内田監督からボクにQB(クォーターバック)を怪我させてこいという指示はございませんでした。私は宮川選手に対してQBを潰してこいと言ったのは真実です」

 記者「宮川選手(怪我させた日大選手)の会見で『潰してくる、と監督に言いに行け』とあった。宮川選手がウソをついているのか」

 井上コーチ「私が宮川選手に言ったのは、昨日の会見の通り。彼に対する思いはあるが、実際に僕がQBを潰してこいと言った経緯がある。2日前からも試合形式の練習に入れていないというのがあった。彼を試合に出そうと思って、『QBを潰してきます』と監督に言って覚悟を決めてほしいと、そういう気持ちで僕は彼に『QBを潰してこい』と言った」

 まず最初にQB(クォーターバック)について「Wikipedia」の解説に頼ると、攻撃の選手にプレーを指示する攻撃側のリーダーの役目を負うポジションであり、殆どのプレーコールで攻撃の起点となる「司令塔」のポジションであって、クォーターバックの出来がチームの結果に大きく左右する。従って、クォーターバックはチームスポーツにおいて、最も栄光と注目が集まるポジションであると紹介してる。

 要するにそのチームにとって欠かすことのできない中心選手ということになる。

 井上コーチは最初に「怪我させてこい」との指示は否定、「QBを潰してこい」と言ったことは事実として認めている。

 また、怪我をさせてこいと指示を受けたとしている宮川選手は真実を話すとして日本記者クラブで記者会見を開いている。その場で、「井上コーチから、『潰してくる、と監督に言いに行け』言われた」と発言。対して井上コーチは「『QBを潰してきます』と監督に言って覚悟を決めてほしいと、そういう気持ちで僕は彼に『QBを潰してこい』と言った」と、宮川選手の記者会見発言を否定している。

 先ず最初の問題は、「潰してこい」が「怪我させてこい」の指示となるかどうかという点。勿論、警視庁は指示とはならないと見たことになる。

 宮川選手が記者会見で井上コーチに指示されたとしている事実と、井上コーチが、その指示を否定している事実のいずれが真の事実かという点が次の問題となる。

 記者「怪我させることを指示したのか」

 井上コーチ「怪我をさせることを目的としては正直言ってない。ただ、『QBを潰してこい』と言ったのは確か。怪我をさせる目的ではない。思いっ切りそれくらいの気持ちで行ってこいと、その意味で言った」

 井上コーチはここでは「潰してこい」は「思い切って戦ってこい」の意味だとしている。

 記者「『相手QBと知り合いか』、『定期戦がなくなってもいい』、『秋の定期戦に出られなければ得』だと言ったか」

 井上コーチ「友達か、というのは言った。あと得か損かとか、そういう話はしていない。定期戦がなくなってもいいだろうということも彼には言っていない」

 宮川選手が記者会見で井上コーチから、「相手QBと知り合いか」とか、「定期戦がなくなってもいい」、あるいは「秋の定期戦に出られなければ得」だと言われた。だから、中心選手であるその選手を秋の定期戦に出られないように悪質な反則行為を仕掛けて怪我をさせ、秋の定期戦で自チームが有利に戦えるように持っていこうとしたということになる。

 「相手QBと知り合いか」と聞いたのが事実としたなら、知り合いの場合は反則行為に手加減が出ることを恐れて聞いたとする解釈も可能となる。

 「定期戦がなくなってもいい」は反則行為が問題になって、日大が秋の定期戦に出られなくなってもいい、兎に角やってこいと宮川選手を反則行為に追い詰めるための言葉、あるいはやらざるを得ないように仕向ける言葉だとしたなら、この発言にしても成り立つ。

 では、宮川選手が日本記者クラブの会見で、「井上コーチから、『潰してくる、と監督に言いに行け』言われた」と発言しているのに対して井上コーチが「『QBを潰してきます』と監督に言って覚悟を決めてほしいと、そういう気持ちで僕は彼に『QBを潰してこい』と言った」としていることの事実性を考えてみる。

 「『QBを潰してきます』と監督に言って覚悟を決めてほしい」の「ほしい」は"監督に言う"という行為に伴う「覚悟」への要求であり、"監督に言う"という行為がなければ成り立たない「覚悟」であるのに対して「そういう気持ちで」以下は行為を伴わない、いわば気持ちだけの「覚悟」への要求であって、前後の脈絡に関連性は存在しない。

 いわば前段の「覚悟」への要求は行為への要求ともなっていて、その覚悟を否定して、気持ちだけの「覚悟」への要求に変えている。このゴマカシから言って、井上コーチが言っていることは疑わしい。

 では、最初の問題点、「潰してこい」が「怪我させてこい」の指示となるかどうかという点。

 例え偶発的な反則であっても、レフリーや相手チームの選手や監督、あるいは観客が衆人環視の役を担っていて、反則と知られないで済ます確率はセロに近い。知られなかった例があったとしても、偶然の出来事であろう。

 但し偶発的な反則を装うことで、意図的反則であることは隠すことができる。この反則問題でも、宮川選手が記者会見で監督とコーチから指示があったと証言したことによって意図的反則であることが判明した。

 相撲やボクシングといった個人競技で、師匠なりセコンドなりが、「潰してこい」と指示した場合、一対一のフェアプレーをタテマエとした衆人環視下で、その指示を偶発的な反則を装って相手の身体に怪我や打撃を与える行為に変えることは不可能に近い。当然、「潰してこい」はフェアプレーの形で徹底的に相手を打ち負かせてこいという意味しか取りようがない。

 また、団体競技であっても、自チームの全員に対して相手チームを「潰してこい」と指示した場合は、全体対全体の形を取ることになり、「自チーム全体で相手チームを徹底的にやっつけてこい」という意味を示すことになる。自チームの一人ひとりが全体となって相手チームの誰かを標的に偶発的な反則を装った意図的反則行為で怪我を負わせるといった形式は取りようがない。

 だが、自チームの少人数が承知していることであっても、自チームの誰か一人を特定して、あるいは二人程度を特定して、多くのメンバーには内緒で、相手チームの中心選手一人を標的に「潰してこい」と指示した場合の個人対個人の形での「潰してこい」は、その状況から言っても、「動きを止めろ」といった文脈の指示ではないことからも、指示された選手が偶発的な反則を装った意図的反則行為で相手を怪我をさせてこいと言われたと受け取ったとしても、あり得る話となる。

 ましてや宮川選手が記者会見で証言しているように井上コーチが「相手QBと知り合いか」とか、「定期戦がなくなってもいい」、あるいは「秋の定期戦に出られなければ得」等々のことを事実言っていたとしたら、これらとの文脈の繋がりから、「潰してこい」を相手の身体に反則行為をしてでも打撃を与えてこいと言われたと解釈したとしても、一点の合理性もないと否定し去ることはできない。

 「潰してこい」の指示が言葉通りに意図的反則行為で相手選手の身体を潰してこいという意味だと取り得ることもあり得るということである。

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