前原誠司の小沢氏無罪でも党員資格停止処分解除慎重は公平・公正欠如のためにする主張

2012-04-21 09:41:11 | Weblog

 政治資金規正法違反で強制起訴された小沢元民主党代表が4月26日(2012年)の判決を前に無罪の可能性に期待を賭け、政治活動の最前線に立たんとする意欲を見せ始めた。《小沢氏 野田首相に代わる党代表を》NHK NEWS WEB/2012年4月18日 21時38分)

 4月18日のインターネット番組。

 小沢元代表「(消費税増税法案について)国民の大多数が反対しているものが国会を通過することはないと思う。野田内閣が党内議論を強権で打ち切り、増税一本という姿勢は、決して国民の支持は得られない。内閣支持率が20%を切ったらもたない。

 (9月予定の民主党代表選について)仮に9月までに代表選が行われるとしたら、『国民の生活が第一』と訴えた、政権交代の初心や志を持っている人を代表に選んで、次の衆議院選挙に臨むべきだ」

 実現可能性は別にして、野田首相退陣を自身の予定表に入れている。

 但し記事が伝えている発言からは、「政権交代の初心や志を持っている人」が自身を含めているのかまでは判別不可能である。

 2日後の4月20日の政治資金パーティーでの挨拶。《小沢氏“無罪判決で政治活動専念》”(NHK NEWS WEB/2012年4月20日 17時2分)

 小沢元代表「3年余りも苦しい時間を過ごしてきたが、来週判決が出る。皆さんの真心が通じ、天に声が届いてはっきりしたら、もう一度、最後のご奉公ができるよう頑張りたい。

 (民主党の現況について)党が国民の期待に応えられていない。任期満了まであと1年半しかないとも言えるが、まだ1年半あるとも言える。勇気を持ってやればなんとかなるので、2年半前の原点に戻って、政権交代の期待に応えられるよう、最後まで頑張りたい」

 「最後のご奉公」が一党員としての「ご奉公」を目指しているのか、党代表・総理としての「ご奉公」を目指しているのかも判読不可能である。

 だが、18日のインターネット番組での小沢氏の発言を扱っている、《内閣改造は不可避 輿石氏抵抗 首相二の足 小沢氏攻勢》MSN産経/2012.4.19 00:36)になるとニュアンスが違ってくる。

 記事は前田国交相と田中防衛相の参院問責決議案可決の場合の内閣改造不可避の可能性を主として伝えている。

 その上で、記事は〈首相の苦境に「勝機」を嗅ぎ取ったのか。民主党の小沢一郎元代表はインターネット番組でこう断じた。〉と解説。

 小沢元代表「内閣支持率が20%を切る状況になったら民主党が持たない。9月までに党代表選が行われれば、政権交代の初心を持っている人を代表に選び、衆院選に臨むべきだ。(自らの代表選出馬が)天命ならどんな役割でもする。日本に民主主義が定着するように最後のご奉公をしたい」

 記事が、(自らの代表選出馬が)と注釈を付けなくても、「天命ならどんな役割でも」と言っている以上、「天命」の中に党代表・総理大臣を排除していない意欲を窺うことができる。

 その資格は政治経歴、知見、どれ一つ取っても十分にあるはずだ。

 勿論、民主党内には反小沢派が無視できない数で蠢いている。その急先鋒の一人前原誠司が小沢氏の意欲に警戒感を示してのことだろう、早速牽制発言をしている。

 《早期処分解除に慎重 前原氏、小沢氏無罪でも》MSN産経/2012.4.20 21:29)

 記事は冒頭次のように伝えている。〈民主党の前原誠司政調会長は(4月)20日、小沢一郎元代表が26日の東京地裁判決で無罪になっても、党員資格停止処分の解除に慎重に対応すべきとの認識を表明。〉――

 この「認識を表明」とはBS「日テレ番組」収録での発言。

 前原誠司「小沢氏無罪の場合の党員資格停止問題について)政府・民主三役会議で一切話してない。

 裁判は三審制だ。判決確定まで時間がかかる(可能性がある)

 この段階で「政府・民主三役会議で一切話してない」ということは、最終判決が確定するまで党員資格停止処分の解除の予定はないということなのだろう。

 だが、発言自体が公平・公正を欠いた、欠いているゆえに卑劣と表現できる判断の提示となっている。

 勿論、現在のところ1審無罪獲得と断定できるわけではない。有罪の可能性も否定できない。但し、記事冒頭が伝えているように無罪を前提とした発言だからこそ、「三審制」を持ち出したはずだ。

 有罪の場合、小沢氏側の控訴は確定事実だろうから2審に進んで裁判はなお長期化するはずが、そうであっても「三審制」を持ち出すまでもなく、1審有罪を背負った小沢氏に対する党員資格停止処分解除は問題外となり、有罪を前提とした発言ではないことが分かる。

 但し無罪を前提とした発言であるなら、検察官役の指定弁護士側が控訴し、2審、さらには3審へと進んで裁判が長期化する可能性のみが残されているわけではない。

 判決内容によって裁判を維持できる有罪性を見い出せない場合、検察官役の指定弁護士側の控訴断念という選択肢の可能性も十分に想定し得るはずである。

 だが、前原誠司は控訴断念という選択肢の可能性を頭から排除して、控訴を唯一絶対の可能選択肢と看做し、「判決確定まで時間がかかる」からと党員資格停止処分解除の可能性を否定している。

 いわばを党員資格停止処分非解除を口実・手段にして小沢氏の全面的政治活動を阻止する意志を見せたということなのだろう。

 このような判断を以って公平・公正な合理性を備えた姿勢と言えるだろうか。

 口先番長と言われている言行不一致の政治家だけあって、自身に都合のいいことだけを言うのも無理はないが、反対派の活動を封じるにしても、あくまでも合理性を備えた、正々堂々とした公平・公正な阻止行動に徹しなければ、大物政治家だとは決して言えない。

 尤も前原グループの仙谷や枝野が元弁護士時代に培った人脈を利用して、2審で有罪獲得の可能性がなくても、党員資格停止処分解除回避のために控訴して裁判を長期化させるてくれと裏から手を回す陰謀のシナリオが既に出来上がっていたとしたら、検察官役の指定弁護士側の控訴断念という選択肢の可能性はゼロとなって、前原の発言は合理性も合理性、チョー合理性を備えた、確信犯的発言とはなる。

 前原、仙谷、枝野といった面々はそれぐらいのことはしかねない陰謀性満ち溢れた優れた政治家だと言うことはできる。

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