国際労働機関(ILO)は今月11日、激化する自由競争の影響で労働者の待遇が悪化し、世界で少なくとも1230万人が奴隷に等しい立場に追いやられていると告発しました。
こうした奴隷は、特にアジアや南米に多く、主に農場で強制労働を強いられています。
奴隷の半分近くが、未成年だと考えられているそうです。
相続放棄という制度が整っていない地域では、祖先の残した負債がそのまま子孫に受け継がれるため、彼らは生まれながらにして莫大な借金に縛られているのです。
自由経済は、あくまで全人類の発展のための手段です。すでに豊かな5%をますます豊かにするために、自由経済があるのではありません。しかし現状は、勝ち組に富を一極集中させる結果を招いています。世界中の資本の4割が、アメリカ国内に集中しているといわれています。
日本においても、この傾向はますます顕著になっています。ソフトバンクの孫社長が、一時的にせよビル・ゲイツを抜いて世界一の大富豪になる一方で、自己破産やリストラ自殺が急増しています。あきらかに、資本主義は行き過ぎています。
しかし、先進国は一様に少子高齢化に突入しており、今後に備えてなりふりかまわず稼いでおきたいというのが現実です。
今後、勝ち組になっていくのは、ファイナンスに長けた人々です。どれだけ素晴らしい製品を開発する能力があろうと、運転資金を回していく才覚に欠けていれば、それだけで負け組確定です。
日本が借金まみれになった原因は、まさにこのパターンです。世界最高の技術力を持ちながら、無計画な輸出偏重や国債発行を繰り返したために、生活は苦しくなる一方です。
ファイナンスの基礎は、原則として全ての人が学んでいくべきだと思います。ファイナンスにさえ長けていれば、誰もが勝ち組に成り上がるチャンスのある時代なのだから。
しかしながら、チャンスが平等に与えられたとしても、人間には適性がありますから、結果にはどうしても差がつきます。勝ち組がますます稼ぐ一方で、負け組の賃金はどんどん下がり、貧富の差は無限に広がっていきます。
それを放置すると、どうなるか。労働者はイコール消費者ですから、彼らが貧しくなることで、消費がどんどん冷え込みます。世界的なデフレの流れは、グローバル競争が招いた必然なのです。
今の、企業主導の自由競争には、「消費者に投資し、消費者を育成する」という視点が欠けているのです。
一方、ますます豊かになる勝ち組が、その有り余る富を投じているのが、ハイリスク・ハイリターン商品のディリバティブです。世界的に消費が冷え込んでいますから、設備投資しても商品が売れません。そのために、本来ならば雇用を生んで消費を回復させるべき資金が、ギャンブルに等しいディリバティブに注ぎ込まれているのです。
いまや、現物株などへの投資をはるかに上回る金額が、ディリバティブに投じられており、市場をしばしば混乱させています。バブル崩壊やアジア金融危機は、典型的な例です。
ディリバティブは、もともと現物が暴落した場合の保険として発展してきた商品ですから、そのメカニズム上、市場が安定しているより、混乱したほうが、莫大な利益を挙げられるのです。万馬券と同じですね。そのため、一攫千金を狙うファンドが市場の混乱を誘導することなど、日常茶飯時です。
本来、市場は「投資」の場であって、「投機」の場ではありません。かの世界恐慌も、投機バブルの崩壊が原因でした。これによって過剰な投機は市場から締め出されますが、70年代から自由競争の名の元に規制緩和され、同じ過ちを犯そうとしています。
人類がよほどバカでない限り、近い将来、世界中の市場で、再びディリバティブに対する厳しい規制が導入されるでしょう。また、そうあらねばならないと思います。市場はカジノではないのです。人類史上、ギャンブルを野放しにして発展してきた社会があるでしょうか?
もうひとつ、貧富の差が拡大し続けている以上、富裕税の導入も必要です。フランスではすでに、100万ユーロ以上の資産家には、最高で毎年1.8%の富裕税がかけられているそうです。同時テロ以来、隠し資産の洗い出しが厳しくなっていますから、税金逃れは通用しなくなっていくでしょう。
これは、世界共通で導入しなければ意味がありません。特定地域で富裕税がかからないということになると、世界中の資産家がそこに移住してしまいます。
これからの資産家は、一代で富を築く才覚を持った人々です。こうした人々が特定地域に独占されるのは、好ましくありません。彼らにやる気を出させるためにも、ある程度リッチな生活を送れるだけの個人資産は、残しておかねばならないと思います。それにしても、10億円以上の個人資産は、扶養家族が何十人もいない限り、たぶん必要ないでしょう。
日本の場合、富裕税を設けると同時に、相続税率を再び引き上げるべきでしょう。世の中には、負債以外に相続するものがない人が大勢います。巨額資産の相続を放置しておけば、スタートラインに絶対的なハンディが生じますから、身分の固定化を招きます。
しかし、もし相続税が100%だったら、目一杯負債を残して逝ってしまう人が増えるでしょうから、ある程度までは無課税が理想です。
所得税も、すでに資産がある人ほど累進課税で重くなる仕組みにすべきでしょう。逆に、一定以上の資産を築いていない層は、無課税でかまわないと思います。
欧米では、所得税はもともと富裕層のみを対象とした税制でした。「富裕層の不労所得を没収して消費者に投資する」のが、近代社会における税の精神なのです。
逆に、法人税や消費税は、引き下げる必要があります。
法人税が下がれば、世界から優良企業が集まってくると同時に、従業員の雇用や賃金、福利厚生を充実させる余裕が生まれます。
日本では70年代後半から、人件費に費やすべき余剰資金を、貿易狙いの過剰な設備投資に向けてしまいました。
そのためにバブル崩壊後、内需は停滞し、影響は今日にまで至っています。
企業の税負担を軽減させる条件として、最低賃金を引き上げると同時に、労働法の遵守を徹底させる必要があります。
消費税は、一国の経済を停滞させるには、最高の税制です。
余剰資産のある人は、それを処分しない限り課税されませんから、資産全体にかかる消費税は少しで済みます。しかし、資産もなく収入も少ない人は、収入が丸ごと消費に費やされますから、まるまる5%(実質としては100%)を負担しなければ生きていかれない。これでは貧富の差が開いて当然です。消費税は、貧しい層ほど負担が増す税制なのです。しかも、富裕層まで消費を先送りするようになります。
まして、生活必需品にも贅沢品にも一様に課税されるという仕組みは、正気の沙汰とは思えません。あらゆる意味で、最悪の税制です。
現在、「今後を考えたら消費税を上げるのはやむを得ない」という意見が大勢を占めていますが、どんなに国民負担を上げようが、税収の20倍にまで膨らんでしまった借金を返し切れるはずがありません。
もし、あなたの年収が500万円で、借金が2億円(雪だるま式に膨らみ続ける)だったら、どうしますか? しかも、これから年老いた両親を養っていかねばならないとしたら。無駄な努力は止めて、さっさと破産してしまったほうがいいでしょう。
今、日本がすべきことは、まずさっさと破産して公務員の大リストラを実施し、徹底した緊縮財政を断行することです。高度成長は、全く赤字国債を発行することなく成し遂げられました。急成長するためには、負債を抱えてはいけないのです。
その上で、消費税を廃止し(減税は、消費者投資の最も簡単な方法です)、消費者を育成する。内需拡大、雇用創出に全力を注ぐ必要があります。
これができれば、日本は10年で蘇ります。
日本の中小企業には、人類史上最高の技術力が蓄積されています。これは計り知れない含み資産なのです。財政さえ再建できれば、日本は必ず蘇ります。
僕は、熱烈な自由競争主義者を自負しています。フェアな競争こそ、発展の源だと信じています。
しかし、無政府主義ではありません。フェアな競争は、ルールなくして成り立ちません。世界人権宣言にも、日本国憲法にもあるように、全ての人間には、自らの尊厳を損なわれない水準の生活を送る権利があります。
独占禁止法があれば、労働基準法も必要です。バランスです。
あらゆる経済の前提は、消費者の存在です。消費者が豊かであってこそ、資本家も労働者も豊かになれるわけです。しかし、今日のグローバル経済では、消費者への投資、育成がないがしろにされています。このアンバランス、全体観の欠如が、最大の問題なのです。
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こうした奴隷は、特にアジアや南米に多く、主に農場で強制労働を強いられています。
奴隷の半分近くが、未成年だと考えられているそうです。
相続放棄という制度が整っていない地域では、祖先の残した負債がそのまま子孫に受け継がれるため、彼らは生まれながらにして莫大な借金に縛られているのです。
自由経済は、あくまで全人類の発展のための手段です。すでに豊かな5%をますます豊かにするために、自由経済があるのではありません。しかし現状は、勝ち組に富を一極集中させる結果を招いています。世界中の資本の4割が、アメリカ国内に集中しているといわれています。
日本においても、この傾向はますます顕著になっています。ソフトバンクの孫社長が、一時的にせよビル・ゲイツを抜いて世界一の大富豪になる一方で、自己破産やリストラ自殺が急増しています。あきらかに、資本主義は行き過ぎています。
しかし、先進国は一様に少子高齢化に突入しており、今後に備えてなりふりかまわず稼いでおきたいというのが現実です。
今後、勝ち組になっていくのは、ファイナンスに長けた人々です。どれだけ素晴らしい製品を開発する能力があろうと、運転資金を回していく才覚に欠けていれば、それだけで負け組確定です。
日本が借金まみれになった原因は、まさにこのパターンです。世界最高の技術力を持ちながら、無計画な輸出偏重や国債発行を繰り返したために、生活は苦しくなる一方です。
ファイナンスの基礎は、原則として全ての人が学んでいくべきだと思います。ファイナンスにさえ長けていれば、誰もが勝ち組に成り上がるチャンスのある時代なのだから。
しかしながら、チャンスが平等に与えられたとしても、人間には適性がありますから、結果にはどうしても差がつきます。勝ち組がますます稼ぐ一方で、負け組の賃金はどんどん下がり、貧富の差は無限に広がっていきます。
それを放置すると、どうなるか。労働者はイコール消費者ですから、彼らが貧しくなることで、消費がどんどん冷え込みます。世界的なデフレの流れは、グローバル競争が招いた必然なのです。
今の、企業主導の自由競争には、「消費者に投資し、消費者を育成する」という視点が欠けているのです。
一方、ますます豊かになる勝ち組が、その有り余る富を投じているのが、ハイリスク・ハイリターン商品のディリバティブです。世界的に消費が冷え込んでいますから、設備投資しても商品が売れません。そのために、本来ならば雇用を生んで消費を回復させるべき資金が、ギャンブルに等しいディリバティブに注ぎ込まれているのです。
いまや、現物株などへの投資をはるかに上回る金額が、ディリバティブに投じられており、市場をしばしば混乱させています。バブル崩壊やアジア金融危機は、典型的な例です。
ディリバティブは、もともと現物が暴落した場合の保険として発展してきた商品ですから、そのメカニズム上、市場が安定しているより、混乱したほうが、莫大な利益を挙げられるのです。万馬券と同じですね。そのため、一攫千金を狙うファンドが市場の混乱を誘導することなど、日常茶飯時です。
本来、市場は「投資」の場であって、「投機」の場ではありません。かの世界恐慌も、投機バブルの崩壊が原因でした。これによって過剰な投機は市場から締め出されますが、70年代から自由競争の名の元に規制緩和され、同じ過ちを犯そうとしています。
人類がよほどバカでない限り、近い将来、世界中の市場で、再びディリバティブに対する厳しい規制が導入されるでしょう。また、そうあらねばならないと思います。市場はカジノではないのです。人類史上、ギャンブルを野放しにして発展してきた社会があるでしょうか?
もうひとつ、貧富の差が拡大し続けている以上、富裕税の導入も必要です。フランスではすでに、100万ユーロ以上の資産家には、最高で毎年1.8%の富裕税がかけられているそうです。同時テロ以来、隠し資産の洗い出しが厳しくなっていますから、税金逃れは通用しなくなっていくでしょう。
これは、世界共通で導入しなければ意味がありません。特定地域で富裕税がかからないということになると、世界中の資産家がそこに移住してしまいます。
これからの資産家は、一代で富を築く才覚を持った人々です。こうした人々が特定地域に独占されるのは、好ましくありません。彼らにやる気を出させるためにも、ある程度リッチな生活を送れるだけの個人資産は、残しておかねばならないと思います。それにしても、10億円以上の個人資産は、扶養家族が何十人もいない限り、たぶん必要ないでしょう。
日本の場合、富裕税を設けると同時に、相続税率を再び引き上げるべきでしょう。世の中には、負債以外に相続するものがない人が大勢います。巨額資産の相続を放置しておけば、スタートラインに絶対的なハンディが生じますから、身分の固定化を招きます。
しかし、もし相続税が100%だったら、目一杯負債を残して逝ってしまう人が増えるでしょうから、ある程度までは無課税が理想です。
所得税も、すでに資産がある人ほど累進課税で重くなる仕組みにすべきでしょう。逆に、一定以上の資産を築いていない層は、無課税でかまわないと思います。
欧米では、所得税はもともと富裕層のみを対象とした税制でした。「富裕層の不労所得を没収して消費者に投資する」のが、近代社会における税の精神なのです。
逆に、法人税や消費税は、引き下げる必要があります。
法人税が下がれば、世界から優良企業が集まってくると同時に、従業員の雇用や賃金、福利厚生を充実させる余裕が生まれます。
日本では70年代後半から、人件費に費やすべき余剰資金を、貿易狙いの過剰な設備投資に向けてしまいました。
そのためにバブル崩壊後、内需は停滞し、影響は今日にまで至っています。
企業の税負担を軽減させる条件として、最低賃金を引き上げると同時に、労働法の遵守を徹底させる必要があります。
消費税は、一国の経済を停滞させるには、最高の税制です。
余剰資産のある人は、それを処分しない限り課税されませんから、資産全体にかかる消費税は少しで済みます。しかし、資産もなく収入も少ない人は、収入が丸ごと消費に費やされますから、まるまる5%(実質としては100%)を負担しなければ生きていかれない。これでは貧富の差が開いて当然です。消費税は、貧しい層ほど負担が増す税制なのです。しかも、富裕層まで消費を先送りするようになります。
まして、生活必需品にも贅沢品にも一様に課税されるという仕組みは、正気の沙汰とは思えません。あらゆる意味で、最悪の税制です。
現在、「今後を考えたら消費税を上げるのはやむを得ない」という意見が大勢を占めていますが、どんなに国民負担を上げようが、税収の20倍にまで膨らんでしまった借金を返し切れるはずがありません。
もし、あなたの年収が500万円で、借金が2億円(雪だるま式に膨らみ続ける)だったら、どうしますか? しかも、これから年老いた両親を養っていかねばならないとしたら。無駄な努力は止めて、さっさと破産してしまったほうがいいでしょう。
今、日本がすべきことは、まずさっさと破産して公務員の大リストラを実施し、徹底した緊縮財政を断行することです。高度成長は、全く赤字国債を発行することなく成し遂げられました。急成長するためには、負債を抱えてはいけないのです。
その上で、消費税を廃止し(減税は、消費者投資の最も簡単な方法です)、消費者を育成する。内需拡大、雇用創出に全力を注ぐ必要があります。
これができれば、日本は10年で蘇ります。
日本の中小企業には、人類史上最高の技術力が蓄積されています。これは計り知れない含み資産なのです。財政さえ再建できれば、日本は必ず蘇ります。
僕は、熱烈な自由競争主義者を自負しています。フェアな競争こそ、発展の源だと信じています。
しかし、無政府主義ではありません。フェアな競争は、ルールなくして成り立ちません。世界人権宣言にも、日本国憲法にもあるように、全ての人間には、自らの尊厳を損なわれない水準の生活を送る権利があります。
独占禁止法があれば、労働基準法も必要です。バランスです。
あらゆる経済の前提は、消費者の存在です。消費者が豊かであってこそ、資本家も労働者も豊かになれるわけです。しかし、今日のグローバル経済では、消費者への投資、育成がないがしろにされています。このアンバランス、全体観の欠如が、最大の問題なのです。
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