閉鎖的社会は、身分の固定を招きます。そこでは人生の可能性が限られ、身分の差はどんどん強化されていくのです。最終的には、1人の独裁者と、その他の奴隷しかいない社会に成り果てます。北朝鮮は典型的です。
日本において、近代まで民主主義が育たなかったのは、長すぎた鎖国のためでした。商人が台頭し、武士階級が必要性を失っても、なお実権は武士が握り続けました。
日本の官僚システムがこれほど見事に硬直化してしまっているのは、何よりもキャリアの閉鎖性に起因しています。そもそも、入った時点でキャリアか否かが決定されてしまう組織など異常でしょう。おまけに、東大法学部を中心とする特定学閥が、公然とトップ人事を独占しています。
昇進には学生時代の上下関係が強く影響するため、後輩は先輩の業績にケチをつけられません。改革が必要な時期になっても、学閥から弾かれるのを恐れて、何もできないのです。省庁というムラが全世界になってしまっているわけです。閉鎖的組織の弊害が、見事に出ています。
まず東大法学部そのものを廃止するのは当然として、日本の大学と縁のない人物を採用することが必要でしょう。人事がオープンになれば必然的に流動化し、多様な人材が集まってきます。それでこそ、一国の中枢としての機能が果たせるのではないでしょうか。
開放的社会では、身分が常に流動し、生き方も多種多様となります。それが維持されている限り、おおむね健全な社会といえるのではないでしょうか。
アメリカは表面的にはオープンですが、いざ中を見れば、人種差別は歴然としています。戸口は開かれているものの、入れるのは客間まで。居間はWASPが独占しています。まだまだ、有色人種から大統領が出せる段階ではありません。コアが閉鎖され、硬直している。それが、様々な社会病理の源でしょう。
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