名詞の複雑化とは

2015年08月17日 21時57分24秒 | 文法的整理
8月12日の投稿は「英語をしゃべるとはいかなる行為か」というタイトルでした。その中で、
一番問題になるのは、名詞の表現ではないかと述べました。

現実の英語表現では、名詞表現、名詞の構成が、しばしば簡単ではないケースがあります。
その具体的な例を「データで見る日本」から見ていきたいと思います。

次の文を見てください。

So because of these factors, the family norm that has been deeply rooted
in Japanese society that "the family should take care of its own elderly parents"
is now undergoing change.
それらを背景に、「老いた親の介護は家族がするもの」という、これまで日本社会に根強く
あった家族の規範が、人々の意識の中で揺れ動いているのではないでしょうか。

以下の説明では、「So because of these factors,」の部分を割愛します。
この文章の基本構造は、the family norm is now undergoing change.です。
きわめて簡単な構造である。
けれどもこの中の名詞が各種の修飾で複雑化すると、次第に難しくなってくる。

まず、複雑化されてくる第一の要因は、関係代名詞による修飾である。ここでは、
that has been deeply rooted in Japanese socoiety がそれである。

さらに、上述の英文の例では、接続詞thatでnorm に同格の名詞節 that "the family
should take care of its own elderly parents" が構成されて、後置修飾されている。

一般的に口頭表現では英文は簡単に言うようにする傾向があり、私もそうしている。ただし、
この「データで見る日本」は、逆に口頭表現ではどこまで難しげに、あえて複雑な表現が
可能かの参考になる。(これは事前に原稿を用意していて、外国人のアナウンサー役が話し
ているのであろう。)

なお、上記の英語をもっと平易にしゃべろうとしたら、文章を分割してしゃべればいい。
Japanese people have long thought the family should take care of their own parents.
It has been a deeply-rooted way of thinking, I think. But now,it seems to be undergoing change.

norm は頻度の高くない名詞なので、way of thinking としました。

要するに、難しく映るのは、名詞であり、名詞の複雑化である。その一つが関係代名詞で
ある。

that による同格説明は仕方のないところかもしれない。

ただし、ある一つの名詞、ここではnormに対して、関係代名詞による説明と、that節に
よる説明が、重ねられているので、難しさが倍加されている。



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