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ブロック・レスナーについて 5

2005年10月15日 | スポーツ
~再起~
レスナーの絶大なパワーに魅せられた観客は、彼に惜しみない声援を送るようになっていた。
マイクアピールもすこしずつ身につけ、虎視眈々とベルト奪回を狙い、ビッグショーに復讐を果たし30人時間差バトルロイヤル「ロイヤルランブル」で優勝し、王座挑戦権を獲得。
WWE最大の祭典「レッスルマニア」で王者カート・アングルと戦うことになった。

カートは96年アトランタ五輪にてレスリングで金メダルを獲得、キャリアは浅いが驚異的なプロレス技術と抜群の演技で「世界最高のレスラー」と呼ばれる人物である。
戦いは熾烈をきわめた。カートは首の古傷を痛め「これが最後の試合かと思った」と言うほどの重傷。レスナーもこれで試合を決めるはずだったシューティングスタープレスを痛恨の自爆。脳天からマットに墜落し「自爆の後はまったく記憶がない」状態に陥りつつも、まさに本能でカートのフォールを返し、必殺技を叩き込んで王座に返り咲いた。
しかし試合後は脳震とうで茫然自失。観客にアピールすらできず、ロープにもたれたまま目はうつろ。担架まで運ばれてきたがどうにか自力で退場と、満身創痍の勝利だった。

失った王座を取り戻したレスナーは格段に進化していた。
ベビーとして定着し、挑戦者を受け止める王者の風格も備え、しゃべりも上達した。
パワーには更に磨きがかかり、220キロにランニングパワーボム220キロを投げてリング崩壊巨体が飛ぶぞ空飛ぶぞと、留まるところを知らない。

そして真の意味でWWEの頂点に立った彼に、二度目の転機が訪れる……。