~あらすじ~
まだ見ぬ祖父に会うため、生まれて初めて鉄道に乗車する雁ヶ谷空海。雪の北海道を行く特別急行<幻夜>で、彼女を待ち受ける運命とは?
未曾有のタッグで贈る、至極の鉄道ミステリ。
~感想~
館シリーズでおなじみ本格ミステリ再興の旗手・綾辻行人が原作を手がけたミステリ漫画。
絵の描き込みはともかく、コマ割り、人物の動き・表情などぶっちゃけ下手だと思うのだが、どこか幻想的な雰囲気は綾辻作品にぴったり。背景の細かい描き込みも、本格ミステリに付き物の伏線を描くにあたって非常に適しており、いい絵描きさんを見つけてきたというところ。
おそらく事件の真相や犯人よりも、下巻の冒頭で明かされる大ネタがメイントリックだが、これが館シリーズの一編として出してもなんら恥じることのないすばらしい大仕掛けである。漫画ならではの伏線も凝らされ、できればこれに事件の真相を絡ませていれば百点満点だったが、そこまで望むのは無いものねだりだろうか。
長大化の一途をたどる綾辻作品ながらこれは上下巻と手頃で、ふんだんにまぶされた鉄道ネタも楽しく読みやすいので、誰でも気軽に手に取れる良作である。綾辻・佐々木ファンは当然として、ミステリ好きもぜひお見逃しなく。
評価:★★★☆ 7
まだ見ぬ祖父に会うため、生まれて初めて鉄道に乗車する雁ヶ谷空海。雪の北海道を行く特別急行<幻夜>で、彼女を待ち受ける運命とは?
未曾有のタッグで贈る、至極の鉄道ミステリ。
~感想~
館シリーズでおなじみ本格ミステリ再興の旗手・綾辻行人が原作を手がけたミステリ漫画。
絵の描き込みはともかく、コマ割り、人物の動き・表情などぶっちゃけ下手だと思うのだが、どこか幻想的な雰囲気は綾辻作品にぴったり。背景の細かい描き込みも、本格ミステリに付き物の伏線を描くにあたって非常に適しており、いい絵描きさんを見つけてきたというところ。
おそらく事件の真相や犯人よりも、下巻の冒頭で明かされる大ネタがメイントリックだが、これが館シリーズの一編として出してもなんら恥じることのないすばらしい大仕掛けである。漫画ならではの伏線も凝らされ、できればこれに事件の真相を絡ませていれば百点満点だったが、そこまで望むのは無いものねだりだろうか。
長大化の一途をたどる綾辻作品ながらこれは上下巻と手頃で、ふんだんにまぶされた鉄道ネタも楽しく読みやすいので、誰でも気軽に手に取れる良作である。綾辻・佐々木ファンは当然として、ミステリ好きもぜひお見逃しなく。
評価:★★★☆ 7