誰しも「至福の時」があると思う。僕も最近、極々ささやかであるが「至福の時空間」を持っている。それは仕事から帰ってきて、ベランダに出て煙草を吹かし?いや吹かし煙草をしてビールを飲む。陽が傾き、暮れゆく大空に変わって、夜風が僕を包んでくれる。この時間帯は晩御飯の支度が忙しく、妻も口サンデーで一日で唯一静かな時だ。ところが今日は僕のつまらない一言が誘い水となり、妻の口が「たて板に水」になってしまった。帰ってきたら、車が少し動いていたので、僕「今日は何処かへ出かけたんか」妻「スーパーへいった。今日は30円引きやったのよ」30円引きって何や。僕「100円が30円引きか、1万円が30円引きかわからへん。言うなら3割引きと違うか」ムッとして妻「誰が1万円のものが30円引いただけで買いに行くの。一を聞いたら十を悟る。わかった。」そんなもんかいなって思っていると、話を変えて、妻「ミニトマトの苗が一つ枯れてしまった。」確かに、三苗あったうちの一つが枯れている。しかし他の二つが元気だったので、僕「二つは元気に育ってるよ」すると、妻「誰も元気な苗の話をしてない。こういうときはーそうやね。枯れてしまったねーで言いの。ピンとがずれてるよ。しっかりして」それからは妻の口から機関銃のように言葉が出てきて、至福の時が台無しになってしまった。浜の真砂は尽きるとも、妻の悪口雑言尽きることなし。
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