今日、仕事で桂離宮の傍まで出かけた。帰りに新婚の時に住んでいた上桂の家の前を通った。懐かしい街並みの中に、建て替えられているが家があった。玄関の門扉は前のままを使われていて、その隅に大中小の石ころが土に埋まっているのが見えた。
ふと、この家に住んでいた頃の事が走馬灯のように蘇ってきた。この家に来て娘が生まれた。その時、近くの溝川で大中小の石ころを拾って来て、門扉の傍に並べて置いた。大・小・中の順に。この家には親子3人が暮らしていますよというようなイメージで・・・
もう40年近く前の事だが、思い出は昨日の事のように次から次へと湧いて出てきた。毎日、娘に会いたくて仕事が終われば一目散に帰ってきていた。休みの日はずっと娘と一緒にいた。おむつを替えたり、お風呂も僕が入れていた。
無けなしの小遣いから1週間ごとに小さなぬいぐるみを娘に買っていた。そのうち、ベビーベッドがぬいぐるみでいっぱいになっていた。
最近、「幸せ」について考える事が多いが、あの頃は間違いなく幸せだった。お金もなく食べるだけで精一杯だったけれど・・・子供から沢山の幸せをもらった。
今、その娘が孫から幸せをもらっている。時々、アメリカにいる娘から幸せそうな家族の写真や動画が送られてくる・・・・・