診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

胃洗浄

2014年02月25日 | 診療
あれは大雪が降って何日か過ぎた昼休みのこと。

ちょうど昼の犬の散歩から帰ってきて、
夕方出かける時のジャケットなどを迷っていた時、
内線電話が鳴りはじめた。

昼当番の看護師さんが困った声で
「今外来に、古い牛乳を飲んじゃったという方がみえているんですが・・・」

最初それを聞いた時には、
飲んだばかりなら、症状もないだろうから、
整腸剤など飲ませて、様子をみてもらおうかと、思ったのですが。

行ってみると、
3ヶ月ぐらい前の牛乳で、捨てるつもりだったのを、
間違って飲んでしまったそうな。

この辺の事情は、聞いてもどうして飲んじゃったのか
僕の想像力を遙かに超えているので、理解不能です。

患者さんが興奮していて、
「とにかく、胃の中のものを出してください。」というので、
「胃洗浄ですか?」
「そうそう、それそれ、それやってください。」

開業以来、胃洗浄などやったことがありません。

「道具があるかわからないので、ちょっと探してみますね。待っていてください。」
出来れば20年前のマーゲンチューブなどみつからなくて、
「道具がないので、残念ですが、出来ません。」
そういう展開を願っていたのですが、

こういうときに神様は いたずら心を出すらしく、
簡単に一本しかないマーゲンチューブが見つかってしまうわけです。

それでやるしかない展開となり、
胃洗浄を始めたのですが、
このチューブが一番細いやつで、
水を入れるのはいいのですが、
内容を引くのに、時間がかかるのです。
チョロチョロチョロチョロ少しずつ
牛乳が出てきます。

水を入れてはチョロチョロ。

やっと色が薄くなってきたのは、
1時間後でした。

あれから、何日か経つのですが、
あの患者さん どうなったのか
その後連絡はありません。

せめて、「やっぱり下痢しました」とか
教えてくれるといいのに。

ひどい昼休みでしたっけ。