ノンフィクション作家の柳原和子さんが亡くなった。
1997年卵管がんが発見されてから様々な治療を受けられた。
2003年、骨盤内への再発、そして肝臓多発転移・・・・
妻が発病した時に柳原さんの治療をテレビで放映していた。
妻も見ていた。
「すごい人ね、私もあんなに活動的になれるかしら」
と感心していたことを思い出す。
柳原さんの書いたものも読むようになった。シンの強い人というイメージだった。自分の治療のことを書かなければならないという職業もあるだろうけれど、そうすることで多くの患者に伝えたいことがあったのだ。
妻と私が感銘を受けたのはNHK出版が出した『がんを生き抜く実践プログラム』という本の巻頭エッセイ「今こわがっているあなたに」という長文だ。
全部は紹介しきれないので結びの所だけ紹介しよう。
初発がんから九年。
こんなに長くがん患者としての日々を過ごすとは思いもよらなかった。
死ぬ、生きる、希望を抱く、絶望する、悲嘆にくれる・・・・。その繰り返しだった。
やっぱりがんは厳しい。
つらいことばかりのようにも思う。
でも、どこかでわたしは気づいている。がんになっていなかったらこんなにすばらしいわたしには出会えなかった。こんなに真剣に自分のこと、社会のこと、そして生きるということ、死ぬということを考えなかった。
偽りのない、ごまかしのない人との関わりを紡ぐことはできなかった。
一瞬一瞬を必死に生きることはすてきだ。
数々の弱さが積み重なって今のわたしがある。
数々の愚かさがわたしを鍛えた。
人間は弱く、にもかかわらず、やはり強い、とわたしは今、信じることができる。
死ぬことを知っている人間はほんとうに、強く、そして美しいと確信している。
不安と恐怖のなかにあるあなたにわたしが伝えたいこと。それは次の簡単な言葉だ。
I CAN DO !
WE CAN DO !
わたしたちはやれる。
わたしたちは何者か、になれる。
柳原さんのご冥福をお祈りします
4年前でしたが、それからも活躍されていましたね。
まだまだやりたい事はいっぱいあったでしょう。この世を卒業するには57歳は若すぎましたね。
ご冥福をお祈りします。(合掌)
柳原さんはいいお仕事を残されました。
ご冥福をお祈りいたします。( -)」