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オバマ、ジョークの天才 Biting and self-mocking humor

2009-05-11 | 米国・EU動向
2009年5月11日

オバマ大統領は、毎年好例のホワイトハウス担当のジャーナリストが主催する夕食会( White House Correspondents' Association dinner)に出席そのすばらしいユーモアのセンスと、自分をも笑いのタネにする余裕を見せた。

まず、「この夕食会には来たくなかった」と一発。「でも、これもブッシュ大統領から引き継いだ問題のひとつとして片付けるためにきたのだ」と会場を沸かせた。

その表情は、最初の100日を乗り切ったという自信にあふれていた。その余裕から出たジョーク:「次の100日は、もっと簡単だから, 仕事は72日で終えて、残りはお休みにする」("And on my 73rd day, I will rest.")

また、いつも演説の際に、テレプロンプターを使っていること、そしてそれが故障すると言いよどむことがある自分自身を笑いのめすために、「今日は、カンニングしないで、暗記してお話します」という傍ら、わざとテレプロンプターを音を立てて、床から出させたのである。

また自分自身の人事ミスから、なかなか商務長官を決定できなかったことを、「こんな短期間に3人も商務長官を指名した大統領はいない」といって笑いの対象にした。

また、共和党から最近民主党に鞍替えして、上院における民主党の絶対多数確保に一歩前進させた79歳のArlen Specter 議員を、民主党がfresh, young facesを入れている努力の表れであると。

そして、夕食会のエンターテイナーとして呼ばれたWanda Sykesからは、訪欧の際、バッキンガム宮殿で、エリザベス女王にメードインUSA製品として誇らしげにiPhoneを贈ったこと、さらに、first lady Michelle Obamaが、女王の背中をポンとたたいたことを「あれじゃ、まるでホームベースに滑り込みセーフをになった女王に、“やったぜー,女王”("like she just slid into home plate — way to go, queen!")といったみたいだったわね」と痛烈にからかわれた。

次々と繰り出される大統領の高級なジョークはすばらしかった。しかし、オバマ大統領は、最後に、最近経営危機に陥っているメディアについて、きわめてまじめな口調に戻って、「メディアの存在があるからこそ、政府の人間が説明責任を果たせるのだ」と応援演説を行ったのである。(praising journalists for holding government officials accountable.)



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