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人民元は毎月0.2%ペースで切り上げへ A Managed Floating

2010-06-21 | 中国・ロシア・インド・ブラジル動向
2010年6月21日(月)

土曜日に中央銀行である中国人民銀行(People’s Bank of China)は、約2年にわたって、対ドルで0.147のレベルに実質的に固定されてきた人民元の相場に、「柔軟性」(more flexibility)を導入し、「安定化」(basic stability)を図ると突然の発表を行ったが、BBC放送は、管理された為替相場において、一挙に切り上げに向かうことはなく、毎月0.2%程度のスピードで緩やかに操縦されていくだろうと論評している。

The Wall Street Journalは、中国政府が、国内輸出産業からの切り上げに対する反対と、米国の強い切上げ要求とのはざまで為替政策を模索してきたことを取り上げている。中国政府は、日本が1985年のプラザ合意(The Plaza Accord)による大幅な円切り上げを受け入れた後、不動産バブルの崩壊をきっかけに超長期の経済不振に陥った轍を踏まぬように,極めて慎重になっていると。

BBC 放送は、この時期の中国政府の決断は決して偶然(accidental)ではないと解説している。The Wall Street Journal も、「4月に米国政府は議会に送るべき外国政府の為替政策に関する報告書を抑えて対中制裁を抑える一方、中国に切上げ圧力をかけ続けてきたが、中国には米国の圧力に屈したとは見えないように時間的な余裕を与えてきた」とし、ついに今週のG20サミット直前が選ばれたのだ、と論評している。

今回の中国人民銀行の発表は、「いつものようにあいまいさが残る」("As usual, the wording is vague")とBBCはとしているが、中国政府の用語を直截な言葉に言い換えてみよう: 
“more flexibility”: 中国政府が誘導する範囲内での緩やかな切上げだけを許容する変動相場制度。
“basic stability”: 中国の輸出競争力を阻害せず、中国経済を安定的に成長させうる状況。


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