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上海の新年カウントダウン、群衆圧死事故: A Stampede

2015-01-01 | 中国・ロシア・インド・ブラジル動向
上海発共同通信は次のように速報している:上海市中心部の観光名所、外灘(バンド)で12月31日深夜、新年の到来を祝うカウントダウンなどのため集まっていた若者らが折り重なるように相次いで倒れ、36人が死亡、47人が負傷した。うち13人が重傷。同市政府が1日発表した。なお、TV報道などによると、群衆に対して紙幣に似た交換券のようなものを、建物の上からまいたらしくそれに群衆が殺到したものという。

日本でも、近年では2001年夏に起こった明石の花火大会に集まった群衆が階段周辺で折り重なって倒れたことが原因で11人が圧死している。世界的にみると、1990年と、2004年にメッカで発生した事故が、最大級のものである。

こうした、イベント行事や、何らかの理由で集まった群衆が、自然発生的に、無秩序な集団となって押し合い、もみあい状態で、壁・床に押し付けられ、また人の下敷きとなって多数の死者を出すことを、英語ではstampedeと呼ぶ。本来これは敵に追われた動物の群れが一方向目指して『潰走』することを指している。家畜の群れでさえ、驚きが原因となって、潰走すること、すなわちstampedeすることは起こりうる。カウボーイ映画ではよく見られたシーンである。人間の行動心理学や、集団行動の制御の研究分野では、crowd crush(群衆圧死事故)と呼ぶ。

群衆、特にイベントに集まる聴衆に関しては、常にこのriskが存在する。主催者、警備会社、警察は、施設、動線管理、救難体制の観点からリスク管理責任があることを銘記すべきであろう。


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