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ゴールドマン刑事訴追報道に同行株急落 Criminal Charges

2010-05-01 | グローバル企業
2010年5月1日(土)

「ゴールドマン・サックスに対する刑事訴追(criminal charges)を連邦検察当局が検討している」と、木曜日夜The Wall Street Journal電子版が報道したことに反応して、同行の株価は金曜日NY証券株式市場で9.4%の下げを記録した。この結果同行の株式時価総額(its market capitalization)から約8000億円が一日で消し飛んだ。

去る16日にSEC(米国証券取引委員会)が、同行を詐欺の民事事件(civil suits)として提訴したが、さらに今週議会上院小委員会でCEO以下幹部社員が召還され、金融危機の引き金を引いたとして厳しい査問を受けた。

そして今週に入って新たに62人の下院議員が法務省に対し、捜査開始を要求する書簡を送っていることもあり、連邦検察当局が捜査を開始するのは当然の帰結といえる。

先週同行が、第一四半期決算で、昨年同期比で純益が倍増したとの発表も、同行へ米国や欧州において司直の厳しい目が向けられている事態を前に、先行き不安を払拭する力はなかった。16日の株価水準からすると同社の時価総額は2週間で約20%、2兆円相当が消滅したことになる。

The New York Timesは、検察当局の捜査報道を嫌気して「Standard & Poor’s が同社株に対するアナリストの投資判断を、Hold(保持)からSell(売り)に、またBank of America Merrill LynchがBuy(買い)からNeutral(中立)に落とした」ことを報じている。

問題の金融商品CDOは、ゴールドマンが組成した住宅ローンを担保とした仕組み金融商品Abacus 2007-AC1である。その仕組み過程に問題があったとするSECの訴因については、本欄ですでに取り上げてきたが、ゴールドマンは徹底抗戦の構えである。

同行が強気なのは破綻したBear Sterns証券での類似訴訟で検察が陪審員の判定に敗れたことが自信につながっているようだとNYTは分析している。

さて、日本のゴールデンウィークのころに、「投資の神様、オマハの預言者」ウォーレン・バッフェット氏が、「投資家のウッドストック」と呼ばれるBerkshire Hathaway社の株主総会を行うが、今年もまた今週末ネブラスカ州オマハに召集している。

同社は、ゴールドマンに総額5兆円の投資を行っている。上記の株価下落は投資資産の大きな目減りとなっているなか、4万人と予想される一般株主にどう説明するかが、大きな注目点である。バッフェットの対ゴールマン投資姿勢についての説明が、ゴールドマンの将来を決定付けるといっても過言ではない。




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