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SEC、ゴールドマンに500億円の罰金で決着  Intentional or not

2010-07-18 | グローバル企業
2010年7月18日(日)

SEC(米国証券委員会)は、SECは、ゴールドマンサックスに対して、投資家に販売した金融商品CDOの組成に詐欺容疑(intentionally duping)があるとして調べを進めてきたが、先週木曜日に、550億ドルの罰金を科すとの決定を行った。

しかしSECのこの決定に至るまでには、内部の激しい意見対立の経緯があったことを、The Wall Street Journalが明らかにしている。

SECの決定は最高幹部5人の投票で行われるが、結果は3対2と票が割れた。民主党系コミッショナー賛成2票、共和党系反対2票に対して、オバマ大統領の信任厚いMary Schapiro 議長の票がすべてを決した。

ゴールドマン側は、顧客に破綻が確実化している金融商品を買わせ、自らはその商品の暴落を見越して逆張りに走ったことを肯定し、破綻確実な住宅金融証券をかき集めてそれをまとめた仕組み証券を組成したことについては、意図的ではなかったと否定してきたが、今回のSECの決定ではゴールドマンの行為が意図的(intentionally)であったか否かの判断は示されなかった。ゴールドマンに求められるのは、この罰金と「誤りがあった(a mistake)」と認めることのみである。

4月の議会証言で行ったその自己弁護、「まったく違法行為(wrongdoing)はなかった」、「破綻した金融商品CDOを組成した過程でも、自らその商品の暴落を予想して空売りを行ったことも、なんら糾弾されるべき行動はなかった」、「自社の利益を守ることが株主への忠実な行為である」、「空売りは自社のポジションから来る巨大なリスク回避のための必要な手段」、との主張を共和党系コミッショナーが支持したものとみられる。

この対立を反映して、SECが採決の根拠にしたのは、詐欺容疑としてもっとも厳しい規則10b(a sweeping antifraude provision)ではなく、詐欺意図については一段弱い規則17a(the lesser charge)であったと同紙が報じている。そしてゴールドマンは、これ以上のSEC捜査によって内部事情が外部に流出して、今後予想される民事損害賠償に不利になることを恐れて妥協に踏み切ったとされている。

一方、SEC自体も、金融危機を引き起こした金融・証券会社の行動の監督責任を問われていることもあり、厳罰をもって早期決着する必要があったが、共和党への政治的配慮を優先した形である。罰金額は巷間1000億円を超すと見られていたがその半分のレベルで妥協が図られた。

オバマ大統領が悲願としてきた金融改革法が間もなく施工されて、FRBやSECの監督権限の一元化や、強化が行われる。その法案が上院を通過した同じ週に、このゴールドマンに対する罰金が、SEC76の歴史でも最大級のレベルで決着したことは象徴的である。



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