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BP、CEO更迭決定  "With Honor for the Sake of BP"

2010-07-26 | グローバル企業
2010年7月26日(月)

4月21日以来、ルイジアナ州沖合の海底油田からの原油流出事故に対処に苦しんできたBP取締役会は、現在のCEOであるTony Hayward氏を更迭し、後任に現在社長職(Managing Director)にあるBob Dudley氏を充てることを決定した模様と、The Wall Street JournalやFinancial Timesが報道している。

公式発表は、ロンドン時間の月曜日にもなされる手はずとなっている。取締役会は、先週からHayward氏に辞任を打診してきたが、同氏はすでに取締役会殿交渉結果、「会社のための名誉ある辞任」(resign "with honor for the sake of BP)として受け入れを決心しているという。

WSJの記事によれば、火曜日に予定されている第2四半期決算は、Hayward氏が行い、約2カ月の引き継ぎを経て、10月1日にBob Dudley氏に交代する手はずである。

Bob Dudley氏は、BPに吸収合併されたAmoco社出身の米国人、そして今回の事故地点にも近くその影響を受けているミシシッピ州の出身である。同氏はかつて、CEOのポジションをめぐってHayward氏と争った間柄であったが、今度の人事には同氏にとっても周囲にとっても驚きをもって受け止められているという。

現CEO Hayward氏は、今度の事故の対処、米国議会での証言、その後の失言(the gaffe)や行動で世論の強い非難にさらされてきた。それと好対照に昼夜を徹して現場指揮にあたってきたBob Dudley氏の株が上がったことや、米国人を英国の企業トップに据えることで対米世論の矛先をかわすということがこの更迭人事の背景である。

火曜日発表の第2四半期決算にどれだけの損失を織り込みまた将来の損失総額見積もりを発表するかに市場は強い関心を寄せている。現在までの事故対策費用は、一日当たり約100億円とWSJは算定している。

これには、今後多数提起される損害賠償は全く考慮されていない。BPはオバマ大統領との会見の際に、2兆円の供託金勘定の設定に合意しており、この払込原資を作るため、すでに7000億円の資産売却を決めている。


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