ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

整形外科の待合室で

2021-06-03 | 家族

昨日のこと。
整形外科の待合室。
めずらしく混雑していてかなり待たされた。

同年代の女性がやっと名前を呼ばれて椅子から立つのも辛そうな様子に心傷んだり、
70代の夫婦が奥様の怪我で来院され、ご主人のかいがいしいフォローぶりに微笑んだりしていたら、
プラスティックの衝立の隣に母と娘と思われるお二人が座った。

そのお二人の会話です。

母「お母さん、80歳だっけ?」
娘 (片手を大きく広げて)いや、今度85になるよ。

母「こんなになってもやっぱり、生きてた方がいいな」

娘 そうだね。
  お母さん、今日着てるブラウスかわいいね。
 
 「ありがとう。
  三日前はサーちゃんが来てくれて、
  昨日はつーちゃんが来てくれて、
  今日はしーちゃんが来てくれて、
  お母さん、嬉しいな」
 
(目の前にある大きなTVでTVショッピングで体をぶらぶら揺らして痩せる器具が紹介されると)
 
 お母さん欲しい?
 買ってあげようか?

「いや、お母さん、これはいらないよ」

 じゃ、病院が終わったら高島屋でブラウス買ってあげようか?

 「今日はいいよ。ここに連れてきてくれただけでじゅうぶんだよ」



と、微笑ましい、暖かな、母娘の会話を聞いていたら、
唐突に「○○さ〜ん!」と呼ばれ、あわてて診察室に向かった。