ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

夢のキャスト~ROGER~

2009-08-29 | 舞台
さて、ロジャーです。
2002年の「RENT」初体験は昨日書いたとおり、
マークを中心に展開していきました。
はっきりいって、ロジャーという青年はよくわかりませんでした。
この時は2回舞台を観ました。
初回のロジャーはまったく覚えていません。
”うじうじ悩んでいる男”くらいの印象。
2回目のロジャーは、ちょっとマシュー・モディーン似で、
歌い方も好みでしたが、だから?みたいな。

たぶん、本場「RENT」を見る前に、
娘からドイツ版「RENT」のCDを聞かせてもらっていて、
そのCDのロジャーしか私の頭になかったのかもしれない。
(このあたり前後関係定かでありません)

それがこの方です。

「なんだよ、この写真!」とかつっこまないように!(笑)
だって探してもみつからないんだもの。

それがだめなら、これとか?


はい、お待たせしました!(誰も待ってないって?)
ビデオ版「CATS」の我らがアイドル・ラムタムタガー!
John Partridge でございます。
例えドイツ語で歌っていようとも、どうであろうとも、
たぶん今でも、
私にとってROGER=JOHNNYの図式がかなり強くあるのだと思います。
「夢のキャスト」とはまさにこのこと。
たぶんこれからも決して見ることはできないでしょう。
ドイツ語の歌を聴きながら(どうして英語じゃないの?)
想いを馳せるしかないのです。

その代わりといってはなんですが、
ロンドンでラムタムタガーは2度(あれ3度?)見ました。
楽屋口で待っていて、嫌がる娘に写真も撮ってもらいました。
その写真は私の宝物です。
彼のラムタムタガーは、嬉しくて笑いが止まらなくなるくらい素敵でした。
特に歌がね、本当に素敵なのよ。
あんな歌を聴いたら、普通の女性なら誰でもノックアウトよ。

その後、来日公演の「RENT」2度見ましたが、
ロジャー役の方が、普通に新宿の街を歩いていたことと、
舞台が終わったあと、前を歩いていた女性たちが、
「日本でエンジェル演るならカバちゃんよね~」
と話していたことくらいしか覚えていません。

そして「REMIXED」です。

画像大きすぎてごめんなさいね。でも素敵。
Luke Evans
初めて私の中でロジャーという青年が存在感を持った舞台です。
演じる人によってこれほど印象の異なる役柄は珍しい。
死と向き合いながらも、自分の歌を書きたいと切望する、
物静かなひたむきな青年像が見えてきました。

Luke Evans、覚えてくださいね。
娘によると、これからは映画でも活躍する期待の役者さんです。

その後、ファイナル・レントのDVDを見て、
「問題はロジャーだ」と娘に書き送ったり。
デッサン用のブルータスの彫像みたいでどうも苦手だったのですが、
娘も「別にいいじゃん」だし、
姉にいたっては「素敵!」だし、
繰り返しみているうちに違和感もなくなってきました。
この方。
Will Chase

聞いて驚くなかれ。
彼は1970年生まれ、アダム・パスカルと同い年。
それなら、アダムにしてくれればよかったのにぃ!!!
(いつまでもほざいてろ、ですね)


あ~、本題にいきつくまでにこんなに長くなっちゃったよ。ふ~。
いよいよ先日観たロジャーです。


Adam Pascal
ロジャーの原型を作ったオリジナルキャスト。

まったく”目からウロコ”のロジャーでした。
そうか、
ジョナサン・ラーソンは、アダム・パスカルを得ることによって
ロジャーという青年に命を吹き込むことができたんだ!と、
理解しました。
他の誰にも変わることはできない、
アダム・パスカル=ロジャーだったのだと。
(それはオリジナルキャスト全てに言えることなのかもしれない)

映画版「RENT」でアダム・パスカルはすでに見ていました。
でもそれではピンとこなかった。
「RENT」を映画化するのは至難の技だったと思います。
何故なら「RENT」は生の舞台であることに意味があるから。
時間軸が不可解であろうとも、
キャラクターがいまひとつ理解しにくくとも、
怒濤のごとく、途切れなく、
魅力的な楽曲があふれ出てくること。
それを目の前で役者達が懸命に歌っていること。
そのことに観客は心を揺さぶられ、涙し、拍手喝采するのです。

舞台の上のアダム・パスカルは映画のロジャーとは別人でした。
背の高い大きな人でした。
迷子になった小熊みたいと言ったらいかな。
そう、人生の迷子。

ミミの登場、かすかな希望、そして絶望、エンジェルの死、
友との別れ、ひとつひとつの出来事にたじろぎ、傷つき、
それでもたった一曲でいい、自分の歌を作りたいと切望する、
決して特別ではない、どこにでもいる若者。
演じているのではない。
そこに存在していること。

今、「どのRENTが一番見たい?」と問われれば、
きっと「アダム・パスカルがロジャーのRENT」と答えます。