ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

長い長い殺人

2008年10月14日 | 映画レビュー
 ストーリーがしっかりしているのと、「財布」がナレーションを担当しているという斬新さに惹かれて、最後まで面白く見ることができた。原作未読なので、財布がしゃべるという発想が映画独自のものなのかどうかわからないけれど、これはなかなか面白かった。ま、賛否両論あるかもしれませんが。

 元がテレビドラマらしいので、作品は小作りで、登場人物が多い割には大変わかりやすい。演技もテレビ的な分かりやすさ。いくつものストーリーがからまって、偶然が偶然を呼び込み、複雑に絡まった殺人事件が解決していく様はすっきりするので、後腐れなくなかなかよろしい。

 犯人像が「他者の心理につけ込んで思いのままに人を動かす頭のいい悪魔」という設定になっているあたり、かつてのテレビドラマ「沙粧妙子 最後の事件」を思い出させる。わたしはこの「沙粧妙子 最後の事件」が大好きで全巻ビデオで見たものだ。ドラマが気に入ったというよりはどっちかというと音楽が好きだった。このサントラ、欲しいと長年思い続けている。

 閑話休題。さて本作の物語は保険金殺人の謎を私立探偵と警察が解いていくというもの。いくつものストーリーが並行して描かれ、人物が複雑に絡まり合い、探偵と警察の接点はなかなか浮き上がってこないが、最後にすっきりすべてが明らかになる。しかしまあ、思いっきり怪しい男と女がそれらしく怪しい演技をするのがけっこう笑える。

 けっこう長い話だけれど退屈しないので、お仕事に疲れたときの気分転換にはいいのでは。あくまでも、「期待せずに見て、よし」という程度の作品です。(レンタルDVD)

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長い長い殺人
日本、2007年、上映時間 135分
監督:麻生学、プロデューサー: 青木泰憲、土橋覚、原作: 宮部みゆき、脚本: 友澤晃一、音楽: 遠藤浩二
出演: 長塚京三、中村トオル、谷原章介、平山あや、大森南朋、酒井美紀、窪塚俊介、伊藤裕子、西田尚美

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