パープルローズさんが試写会の招待状を当ててくれたので、久しぶりに二人で映画鑑賞。
テレビシリーズのファンかどうかでかなり評価が分かれるんじゃないかと思われる映画。わたしはテレビ未見、一方、一緒に見たパープルローズさんはテレビシリーズの大ファンで、DVDを3回も見たという剛の者。予習しないとわからない映画ではないかと不安に思ったわたしだけれど、試写会で配られたリーフレットを読み、またパープルローズさんの丁寧な解説を聞いてから鑑賞したのでまったく違和感なく物語に入って行けた。たとえそのような解説がなくてもこの映画はかなり親切にいろいろと説明が加えられているので、テレビ未見の人も安心して見られます。
NYのセレブでおしゃれな女4人の物語だけれど、中心人物はライターのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)で、彼女のナレーションでお話は進む。巻頭、まずは女4人の紹介が手短に述べられ、ここで笑いながら4人のキャラをしっかり頭に入れることができる。10年越しの恋人がいながら結婚には無縁のキャリアウーマン・キャリー、弁護士稼業に忙しく息子の子育てに疲れて夫とは倦怠期というミランダ、駆け出し俳優の年下の恋人をプロモートするためにロスに移住した色欲中年サマンサ、いくつになってもお嬢様気質が抜けないセレブな人妻シャーロット。
で、映画は40歳になったキャリーがとうとう結婚するということになって、その式のためにあれやこれやと騒動が持ち上がる、という展開。他の3人はというと、ミランダの夫が浮気して別居。サマンサは恋人のために操をたてて大好きな自由奔放セックスも我慢し欲求不満が爆発しそう。シャーロットだけは「毎日幸せよ」という生活。
異様に仲の良い女4人はやたらとリッチでやたらとおしゃれで、こういう映画を見ている日本のOLや奥様たちとはおよそかけ離れたNYセレブの生活を楽しんでいる。で、4人のキャラが立っていてしかもスピード感あふれる演出なので、とても楽しく見ていられる。だが、挙式を前にして浮き足立つキャリーに対して、マリッジ・ブルーに陥る恋人ビッグ。二人の挙式は暗礁に乗り上げ、物語の雲行きはあやしくなり…
まあ、何があっても女4人の団結の力はすごい。なんでここまで仲が良いのか理解できないけれど、(というか、そもそもなんでそんなにホイホイとメキシコへいきなりリゾートできたりするわけ? 仕事はどうするのよ、仕事は! 子どもは!)とにかくお互いに慰めあいぶつかり合い、互いを思う気持ちを忘れない。これほどの友情が4人の間で成立するという摩訶不思議さにうらやましいと思うと同時にこれが成り立つだけの経済的豊かさが彼女たちにあるわけで、平均的日本人が見たら口あんぐり開けているしかないわな。こういう映画を見て自己投影できるっていうのは幸せな証拠かも。あるいは、そういう形で自己物語を消費せざるを得ない辛い現実があるってことかもしれない。かく言うわたしは、日常生活に疲れた働く主婦ミランダにもっとも親近感を覚えた。
主役が4人存在する映画というのはファンのキャパが広がるため、大ヒットにつながる可能性が高い。これはシリーズもののテレビ作品としてはきわめてまっとうな路線であり、大正解だ。4人の話が散漫にならずにつねにキャリーを中心に収束していくために、群像劇の面白さも存分にいかしつつ中心点がぶれないため、ドラマの吸引力が高い。4人のキャラが立っているので感情移入もたやすく、女性ファンを獲得しやすいお話である。
ま、ともかく、お話はお気楽なコメディかと思いきや一転シリアスな失恋ものに…。あ、いや、なかなかそう簡単にはシリアスドラマになったりしない。シャーロットの「下ネタ失敗談」には大爆笑。おまけに、50歳を迎えたサマンサが4人のなかでも一番の色気ムンムンでものすごい性欲をむき出しにする元気さにたじたじ。わたしも同じ50歳。とても同い年とは思えません(^_^;)
そんなこんなでなんやかんやでけっこうドキドキはらはらさせられる展開で、予備知識のないわたしにとっては先の見えない展開がスリリング。2時間余りをたっぷり楽しませていただきました。
で、結局のところ、ブランドよりも中身が大事、と説く映画でありながら、やっぱり観客を惹くのはブランドものオンパレードのファッションの数々なのだから、自己矛盾しているよね。
ところで、ニューヨークの図書館が登場。立派な建物のここはかの有名なNY公共図書館だろうか? キャリーが借りた図書を延滞して延滞料を支払っていたのが印象的。ニューヨークの公共図書館は市立ではなく私立である。市民や企業の寄付によってまかなわれる私設図書館だ。運営は寄付金でまかない、公共の(つまり、誰にでも利用可能な)図書館として存在している。今度わたしたちが開設しようとしている図書館「エル・ライブラリー」はまさにそのような図書館を目指している。あ、余談ですが。
そうそう、試写会の司会をしていたのが毎日放送のアナウンサー八木早希さん。モデルさんみたいに綺麗な人ではありませんか! 会場からやんやの拍手を受けておりました。
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セックス・アンド・ザ・シティ
SEX AND THE CITY
アメリカ、2008年、上映時間144分
監督・脚本: マイケル・パトリック・キング、製作: サラ・ジェシカ・パーカーほか、製作総指揮: トビー・エメリッヒほか、衣装デザイン: パトリシア・フィールド、音楽: アーロン・ジグマン
出演: サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、クリス・ノース、ジェニファー・ハドソン、キャンディス・バーゲン
テレビシリーズのファンかどうかでかなり評価が分かれるんじゃないかと思われる映画。わたしはテレビ未見、一方、一緒に見たパープルローズさんはテレビシリーズの大ファンで、DVDを3回も見たという剛の者。予習しないとわからない映画ではないかと不安に思ったわたしだけれど、試写会で配られたリーフレットを読み、またパープルローズさんの丁寧な解説を聞いてから鑑賞したのでまったく違和感なく物語に入って行けた。たとえそのような解説がなくてもこの映画はかなり親切にいろいろと説明が加えられているので、テレビ未見の人も安心して見られます。
NYのセレブでおしゃれな女4人の物語だけれど、中心人物はライターのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)で、彼女のナレーションでお話は進む。巻頭、まずは女4人の紹介が手短に述べられ、ここで笑いながら4人のキャラをしっかり頭に入れることができる。10年越しの恋人がいながら結婚には無縁のキャリアウーマン・キャリー、弁護士稼業に忙しく息子の子育てに疲れて夫とは倦怠期というミランダ、駆け出し俳優の年下の恋人をプロモートするためにロスに移住した色欲中年サマンサ、いくつになってもお嬢様気質が抜けないセレブな人妻シャーロット。
で、映画は40歳になったキャリーがとうとう結婚するということになって、その式のためにあれやこれやと騒動が持ち上がる、という展開。他の3人はというと、ミランダの夫が浮気して別居。サマンサは恋人のために操をたてて大好きな自由奔放セックスも我慢し欲求不満が爆発しそう。シャーロットだけは「毎日幸せよ」という生活。
異様に仲の良い女4人はやたらとリッチでやたらとおしゃれで、こういう映画を見ている日本のOLや奥様たちとはおよそかけ離れたNYセレブの生活を楽しんでいる。で、4人のキャラが立っていてしかもスピード感あふれる演出なので、とても楽しく見ていられる。だが、挙式を前にして浮き足立つキャリーに対して、マリッジ・ブルーに陥る恋人ビッグ。二人の挙式は暗礁に乗り上げ、物語の雲行きはあやしくなり…
まあ、何があっても女4人の団結の力はすごい。なんでここまで仲が良いのか理解できないけれど、(というか、そもそもなんでそんなにホイホイとメキシコへいきなりリゾートできたりするわけ? 仕事はどうするのよ、仕事は! 子どもは!)とにかくお互いに慰めあいぶつかり合い、互いを思う気持ちを忘れない。これほどの友情が4人の間で成立するという摩訶不思議さにうらやましいと思うと同時にこれが成り立つだけの経済的豊かさが彼女たちにあるわけで、平均的日本人が見たら口あんぐり開けているしかないわな。こういう映画を見て自己投影できるっていうのは幸せな証拠かも。あるいは、そういう形で自己物語を消費せざるを得ない辛い現実があるってことかもしれない。かく言うわたしは、日常生活に疲れた働く主婦ミランダにもっとも親近感を覚えた。
主役が4人存在する映画というのはファンのキャパが広がるため、大ヒットにつながる可能性が高い。これはシリーズもののテレビ作品としてはきわめてまっとうな路線であり、大正解だ。4人の話が散漫にならずにつねにキャリーを中心に収束していくために、群像劇の面白さも存分にいかしつつ中心点がぶれないため、ドラマの吸引力が高い。4人のキャラが立っているので感情移入もたやすく、女性ファンを獲得しやすいお話である。
ま、ともかく、お話はお気楽なコメディかと思いきや一転シリアスな失恋ものに…。あ、いや、なかなかそう簡単にはシリアスドラマになったりしない。シャーロットの「下ネタ失敗談」には大爆笑。おまけに、50歳を迎えたサマンサが4人のなかでも一番の色気ムンムンでものすごい性欲をむき出しにする元気さにたじたじ。わたしも同じ50歳。とても同い年とは思えません(^_^;)
そんなこんなでなんやかんやでけっこうドキドキはらはらさせられる展開で、予備知識のないわたしにとっては先の見えない展開がスリリング。2時間余りをたっぷり楽しませていただきました。
で、結局のところ、ブランドよりも中身が大事、と説く映画でありながら、やっぱり観客を惹くのはブランドものオンパレードのファッションの数々なのだから、自己矛盾しているよね。
ところで、ニューヨークの図書館が登場。立派な建物のここはかの有名なNY公共図書館だろうか? キャリーが借りた図書を延滞して延滞料を支払っていたのが印象的。ニューヨークの公共図書館は市立ではなく私立である。市民や企業の寄付によってまかなわれる私設図書館だ。運営は寄付金でまかない、公共の(つまり、誰にでも利用可能な)図書館として存在している。今度わたしたちが開設しようとしている図書館「エル・ライブラリー」はまさにそのような図書館を目指している。あ、余談ですが。
そうそう、試写会の司会をしていたのが毎日放送のアナウンサー八木早希さん。モデルさんみたいに綺麗な人ではありませんか! 会場からやんやの拍手を受けておりました。
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セックス・アンド・ザ・シティ
SEX AND THE CITY
アメリカ、2008年、上映時間144分
監督・脚本: マイケル・パトリック・キング、製作: サラ・ジェシカ・パーカーほか、製作総指揮: トビー・エメリッヒほか、衣装デザイン: パトリシア・フィールド、音楽: アーロン・ジグマン
出演: サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、クリス・ノース、ジェニファー・ハドソン、キャンディス・バーゲン