イスコ日記

「村上椅子」の、椅子のこと日々のことあれこれ

九州の旅

2010-02-24 | おでかけ
長らくお休みいをいただいて、ご迷惑おかけしました。
九州へいってきました。

この旅の一番の目的は、福岡県うきは市の吉井町で
木工作家の山口和宏さんにお会いすること。
古道具店『四月の魚』での個展にあわせて、
その近くの『山下カバン』ではオオヤコーヒさんが三日間だけの
カフェをされるということで、一緒に行ってきました。



キンモクセイの大きな木が目印の味のある佇まいのお店。
古い医院だった建物を使われているそうです。
展覧会は器などの小物が中心でしたが、中でも一番心惹かれたのは
もう10年程使われているという椅子。
素朴な表情で、木の座面ながら座り心地はしっくり優しい椅子でした。
作品と同様、ご本人ももの静かで優しい雰囲気の中に、
きりっとしたものを持っておられるかたで、
キャリアも年代もまだまだ若い私たちに、丁寧な物腰で
椅子張りについて質問されたり、いろいろとお話させていただきました。


・・・・




「山下カバン」さんはアンティークの生地を使ったカバンのアトリエと
古道具のお店です。和、洋の古いものがセンスよく配置され、
見ていて飽きません。ショウケースや古い椅子など什器もすてきでした。
カフェは満員で、入れませんでしたが、、、。



山口さん、山下さんには数日間の滞在中、いろいろと行動を共にさせて
いただいたり、どっぷりとお世話になってしまいました。
福岡と京都、少し遠いけれども新しいつながりができ
何か新しい展開となったらいいなと。
山口さんの「良いしごと、したいですね。」という言葉がとても
心に残っています。がんばろ。

ゆったりと流れる筑後川、連なる山々、田園風景のなかにある吉井町は
かつて宿場町として栄えたそう。白壁土蔵の家々と水路や小道の残る、
のんびりとしたいいところでした。



・・・


古くからの製麺工場


水神さま
 

ついでに阿蘇まで行ってきました。


阿蘇の火口 


食べ歩き


ここまで来たなら、鹿児島にもいかなきゃ。


イスオさんのばあちゃんと芋を選別





トロトロ椅子

2010-02-11 | 張り替え


長椅子の張り替えのご依頼です。

生地は相当傷んで全体的にぱりぱりになってます。
そんなに大きくはないものですが、持ってみると
え、軽っ、、、。というかんじ。
肘も、全体の組み合わさった部分もゆるんでしまっていて
うにゃうにゃします。
イスオさんいわく「トロトロやな~この椅子」。

さて、底をみてみると以前に補修されている様子です。



バネを支える麻テープがゆるんでしまっているので、
その下にドンゴロスを通し、縫い付けて。
苦労の跡が見えます、、、。

でも、座り心地には限界が。
ということで今回は全部取り払って張り替えました。



こんなに華奢な骨組みがあらわれました。
すべてばらして、接着剤を入れて組み直しです。
補強の木材も入れ、Sバネ仕様で張り替え。
座り心地もとてもよくなり、生き返りました!



座面が低いため、大きく見えないのに、ゆったり三人すわれる、
なかなか良いサイズの長椅子です。


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船の椅子

2010-02-06 | 張り替え


離れているようで、意外に近くに「海」のある京都。
時々、船の椅子の張り替え依頼があります。

こちらはクルーザーのソファ席の張替え後。
相当古いものらしく、すっかり元の生地は色あせてしまっていたので
同じブルーグレーのモケット生地で張り替えです。
くるみボタンを締めて高級感のある張り上がり。
座面の下は収納スペースになっています。

外にある操縦席は、アイボリーの耐候性ビニールレザーで。
光や水などに強く、屋外で使う用に開発された素材です。
ただ、張り地が強くても、椅子本体の底にベニヤ板が使われていて
腐ってきてグズグズになってしまっていたので、
新しく作り直し、塗装しておきました。
水にぬれると分かっているところにベニヤ板というのも、、。
さすがに最近は違う素材で作られているんでしょうか。

今日は雪の舞い散る京都ですが
温かくなったら、ゆったりボートでクルージング、
行ってみたいものです。。。


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