イスコ日記

「村上椅子」の、椅子のこと日々のことあれこれ

グルジア椅子

2013-01-29 | 雑記


椅子のワークショップにいってきました。
(お休みの日まで、椅子を作っているわたしたち、、、。)
グルジア椅子って何?と興味を持ったのが発端です。
そう言う名前の椅子が、あるわけではないみたい。

以下social kitchen さんの記載から抜粋。

「グルジアのお父さんが一番最初に息子に教える大工仕事が、
 この小さな椅子(ミルクチェア)づくりです。
 それは家の中、町中、いたるところに点在しています。
 釘とカナヅチとノコギリと、板。最低限の材料で、
 誰でもすぐにできる簡単な椅子です。」

椅子の原点みたいなもの、ということかな。

さて着いた人からゆるゆると始まったワークショップは
お手本も説明もほぼなく、手がかりは、壁にぺらっと張られた写真だけ。
(自動車のパーツが積まれた、中古車市場の一場面と、
田舎のあぜ道で牛が草をはんでいる風景)
それをもとに「えー、、こんなイメージで作って下さい。」とのこと・・・。

そんなこんなで、用意された廃材を手に、自由に考えて
のこぎりでギコギコ、ビスでとめて、椅子らしいかたちに作りました。





ムスメ&イスオチームは迷いなくテキパキ進めて
あっという間に完成。さすが美しい仕上がり。
気づけば人のまで手伝っています。

私はと言えば、あーだこーだ考えて、取り合えず
行き当たりばったりで作りはじめたものの、ヌキの入れ方が気にいらず
四苦八苦。最後は妥協してなんとか完成。



限られた材料で自由きままにつくるので、
出来上がった椅子は個性豊か。大きさも組み方もばらばらです。



さて、目的がこれを作るだけなら、参加しませんでしたけど
(うちに材料も工具もあるし)、ワークショップはこれで終わりでは
ありません。

この日たまたま集まった見ず知らずのひとたちが、
一つの部屋で、時には協力しあい、自分の椅子を作る。
そして同じ達成感を味わったあと、輪になって出来た椅子に座り、
ひとりずつお題にそって話をするのです。
お題はこれまでで一番生きているって思ったとき(キラキラしていた瞬間)
または、いちばんの危機とそれを回避した方法。

椅子が集まればそこに場が生まれ、
場が生まれれば、そこに言葉が生まれる。

単なるものとしての椅子をつくるのではなく
それを通じてひととのつながりができていくのが面白い。
なんだか私たちが椅子の仕事をとおして思っていることと通じるものがあり、
話すことが苦手なわたしですが、
とても楽しい体験となりました。

2月17日にも開催されるそうです。
興味のある方はぜひ!
詳しくはこちら→

村上椅子のHPはこちら

布→革

2013-01-19 | 納品事例 住宅ほか
書きそびれて、もう去年のことなってしまいましたが、
ソファの張り替えの話。

こちらは、大阪の有名家具ショップT社さんのソファ。
インテリア好きなら知らない人はいない人気店です。



使い込まれて味わいの出た感じが、またここの家具の良さで、
ナチュラルで飾らないインテリアを好きな人にはたまらないようです。
全体のプロポーション、さりげなく凝ったデザインや
金属などのパーツの使い方もさすが。
ですが、使ううちに座り心地が、、、ということで
クッションの作り替えご依頼です。

確かに、座らせていただくと、
最初は「ぼふっと」して気持ちよい感じはしますが、
腰が、、、。長時間はキツそうです。
グニャグニャとして姿勢が定まらないのもしんどい原因です。

そこで、クッションと、本体両方から座り心地を改良しました。
まず、置きクッション。あけてみるととても手の込んだ作り。
中が何層にもわかれた内袋は、上下に羽根、真ん中にはウレタンが入っていました。
ぼふっとした感じは、この羽根のおかげですが
真ん中のウレタンが柔らかすぎるので、しんどいのです。
そこで、上面の羽根の層を生かしつつウレタンをしっかりしたものに交換、
側面まで回してあった羽根は型くずれの原因となるので上面だけにし、
側面には綿を貼付けてしっかりとしたかたちを出しつつ
丸い柔らかさを出しました。

表面の布のカバーは、革で作り替え。
オイルを染ませたしっとりしたヌメ革です。
かちっとハードになりすぎず、
もともとの、丸い雰囲気を再現するように、型をとりました。

また、本体は縦に金属のバネがむき出しで渡してある仕様だったのですが、
そちらも少し柔らかすぎることと、クッションが隙間に落ち込んでしまう
というお話だったので、
横方向にウェービングテープを編み込んで張り、
しっかりとさせました。

あっちこっちにずれて困るという、背もたれのクッションは、
革のベルトでフレームに固定。



柔らかい雰囲気は変えずに座り心地を良くする、というご希望だったのですが
布から革に変えるだけで、座ったときの感じも随分かわってきます。
そこのあたりの調整がなかなか難しく、ウレタンの重ね方、厚みなど
試行錯誤をかさねました。

完成。



ヌメ革が使い込まれて育っていくのが楽しみですね。

村上椅子のHPはこちら

めくりの日々

2013-01-12 | 作業風景


早々に、たくさん椅子がはいってきて
ガレージはいっぱい。
どんどんめくっていかないといけません。 

こちらの椅子は、溝の中にパイピングを埋め込んでタッカー留めする仕様。
パイピングを取り除くとまだこんなに溝の中に針が残っています。



フレームを傷つけないよう、一本ずつ地道に
抜いていくしかありません。

あーすっきり。



そのかわり、
また手の皮が厚くなってしまいました。。。


村上椅子のHPはこちら

2013のはじまり

2013-01-07 | 雑記


あけましておめでとうございます

除夜の鐘も聞かずに寝てしまう我が家。
でも、いつもと同じように眠りにつき、朝起きるだけなのに、
前日までのせわしない雰囲気とは一変して
なんだか静かできりりと引き締まった空気に包まれ
特別な気持ちになれる。
お正月って不思議ですね。

2013年はいったいどんな年となるのでしょうか。
何か新しいことを始め、身につけて
深みのある人間になりたいなと思っている私たちです。

皆さまにとっても、実りある一年となりますように。

・・・



しんと冷えた朝の御所。
すがすがしい気分。



そして我が家のおせち。
今年もつつましく、シンプルに。
95歳一人暮らしの祖母に食べさせてあげられたのが
嬉しかった。

急に積もった雪で、帰れるか心配しましたが。




村上椅子のHPはこちら