イスコ日記

「村上椅子」の、椅子のこと日々のことあれこれ

ホッチキ祭り

2006-04-30 | 張り替え
張り替えの椅子の古い生地をはがしていくと、目を疑うほどの大量のタッカーの針がでてきました。その様子を、助っ人に来てくれている友人O氏が命名(正確にはタッカー祭りかも)。
普通は釘を抜いた上で新しく生地を張るのですが、時間がなかったり手をぬいたりするのに針を残して張り替えるひともいるのです。
しかし。今回はそれがどうやら4度目!
古い生地の破片が残されているのでわかります。赤いモケット、ベージュの花柄のモケット、茶色のモケット。そして今張り替える前のはベージュの花柄の生地。そのそれぞれの針がほとんど残されているのです。
これだけ針が残っているとさすがにもう打つ所がなくなってくるし、何よりきれいに張れません。
ということで、一所懸命針を抜いていく作業。普通に張り替えするより相当手間がかかります。ちゃんと抜いておいてくださ~い…。
それにしても、業務用とはいえ4回も張り替えて使ってもらえる椅子はそうそうないと思います。
新しい生地は真っ白で織りで模様が入った布。
これからまた、何年使ってもらえるのでしょうか。

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くるみボタン製造機

2006-04-27 | 作業風景
今日はくるみボタン作り。
ソファの背中などに付いている、生地で包まれたボタンです。
単なる飾りだけではなく、綿などの詰め物が動かないようにとめる役割もはたしています。
今回のは釘状になっていて、刺して裏から金具で固定するもの。他に、足が割ピンみたいになってるものや、丸い穴がついていて紐を通して使うものもあります。以前はサイズもいろいろあったみたいですが、今椅子用で使うのは20ミリか16ミリのものくらいです。

実は写真にある器械のレバーを手でガチャンとやって、ひとつひとつ作っています。
最初見た時は、なんて原始的な!と思ったものです。
今回はその数なんと、700個!…もう、うんざり。
半分もいかないうちに、なんだか気分まで悪くなってきました…。
しかし。これだけ作ったと言うことは、これを椅子に取り付けなければならないと言うこと…。
ゴールデンウィークにある張り替えで、使うのです。
その様子はまた後日。

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はさみ研ぎ

2006-04-24 | 雑記
裁ちばさみを刃物屋さんで研いでもらったので、気持ちよく切れるようになりました。
木工を学んでいる時はノミやかんなの刃を研いでましたが、はさみはまた感覚が違い、なかなか難しいです。椅子張りを始めたころは、会社の近所のスーパー前にきているハサミ研ぎに持っていって、使い物にならなくなったことが…。あの頃は何も知らなかったものです。今は自分でやってますが、たまに専門家のところに持っていって直してもらっています。
今使っているはさみを購入したのも今回研いでもらった刃物屋さん。四条烏丸近くの早川刃物店といいます。小さなお店ですがハサミから包丁までいろいろ揃っています。嬉しいのは作っている人から買えること。使われている鋼のことを細かく説明して下さったり、長年使っているとこんなふうになる、と奥から御自分のを持ってきて見せて下さったり。安心して買うことができます。またそこへ持っていけば研いでもらえるし、お手入れしながら長く使えるというのがいいです。

今回は糸切りバサミと、包丁も購入しました。包丁と言えば、京都・錦には有名どころがありますが、人と同じものが嫌いな私たちには『隠れた職人の店』みたいなこのお店のが、ぴったり。
切れ味は、使うのが勿体無くてまだ試してません・・・。

「早川刃物店」さんのサイトはこちら
刃物のいろんな知識だけでなく、京都の豆知識みたいな話もたくさん書かれていておもしろいですよ。 

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デンマークと京都のものづくり

2006-04-22 | 雑記
またまたデンマークの椅子の展示会にいってきました。
今回のは生地を張ってないものと並べて展示してあったり、クッション部分の中身の断面を見せるような展示など、内部構造がわかるようになっていたので、興味深く観察してきました。
まあ、構造がわかったところで、あんな美しい削り出しのアームや背中を包み込むような木の枠は、うちではまねできないんですけどね…。
今日はスペシャルトークも企画されていて、デザイナーと木工職人(お世話になってる中野工作所さん)、メーカーという、立場の違う3人の方の「北欧の椅子と日本のものづくり」をテーマにした対談もお聞きすることができました。
わたしたちは職人という立場で、美しいものを実現できる技術と感性をみがいていきたいと思います。

◎「北欧の椅子ー構造とくつろぎ展」
会期 明日23日まで 10:00~18:00  
場所 学芸出版社 3Fホール(京都市下京区木津屋橋通西洞院東入る)


そして話は変わりますが、ついにわが家にやってきました。
プルプッシュプロダクツのプランターです。
モルタルでできた建物のかたちをしたプランターは、いろとりどりの小さな小窓やひび割れなど、細かなところまで凝って作られていて、一つ一つ表情が違います。
以前から欲しいなあと思っていたのですが、やっぱりご本人のおられるところで買いたいと思って機会を待っていたところ、期間限定ショップのお知らせをいただいたのです。
「京の今を発信するブランドフェア」。他にも京都を拠点に活躍中の作家もののテーブルウェアやインテリアグッズなど、出展されてました。

プルプッシュさんは珍しい、モルタルを使った小d物をデザイン・製作・販売されています。購入したビルのプランターのほか、家の形をしたお香立てや、灰皿、ランプなど、くすっと笑えるようなアイディアがたくさん。
モルタルって冷たい雰囲気というイメージがあったけど、全然違います。

プランター、どこに飾ろうかなー。

◎「京の今を発信するブランドフェア」 
4月21日(金)~25日(火)  10:00~20:00 (最終日 ~17:00)
プラッツ近鉄 (近鉄百貨店 京都店)


淡路島へ

2006-04-21 | おでかけ
淡路島にいってきました。
夜中の張り替え仕事、第3段です。
せっかくいつも行かないようなところにいけるんだから!と
夜10時からのところ、早めに出発しました。

嬉しいことに雨の予報が遅れて、とってもいいお天気。
乗ってみたかった「たこフェリー」で島へ渡ることにしました。
船に乗るということが普段の生活ではないので、それだけで旅行気分です。
明石と淡路島の岩屋をつなぐこのフェリーはその名のとおり、
白い船体に真っ赤な大きなタコの絵が描いてあります。
一時間に2本ぐらい運行しているので制服姿の学生さんも。
明石海峡大橋で地続きで行けるのも便利だけど、
橋の下をくぐって淡路島にいくのも、なかなか気分が盛り上がって楽しかったです。

さて、淡路島に着いたら、海岸線を気持ちよくドライブ。
道の駅でタマネギとか地元の特産品を買うぞ!と思っていたら、
閉まっていてがっかりしました。
まあ気を取り直して、次は温泉に。「東浦花の湯」というところにいきました。
ここは、日本三大美人湯のひとつの龍神温泉に匹敵するくらいの良質のお湯だそうで、
地元のひとでにぎわっていました。
そして、さらに車を走らせ、目的地洲本に到着です。
夕食は地元の魚を食べさせてくれる割烹、寿司のお店「福一」でいただきました。
温泉にはいって美味しいもの食べて、ああ満足…。

後は寝るだけと言いたいところですが、本番はこれからです。
仕事自体は、数が少なかったのでけっこうすぐ終わり、今度は橋を渡って帰路につきました。
ここからが、長かった…。
高速で事故か何かの渋滞に巻き込まれ、京都に帰り着いたのは午前4時前でした。
しかもその3時間後には椅子の引き取り、そして夕方までに張り替えて納品。
さすがに疲れました。

淡路島には、またゆっくり遊びにいってみたいと思います。

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