気がつけばもう11月もなかば。
京都市内の木々も赤や黄色に彩られてきて、秋は駆け足で冬に向かっているようです。
さて、今回張り替えたのはこんな古い椅子。
木のアームのついた大きめどっしりの椅子と、
お揃いでアームなしの少し小ぶりのタイプ2脚ずつです。
ご依頼主は建築家の森田一弥さん。(ホームページは
こちら)
ご実家で昔から使われていた椅子を持ち込まれました。
古い生地(色あせてますが日焼けしていない部分をみてみると
鮮やか目の緑に黒の模様&金色のラメ入りと、なかなか見ない派手な生地)
をめくってみると、これまたこういうタイプの日本の椅子では
あまり見る事の無い、馬毛がクッション材として入っており、
バネも大きいものが沢山使われていました。ずっしり重たいわけです。
張り地を決めるとき、最初はシンプルなかんじのブルーか茶色系の無地を
考えていらしたのですが、お話を進めるうちに、選ばれたのはこれ!
ベージュ系の地肌(?)に水色の柔らかいモケットで
蔓のような模様が織られてぽこぽこと立体感のある、おもしろい生地です。
サンプル帳の小さな平面で見るのとは違って、実際に椅子に張られて
立体的に見ると、角度によって陰影がつき表情がでて、とても効果的。
仕上がりには喜んで頂けたようです。
そしてもう一つのポイントは後ろ姿。
古金仕上げの鋲が引き立つようにと、無地で張ることになり、
奥様が選ばれたのは可愛らしいピンクと紫の2色。
普段は壁に背を向けているから、ちらっと見えるということで
遊び心のある色選びです。
こうしてどこにも無い椅子として、生まれ変わりました!
ついつい無難な生地を選んでしまいがちですが、せっかく
張り替えるのだから、思い切って生地選びを楽しんでみるのもお薦めです。
直接お話させてもらうので、細かいご注文にもお応えできますし。
私たちも楽しませていただきました。
村上椅子のホームページ