岐阜県議会議員 太田維久(おおた・まさひさ)のblog

再生、飛躍、「政策維新」
生活を支え、生命を守る政治を実現する。

木曽川水系連絡導水路計画の市民学習会(2)

2008年06月05日 02時35分32秒 | Weblog
続き)

渇水時の河川環境への影響については、国交省は水生生物の生育の影響を軽減できると説明しています。
しかし当会の山内克典岐阜大名誉教授や先の向井準教授などの報告によれば渇水時の水生生物の影響というのは国交省が例にあげる平成6年の「大渇水」の際にも軽微であったというし、だいたい自然の河川というものは大量に水が流れることもあれば水が少ないこともある。
無理やり人為的に水量を調節(洪水防止目的ということではなく)する必要があるのかどうかという問題があるとも思います。


そういった環境面の問題についても、国交省の言う導水路建設の根拠には疑問が多々あるのですが、私が特に声を大にしたい(街頭演説のテーマにもしている)のはやはり890億円というコストです。

水需要が頭打ちの中で、これほどの税金を投入して緊急にするべき事業なのか?
国も県も財政が厳しい中で、どうしてもやらなければならないのか?
国交省が根拠にする少雨化現象があっても、既存の水利用者(たとえば農業用水)の間で水を融通して安いコストで水需要をまかなうことを考えるべきのなのではないか?890億円という額も、これで済むのか?
先日の国交省の「ふれあいセミナー」では「トンネルに砂が溜まらないように『沈砂池』を作ることも検討する」と言っていましたが、こうした付帯施設をつくれば事業費は膨れ上がってゆくのではないか。

890億円、私たちの税金です。医療や福祉、本当の意味での環境保全、治安や経済活性化に使いたい。



こうして考えると、木曽川水系連絡導水路計画、問題点が多すぎます。では、どうしたらよいか。古田知事は「環境影響が明らかにならないうちは、建設に合意しない」旨を発言しました。しかし、このままでいいのでしょうか。問題点を県内だけでなく愛知県、名古屋市の方々にも訴える。

反対のための運動であってはいけない。私たちには行政のチェックをする責任がある。そして無駄な公共事業ならば凍結させることも必要と思います。

それが出来るのは政治の力、いまは民主党にしかできないことです。


岐阜県議会だけでなく、愛知県議会、名古屋市議会、そして国会と連携して見直しを訴えてゆきます。

木曽川水系連絡導水路計画の市民学習会(1)

2008年06月05日 02時09分41秒 | Weblog
3日夜、木曽川水系連絡導水路計画についての緊急市民学習会が岐阜市内で開催されました。100人を超える方々が参加しました。


木曽川水系連絡導水路計画は、前回、前々回も触れていますが、改めて説明をすると、
揖斐川(徳山ダムに溜めた水を下流の西平ダムから取水)-長良川(一部放流)-木曽川、と結ぶもので、延長約44キロ、地下数十メートルに直径4メートルのトンネルを通して最大で毎秒20立方メートル/毎秒の水を流すものです。2015年度完成予定で、総事業費890億円の巨大公共事業です。

国交省によると、目的は徳山ダムの水を木曽川と長良川に導水してこの二つの川の河川環境の改善を行うとともに、徳山ダムから愛知県と名古屋市の分の都市用水を持ってくるということだそうです。

この目的やその根拠、事業の必要性、そして国交省(木曽川上流事務所)の説明や情報公開が実にずさんなことから私たちは問題視しているのです。


市民学習会では、これまでの計画の概要と問題点について説明がなされたあと、岐阜大学の向井準教授が河川環境に関わる説明をして、渇水時に導水路によって長良川に水が放流された場合でも、河川環境の改善に効果がないことを訴えました。