幼稚な思考

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「アンネの日記、都内で破損相次ぐ　各図書館で２００冊超」（２月２０日、共同通信）

 

東京都内の複数の図書館で「アンネの日記」や、其の関連する書籍の頁が破られる被害が相次いでいる事が２０日、判った。日本図書館協会関係者によると、被害は２００冊を超えると見られる。誰が何の目的で行っているかは、判らないと言う。

 

中野区立中央図書館によると、同書が破られているのが見付かり、警視庁中野署に被害届を提出した。

 

又、東久留米市立図書館では、アンネの日記や、ナチスの強制収容所アウシュビッツに関連する複数の書籍が１０頁程破られているのが見付かった。此の他、練馬区や杉並区等の図書館でも、同様の被害が在ったと言う。

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“単独”犯の可能性も零では無いが、被害が２００冊を超えるという事を考えると、恐らくは“組織的な犯行”ではないだろうか。又、此れも推測になるが、破損されたのがアンネの日記やナチス（の残酷さを記しているで在ろう）関連本というのを勘案すると、犯人は「ナチスを信奉し、人種差別を良しとする人物。」の様に思われる。ナチスに関して不都合な物は、一切排除するという事なのではないかと。

 

何度も書いている事だが、明々白々に違法行為で無い限り、且つ他者に何かを強制したり、迷惑を掛けたりしない限り、人はどんな思想や信条、主張を持とうが全くの自由だと思っている。ナチスや人種差別は大嫌いで、其れ等を信奉する人達を軽蔑はするけれど、だからと言って（上記の例を除いては）彼等を排除し様とは思わないし。

 

自身が所有する物ならば別だが、“国民の財産”で在る図書館の書籍を破損するというのは、立派な犯罪行為で在り、絶対に許されない事。此の不埒な輩が一日も早く捕まり、きちんと補償させられる事を望む。

 

近年、「自分が愛する対象への不都合な事柄は、仮令事実（乃至は事実と思われる状況）で在っても、『そんな事は全く在り得ない。』と一切認めず、不都合な事柄を力尽くで消し去ろうとする風潮。」が強まっているのが気になる。「日本軍の兵士達は、何一つ悪い事をしていなかった。」なんていう主張も、そんな１つ。

 

他国の兵士達に比べると、日本軍の兵士達は規律が取れていたと思うし、国民性を考えれば、旧ソ連の兵士等の様に民間人を凌辱＆殺害したりする事例は少数だったのではないかと考えている。でも、元兵士達の証言を見聞する限りでは、「部隊に於ける上官から下士官への理不尽な暴行」は結構在った様で、其の事に対するフラストレーションを民間人へと向けてしまった兵士が居た可能性を零としてしまうのは、（元兵士の証言からも）非現実的ではないかと思うのだ。

 

自身の考えだけが唯一無二的に正しいと主張し、異論を一切認めないどころか、そういった物を全て力尽くで排除しようとするのが、「美しい国の国民のスタンス」で在るならば、そんな国は「虚飾された美しい国」だ。“明々白々な”誤りを正すのは当然の事だけれど、「自身（乃至は自身の愛する対象）にとって不都合だから。」と、事実迄をも捻じ曲げ様とするので在れば、其れは（難癖を付け捲るという意味で、真面な国家とは思えない）中国や韓国、北朝鮮等と何等変わらない。

 

事実を事実として認められない“幼稚な思考”を捨て去った“大人の国”で無ければ、「美しい国」を名乗れないと思う。