先日、近所の食品スーパーを訪れた時の話。買い物を終え、店外の駐車場に向かっていたら、目の前を親子連れが歩いていた。30代前半と思しき御父さんが、5~6歳位の男の子の手を繋ぎ、もう片方の手には店内のクリーニング店で引き取った(と思われる)スーツとワイシャツを持っていた。
男の子は御父さんに、「何で、(スーツを)御店に出したの?」と質問。すると御父さんは、「皺々の御洋服と、綺麗な御洋服だったら、何方が御仕事出来そうに思う?」と逆質問したのだった。
「成る程、『身綺麗にしている方が、仕事が出来る。(又は仕事が出来る様に、周りから思われる。)』と、息子に教えたいんだろうな。」と、自分は心の中で呟いた。そして、「確かに見た目がだらしないと、仕事出来無さそうに感じるもんなあ。」とも思ったのだが・・・。
間髪を容れず、其の男の子は答えた。「皺々の御洋服の方!」と。「え?何で??」と当惑した声で尋ねる御父さんに、「だって、頑張って御仕事してるって思うから。」と答えた男の子。
「一生懸命頑張って仕事している。→スーツは皺々になる。→仕事が出来る。」というのは、「大人だと思い浮かばない、子供らしい発想だなあ。」と思わず微笑んでしまったが、前を歩く御父さんは「そうかあ・・・。」と唸る様に声を絞り出し、肩をがっくりと落としたのを、自分は見逃さなかった。
子供らしいというか素直な視点ですね。
逆に大人の方が「見た目」に惑わされて本質を見逃しているのかもしれません。
良い子に育ってる(笑)。
“子供らしい”と書いてしまうと、「子供らしいって、一体何やねん。何を以てして、子供らしいとするのか?」と難癖を付けられ兼ねない御時世ですが、自分も件の子供の発言を耳にして「子供らしくて良いなあ。」と思いました。
周りを忖度する事無く、曇りの無い目で思った儘を口にする。大人には中々出来ない事で在り、こういう曇りの無い目をキープして欲しい物ですが、実際には難しいんでしょうね。